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コント⑪「賽の河原」

子:90歳
鬼:積んだ石を壊す
親:105歳

小道具:ジェンガ、鬼の金棒、鬼のパンツ

(子、河原の石を積む)
子 あぁあ………(崩れる)
子 あぁあ…(また積み直す)
鬼 ギャーッギャッギャッギャ!!!ここは賽の河原!!親より先に死んだ子供が天国に行くために延々と石を積み上げる場所!!でもなぁ、俺は鬼だから、みんなが石を積み上げ切る前に壊す役割なのさ!!!

鬼 あれっ!?お前全然積んでねえじゃねえか!!新入りなのに、早速積むのを諦めたってか!?
子 違います……積んでも積んでも崩れるのです
鬼 仕方のないやつだなぁ!
子 なにしろ、老眼ですので…
鬼 …えっ?ここは、親より先に死んだ子供しかいないはずだぞ!
子 …えぇ、90歳です。105歳の親がまだ生きてます
鬼 あ、そういうパターンもあるの!?可哀想に!
子 私は、介護の最中、階段で転んでぽっくりです
鬼 老老介護やないかい。
子 親の介護をするよりは、ここで石を積んでたほうがまだ楽しいですわい…
鬼 え、今の日本は地獄より辛いの?
子 でも、介護でつきっきりだった親も、私がいなくなったらすぐ事切れることでしょう。なにせ子供がいないので
鬼 今すぐ政府は少子高齢化から日本を救ってくれ。

(親が出てくる)
鬼 あっ!(指差す)あれ、お前の親なんじゃないか?
子 あっ…ほんとだ!やっぱり死んじゃったんだ、おとうさーん!(手を振る)
(親、こっちを見るが無視して歩く)
子 無視されたんですけど!
鬼 最悪じゃねえか。早く天国に行きたくてしょうがないんだな。
子 ここ(親が歩いた場所)って、三途の川ですよね?
鬼 あぁ、恐らく今から閻魔大王のところへ行って、天国か地獄か決められるんだろうな。
子 …地獄行かねえかな〜
鬼 クソみてえな親子!!!(苛立ちのあまり他のジェンガを倒す)

鬼 まあ気を落とさずやれよ。石を高く積み上げられたら、それに登って天国に行けるんだ。
子 いえ、いいです。
鬼 90歳が考えることじゃねえよ!!てか90歳で親が105歳って……お前ヤンキーの子供やないかい!!
子 はい
鬼 いつの時代もいるもんだな!!
子 お父さんの背中には、鬼の入れ墨が入ってます
鬼 地獄行きだろそんなやつ!!!なんで天国に行けると思ってんだよ!!
子 たまにいるじゃないですか、長生きってだけで自分が偉いと勘違いしてるじじい。
鬼 おまえ90にしては切れ味が鋭いんだよ
子 まぁ介護していた親にも裏切られたんですし、もう何もかもやる気がないですよ…
鬼 ……手伝ってやるよ。
子 えっ、本当ですか
鬼 可哀想になってきたわ
子 あぁ、じゃあ頑張ります
(一緒に石を積む)
子 ……あ、あの餓鬼!(指を差す)
鬼 (気付く)うをっ、あぶな!(他のジェンガを倒す)
鬼 あぶねー、登りかけてたな。
子 危機一髪でしたね
鬼 お前ちゃんと性格悪いし抜け目ないな

(親が帰ってくる)
鬼 あっ!お前の親だ
子 今さら何しにきたんだよ!!勝手に入ってくるんじゃねえよ!
鬼 反抗期?
(親が石を積み始める)
子 …えっ?
鬼 おい爺さん、お前の持ち場はここじゃないはずだぜ
親 …いえ、ここで合ってます。私の親は吸血鬼になってまだどこかで生きているらしいんです
鬼 …は!?じゃあお前も親より先に死んだ子供ってこと!?
親 はい。名前は、DIOと言うらしいです
鬼 いやお前ジョルノ・ジョバァーナやないかーーい!!!!

《あとがき》
設定は面白いと思うんだけど小ネタがしょぼいからもうちょっと面白くなるはず

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