【遊戯王雑談】スクラップ年表
まえおき
どうも、人鳥さんです。
一時期は別カテゴリとの相互独立混成【〇〇スクラップ】を色々模索していましたが、最近のランクマ(金銀帯)は結局【春化精スクラップ】使ってます。
最終盤面がブレイバードラゴン程度で極めて貧弱なのですが、なんだかんだ妨害貫通のための手数がある方が【相剣】とかと戦う分には勝ちやすいですね。
それはそれとして以前自分で見るために纏めた年表が埃をかぶっていたので、noteくんが今月も書けと催促してくるのを誤魔化すために色々書き加えて記事にしようと思います。
好きなテーマを語るのは何度やっても良いとされているので。
年表
タイトルの「スクラップ」に興味を惹かれて読みに来る人を想定しているためカード効果の細かい解説までは行わないので、必要ならば公式検索の販売順ソートでも横に並べながらお読みください。
2009年12月12日 ストラクチャーデッキ-マシンナーズ・コマンド-
《スクラップ・リサイクラー》
初のスクラップ名称カードが出た記念すべきストラクです。
まぁぶっちゃけ「《マシンナーズ・フォートレス》を墓地に送ったりしつつ、ガジェットをデッキに戻す」ために作られた無関係なサポート機械族が、後に出るテーマと偶然名前が被ってしまっただけなんですが。
そのため効果を2つ持つものの、②側はほぼ忘れ去られています。
なんなら①側もスクラップモンスターに対して使われることは全くない……わけではありませんがほぼ無いです。
紆余曲折ありつつも今ではワイバーンになったりゴーレムで使いまわされたりラプターと出張したりとスクラップ名称を生かして大活躍しており、立派なスクラップファミリーと言えるでしょう。
2010年4月14日 デュエリスト・レボリューション
《スクラップ・キマイラ》《スクラップ・ゴブリン》
《スクラップ・ビースト》《スクラップ・ハンター》
《スクラップ・ゴーレム》《スクラップ・ドラゴン》
《スクラップ・エリア》《スクラップ・スコール》
《スクラップ・ポリッシュ》《スクラップ・カウンター》
正式にテーマとして実装されたのはここ。
《エフェクト・ヴェーラー》《強欲で謙虚な壺》《神の警告》と言った強力なカードが同期になります。
1:チューナーを墓地に送り
2:非チューナーを手札に加えて
3:非チューナーの効果でチューナーを展開しEXモンスターを出す
という現代にも通じる基礎は既に完成しています。
1→エリアでサーチ可能な下級2体が被破壊上等で戦いつつ
2→ゴブリンやカウンターで受けたり、速攻魔法やハンターで破壊することででサルベージ効果を発動させ
3→キマイラやゴーレムを手札に加えて召喚し、ドラゴンに繋げていく
というのが、当初のデザイン上の動きだと思われます。
この時点では《おろかな埋葬》でもない限り(召喚権の関係で)、初手は準備に徹する必要があるでしょう。
今(24年3月)でも遊戯王wikiの【スクラップ】ページには「下級モンスターを軸に《幻獣の角》でアドを取るメタビート」と言った少々古すぎる感覚の記述がありますが、そのタイプはこの時代に生まれたデッキが原型となっているものと推測します。
2010年7月17日 スターストライク・ブラスト
《スクラップ・サーチャー》《スクラップ・ソルジャー》
《スクラップ・ツイン・ドラゴン》
《スクラップ・オイルゾーン》《スクラップ・クラッシュ》
同期は《速攻のかかし》《カラクリ将軍 無零》《調律》などの強力カードに加え、《グローアップ・バルブ》《虚無空間》と言った問題児も。
ドラゴンによる自陣破壊から展開したり破壊対象になったりできるほか、ゴーレムからの送り付けで除去にもなるサーチャー。
キマイラがレベルを問わず蘇生できることに着目したソルジャー、からの9シンクロでバウンス除去を行えるツインドラゴン。
加えて展開札のオイルゾーンと、永続カード対策のクラッシュ……という構成。
魔法罠は汎用札が規制されがちだった当時の状況を鑑みても特別強力とは言い難いですが、全体的には既存カードを補佐する形で真っ当な追加強化と言えるでしょう。
レベル9へのアクセスが容易になったツインドラゴンや、リンク召喚で素材としての価値が跳ね上がったサーチャーに関しては、この当時より今の方が高く評価されているのではないでしょうか。
2010年8月17日 Duelist Revolution
《Scrap Archfiend》
《Guts of Steel》
海外先行。あちらではキマイラなどと同時実装。
詳細は来日時に。
2010年10月21日 V JUMP EDITION 3
《スクラップ・オルトロス》
Vジャンプの応募者全員サービス5枚のうちの1枚。
