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丑年だけに、牛タンとドイツのハム売り場の話

ドイツにいた頃、意外に思われるかもしれませんが、牛タンは、身近な食材でした。スーパーのハム売り場(魚売り場より広い!)には、美味しいイタリアのサラミやスペインの生ハム、ピスタチオやパプリカが入ったハムなど、多種多様なハムやテリーヌが量り売りされていて、その場で、好きな量だけスライスしてもらえました。

その中には、牛タンもあって、見かけは、ちょっと引く位、牛の舌そのもので、ドーンと大きな塊でおいてありました。そこから、好きなだけ、スライスしてもらえます。結構塩味もついている(ハム化されている)ので、軽くフライパンで焼いて、焼肉式に、レモンやポン酢醤油をつけて頂くと美味でした。ドイツ人はどうやって食しているのかはわかりませんが、とても気軽に買えて、日本の気分を味わえる食材として、私は、重宝していました。値段もハムのような値段なので、数切れでなく、何十切れも食卓に出す事もありました。

ハム売り場や肉屋さんの定番として、大抵、付き添いの子供に、ご褒美として、子供用のシンプルなソーセージみたいなハム(gelb wurst)を一切れスライスして渡す習慣があります。「キンダーブルストいるか?」と言って、必ずくれるので、小さかった娘は、いつも嬉しそうにもらっていました。スーパーに入っている、イタリア食材店に山盛りのオリーブのハーブ漬けもあって、それも試食させてくれるのですが、娘は、「味見怪盗、現わる!」といいながら、それも頂いていました。懐かしい思い出の1つです。

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欧州にいながら、身近なスーパーで、意外と手に入りやすい、和食に使える食材は他にもありました。

例えば、きのこ。きのこミックスの様な瓶詰めが売っていました。ちょっと山菜風な感じで、私はお味噌汁の具材にしていました。ドイツ料理に、「猟師風シュニッツェル」(Jägerschnitzel )というのがあります。きのこ生クリームソースのかかったカツで、この瓶詰めはそれに使うのかなと思っていました。ちなみに、この料理は日本人好みだと思います。

それから、かぼちゃ。オーランタンになるようなオレンジ色の西洋かぼちゃの他に、ホッカイドウという品種が良く売っていました。

ドイツにいた頃は、お昼は学校のランチかドイツの会社の社食で、和食には程遠いので、夜は和食優先でした。日本食材屋さんは車で高速に乗るか、中心街まで行かなくてはならなくて、スーパーで出来る和食はとてもありがたかったです。あのリアルな見かけで売っている牛タンの味は忘れられないです。





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