見出し画像

親知らず、自分も知らず。(Part1)

 今までの人生のなかでやってよかったと思えることの1つに親知らずの抜歯がある。今日はその話。

 ある日の歯医者での定期健診で、先生に親知らずが生えてますね。早めに抜きましょう。とほぼ強制のように言われた。
 恥ずかしながら僕は毎日の歯磨き中は目をつぶっていたり、動画を観ていたりと鏡を見てちゃんと歯を磨いていなかったため、自分でも親知らずが生えてきていたことに気づいていなかった。
 その歯医者では親知らずの抜歯はやっていないとのことらしく、大学病院への紹介状を書いて貰った。
 大学病院でのとんでもない待ち時間の後、診察と手術日程決めが行われたが、親知らずの手術なんてレベルの低い手術はかなり後回しにされるかつ、こちらでほぼ日程を指定するのは難しい。数ヶ月後のこの週しか空いてないですねどうします?と聞かれ、じゃあいいですぅ!と答える人はいないだろう。
 ちなみに親知らずの抜歯は全身麻酔をし1度に左右上下の4本を抜いてしまうプランと部分麻酔をし片側上下を抜く手術を半年程度の期間をあけて2回行い計4本抜くプランの2つがあるらしいが、まぁ前者のプランは、よほどの事情がなければ採用されない。

 閑話休題、僕の親知らずは左右で生え方が違く、左は正常に生えており、右は横に生えてきてしまっていた。

左右で生え方の個性がある

 見えてる部分だけでみると同じようだがレントゲンで撮るとこうも違っていた。正常な生え方をした歯は引っ張れば抜けるが、横に生えた歯を抜くためには歯茎の切開が必要であり、尚且つ歯を割らなければならない。

パキッ!!

 診察時には上記のような手法を使いますといった説明や抜歯の際に神経を傷つけて唇の感覚を失うかもしれない、抜歯後の穴の骨が露出したままになり細菌感染を起こす(所謂ドライソケット)かもしれない、上の抜歯を行った際に頬に存在する空洞と繋がってしまうかもしれないなどなど多数の後遺症について仔細に説明してくるため非常にビビった。手術したくなくなったが堪えて同意書にサインを書いた。

 そんな恐怖の診察の数ヶ月後に1回目の手術がやってきた。1回目は正常に生えている左側の親知らずを抜歯する。左が先になったのは先生にどちらが痛いですか?と聞いた際に左が痛いと聞いたため。痛い方を先にやっておけば2回目の手術で余裕が生まれるのではと考えたのだ。

 手術を行うのは男勝りな感じを窺わせるサバサバ女医さんと、いかにも新人の研修医さん多数だった。口だけが露出するように穴の空いた布を被せられ、視界がゼロの中部分麻酔をかけられる。注射器で苦い麻酔を口腔内に注射される。あまり気分の良いものではない。口の粘膜が糸で縫われ引っ張られるような奇妙な感覚がする。
 触られてる感覚がありますか?と聞かれ少しあると答えると麻酔を増量される。
 すると女医が餅つきするよ〜と掛け声をかけ、女医と研修医が交互に下の親知らずを力一杯押し始める。とんでもない力技だった。「うーん動かないなぁ」「もっとこっちに押してみて」「おお動いた動いた」とか聞こえてくる。   
 痛くはないが押されている感覚はあるため地獄の責苦が続く。親知らずはとても大きい歯で根っこも深い、それを抜くためにかなりの時間がかかる。
 体感30分ほどかかって緩くなった歯をペンチで引き抜く。実際にかかった時間は15分から20分ほどだろうが1.5倍の長さに感じられた。
 女医が大丈夫と聞いてきたが、憔悴かつ話せる状態になかったため手で👌を作って返事した。
 大丈夫の返事をしたため連続で上の抜歯に入る。麻酔を追加しペンチで引き抜く。上の歯はあっけないもので1分ほどですぐ抜け、はい終わり〜と言われる。下と上で9:1くらいのレベルの差があった。

書くの疲れたんでPart2を後日出します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?