ビースト同様のレベル4チューナーであり、「召喚権を残しキマイラを手札に加えつつ、破壊を発生させながら自身を墓地に送る」といえば後のラプターにも通ずる、【スクラップ】の理想状況を整える強力なモンスターです。
エリアによるサーチが存在するため必要な状況で引き入れやすいのもGOOD。
ただし特殊召喚モンスターゆえに単体では場に出すことも出来ず、ある程度状況が整ってから使うカードであり、おそらく「ドラゴンを出した横で自壊させ、展開に使ったキマイラを回収して次に備える」状態が理想だと思われます。
初動はもちろん劣勢の巻き返しとしても腐るカードであり、あくまで「最初期組のサポート」が続きます。
2010年11月13日 ストーム・オブ・ラグナロク
《スクラップ・ワーム》《スクラップ・シャーク》
《アトミック・スクラップ・ドラゴン》
《ドッペル・ウォリアー》や真六武衆のほか、かつては汎用枠として重宝された《禁じられた聖槍》なんかも同期。
急にちょっとアクが強く(婉曲)なりましたね。
シャークやアトミックはその効果の珍しさゆえに今では大なり小なり使いようがありますし、ワームは素材活用……のほか、この時点ではカード単体かつ相手依存無しでサルベージを発動できることに唯一性もありました。
ただまぁ、ファクトリーさえ無い時代にこの脆さ&出しにくさの新規はちょっと……当時のスクラップ使いも困ったんじゃないでしょうか。
2010年11月16日 Starstrike Blast
《Scrap Mind Reader》
再び海外先行。詳細後述。
2011年2月8日 Storm of Ragnarok
《Scrap Breaker》
最後の海外先行。後述。
2011年2月11日 エクストリーム・ビクトリー
《スクラップ・コング》
機皇やTGのカードが5D'sシナリオの終焉を告げる中、颯爽登場我らがゴリラ。
ちなみに先述のワームの唯一性(完全単体でのサルベージ)はコイツが競合です。一応。
正直今までの流れからこれが単体実装されたら私ならキレます。
今では特殊召喚の手段が増えたことで自壊させずに盤面で使う方法も増え、カテゴリに属し出しやすい地属性下級として春化精で打点そのものを生かすことも可能に。
【バブーン】的にもラプターによるサーチで主軸にしやすくなるなど、決してネタ扱いに留まるカードではないと思います。今では。
この時点ではキレて良いと思います。
2011年9月17日 EXTRA PACK Volume 4
《スクラップ・マインドリーダー》《スクラップ・ブレイカー》
《スクラップ・デスデーモン》《ポンコツの意地》
ついに来た海外先行実装パック。
今は海外では禁止されていることでお馴染み《増殖するG》と共に来日しました。
デスデーモンは効果こそ持ちませんが、展開先縛りのあるキマイラ+ゴブリンで唯一出せるシンクロモンスター(当時はEXモンスター全体でも唯一)であり、デーモンとしても素材縛りの緩さから独自性を持ちます。
が、他はまぁ引き続きキレて良いんじゃないでしょうか。
一応今の感覚で真面目な話をすると、マインドリーダーはレベルに固有性があるチューナーなので《森と目覚の春化精》でゴーレムを蘇生する際に墓地に落とせばスムーズに《ナチュル・パルキオン》に繋がるほか、召喚権を切らないと始まらない【スクラップ】にあって《ワン・フォー・ワン》で出せてデメリットが無いというニッチもあります。
ブレイカーもラプターでサーチできる中で召喚権を使わず能動破壊が出来るほか、《緊急ダイヤ》の高レベル側対応でワイバーンに繋げる点も見逃せません。
ただ今までの微妙新規と決定的に違う点として、効果がサルベージや墓地送りでも何でもなく、もはや「チューナーを落とし非チューナーで釣り上げてシンクロ」みたいな動きをなぞる点さえ放棄しています。
真面目に海外担当が思い描いたコンセプトが分かりません。
「なんか自分のカードを破壊してコンボするデッキ」くらいのぼんやりイメージで作られたんでしょうか。
あとポンコツは論外です。
また、ここまでは数か月ごとに新規が追加されていましたが、シンクロ召喚の時代が終わりエクシーズ召喚に移行していくに伴い、ここで一旦スクラップの新規カードは打ち切られます。
ホント当時のスクラップ使いはどんな顔してたんでしょうね。
2014年2月15日 プライマル・オリジン
《スクラップ・ファクトリー》
およそ2年半、来日カードを既存と見做せば3年の空白を経て登場した専用フィールド魔法。
いつのまにかオーバーハンドレッドナンバーズや七皇の剣が登場する時代になっています。
やたらと自壊してフィールドを空けてしまうカードも多かった中でのリクルート効果に加え、3000ライン近辺をうろつくシンクロ/下級アタッカーラインを攻める獣族下級たちそれぞれにとって200の打点増強も案外大きめ。
「このカード+何らかのモンスター+破壊手段」と初手の要求枚数は多いものの、当時無制限の《テラ・フォーミング》や、オルトロスをサーチするエリアの存在から成功率は悪くなく、このカードは軸としたデッキを組むに値するものでした。
今でも採用率自体はありますが、3積み安定という感じではなくなった印象。
「タイミングを逃す」カードですが依然「あれば強い」です。
なお、この後同年12月頃に《スクラップ・フィスト》が登場しますが、所謂「必殺技カード」であり【スクラップ】との関係はありません。
2018年11月23日 LINK VRAINS PACK 2
《スクラップ・ワイバーン》
さらに4年近い時を経てアークファイブも終わり、世はリンク時代。
スクラップも他多数のカテゴリと共にリンクモンスターを貰いました。
デメリットの関係上最大限の恩恵を得ることは難しいものの、蘇生の①効果とリクルートの②効果を併せ持ち、さらに②は対象を取らない除去まで出来るというスグレモノ。
素材指定がやや緩い(スクラップモンスター2体、ではなくスクラップを含む2体)のも非常にえらく、リサイクラーはこのカードの登場によって【スクラップ】内で明確な役割を持つことが出来ました。
この時点ではラプターが存在しないため、リサイクラーが1枚初動になるというのは替えの利かないオンリーワンであったというのも特筆すべきでしょう。
②は相手ターンにも誘発する除去なので制圧妨害として使えそうなのですが、現状カテゴリ内で誘発させるには速攻魔法を素引きするか、制御できないシャークの自壊を活用するしかないため、あまり実用的とは言い難いのが惜しいところ。
2021年1月16日 ライトニング・オーバードライブ
《スクラップ・ラプター》
そしてワイバーン追加から2年以上、VRAINS終了からも1年以上が経ち、スプリガンズの登場で《アルバスの烙印》にまつわるシナリオも広がりを見せてきたころに現れたのがこちら。
現在最後の追加カードにして最強の初動、ラプターです。
ちなみにマスターデュエルの初期実装カードは2021年6月前後のものまでであり、サービス開始当初はかなり新しい部類のカードでした。
キマイラ・リサイクラー・ファクトリーと、これまで軸として活用されてきたあらゆるカードをサーチでき、このカード自身もエリアに加え《化石調査》に対応します。
「チューナーを墓地に落としてから召喚」だの「フィールド魔法下でモンスターを出して破壊」だの複数の手順を踏む展開か、特にサーチ手段もない素引きのリサイクラーかを初動としていた【スクラップ】にとってはまさに革命的なカードだったと言えるでしょう。
次は果たして
さて、ここまで述べてきたとおりスクラップというテーマはシンクロ(5D’s)時代に一旦終了し、その後3年程度の期間が経つごとに1枚ずつ強力な新規を貰ってきました。
そして今はラプター登場から3年と2カ月が経過しています。
つまり、そろそろ新たなカードが出る頃合いなのではないでしょうか。
と言うか出てください。
ラプターの項で言ったことを逆に言えば、「スクラップというテーマは複数の役割のカードを集めて準備しないと始動できなかったところを、ラプターのサーチ効果で強引に解決している状態」とも言えます。
初期からコンセプトイメージとして存在するであろう「破壊と再生」を体現する「自壊効果で墓地回収効果を発動しながら戦う」戦法は、未だオルトロス登場から目立った進歩をしておらず、テーマ単体で安定して行える基本戦術とは言い難いのです。
一応春化精の力を借りれば《花と野原の春化精》で「丘」「苗」を回収して次に備えるような動きも可能ですが、現在のサルベージ(手札増強)力では中長期的に春化精を回すのもやや難儀。
制圧切り札や妨害突破力など他に望まれていることも多いとは思いますが、私としてはもっと「テーマっぽい雰囲気」を補佐する新規が出てくれることを祈っています。
蛇足
個人的な見解としてこの「展開は出来るけどテーマの想定ムーブがなんかイマイチ」問題、地味に春化精もどっこいどっこいだと思っています。
花冠・花蕾・花盛(一応暦替も)と手札をリカバリするサポートカードは多数あり、それらが複数揃うと結構いい感じに動けるのですが、そのサーチが全て「丘」頼り。
元々全体的に攻撃力が低いのに攻撃力倍加や連撃効果を持っていたり、何より花冠で地属性全体を春化精扱いに出来たりと、他テーマと混成することで真価を発揮するコンセプトなのですが、そう言うのとは違う部分での不足を感じます。
「他テーマとの混成でより強みを発揮する」というより、
「単体でちゃんと動くのが難しいので他テーマのブースト砲台にならざるを得ない」と言った印象。
そろそろリアルで春なので、なんか新しいの出ないもんですかね、こっちも。
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