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上野千鶴子とアンダーグラウンド・ロックシーンなど

昨日からずっと起きている。クラッシュの「ロンドンコーリング」を聞いていると日付が変わっていた。全く眠くない。今日は午後から戎橋に行くのだが、それまでどうやって時間を潰そうか考えている。とりあえずコーヒーを飲んでいるが、ローソンに行ってタバコを買うついでに赤ワインの「MICHAY」を買って飲もうとも考えた。時間の潰し方がわからなくて酒を飲もうとするのは典型的なアルコール依存症者であるが、昨日、ブックオフオンラインで本を11冊注文してしまったので、できればなるべくお金は節約したい。
銀星倶楽部以外に上野千鶴子の本を10冊も買ってしまったのは、浪人時代、上野千鶴子の「女遊び」が面白くてはまってしまったからである。上野千鶴子は今では東京大学名誉教授であるが、この本が書かれた頃はまだ京都の平安女学院短期大学助教授だったと思う。教壇でいわゆるわいせつ用語を多用し、「学界の黒木香」を自認していた。出だしのエッセイ「おまんこがいっぱい」でまず度肝を抜かれた。
また、多摩美術大学の学生時代、芸術学科の東野芳明先生の現代文化論に毎回潜り込んで講義を受講していて、そこに上野千鶴子がゲストに来ていて、講演と対談をしたのだが、それが面白かった。上野千鶴子といえばマルクス主義フェミニズム、ジェンダー論、女性学の権威であるが、その時は社会学者として大衆社会から小衆社会を論じていたと思う。
2019年東大入学式での祝辞もしびれるものがある。祝辞の中で上野千鶴子は、2018年に発覚した医学部不正入試問題に触れつつ、東大や四年制大学全体において女子の入学者の比率が低いことに言及し、さらに東大の学生生活や大学組織の中でも未だ性差別が根強く残っていることを指摘した。その上で新入生に対し、現在の自分があるのは努力ではなく環境のおかげであることを自覚するよう促し、自らの能力を自分のためだけではなく、機会不平等が残る社会において恵まれない人々を助けるために使うことを呼びかけた。最後に、異なる環境に身を置くことを恐れず、未知を探求しメタ知識を身につけるよう説き、祝辞を締めくくった。
さらに、最近見た「閉鎖病棟」という映画を見て、色々と思うところがあって、YouTubeで原作者と監督と若草プロジェクトの代表呼びかけ人の村木厚子の話に共感して、若草プロジェクトについて調べてみると、上野千鶴子も呼びかけ人になっていた。ちなみに若草プロジェクトのもうひとりの代表呼びかけ人の瀬戸内寂聴の秘書の瀬尾まなほは若草プロジェクトの理事をしている。
若草プロジェクトは、生きづらさをかかえる少女や若い女性たちと、彼女たちを支援する人たち(支援者)とをつなげ、彼女たちの心に寄添う支援を届けるために「つなぐ・まなぶ・ひろめる」の3つの事業を行っている。
「つなく」では、生きづらさをかかえる少女や若い女性たちと支援者をつなぎ、支援者と支援者、支援の現場と企業や社会をつなぐ。
「まなぶ」では、少女や若い女性たちの現状を理解し、支援の方法を学ぶため、連続研修会を実施します。また、支援者のためのマニュアルを発行している。
「ひろめる」では、家出や援助交際、JKビジネスなどの背後にある貧困や虐待、性暴力、性搾取の罠など、少女や若い女性たちの問題の深刻さを社会に広く訴えている。
若草プロジェクトに興味を持った背景には、以前、うちの近所の東成区民センターで開催された、映画「さとにきたらええやん」の上映会とトークイベントがあって、そこで映画の舞台になっている釜ヶ崎のこどもの里の理事長の荘保共子の話に共鳴したことがある。話の中で荘保共子はダルク女性ハウスの代表と話したことを紹介していた。覚せい剤常用者の女性の8割が性暴力の被害者だと聞いて、一切の常識をとっぱらっているとのことで、その話に非常に共感した。また、「閉鎖病棟」の座談会の中でも村木厚子は若い受刑者が多いのを不思議に思って、担当検事に聞いてみたそうだが、そうした若い女性の受刑者の大半は薬物と売春で懲役を課されているとのことだった。
ここまで書くあいだに、ZELDAのニューウェーヴ時代のCDを3枚聴いてしまった。ZELDAは、1980年代から1990年代にかけて活躍していた日本のロックバンドで、 メンバーが全員女性のガールズバンドの草分け的存在であった。女性グループとしてもっとも長い活動歴を持つことで、ギネスブックにも記載されている。ボーカルの高橋佐代子が加入した時にはまだ中学生だったというのも衝撃である。ちなみにZELDAの次にプレイ予定なのはG-SCHMITTのボーカルのSYOKOのソロアルバムである。
80年代ニューウェイヴを象徴する女性シンガーといえば戸川純とPHEWだが、G-SCHMITT も忘れてはならない。G-SCHMITTの所属レーベルWECHSELBALG(ヴェクセルバルグ)はAUTO-MODのジュネがテレグラフ傘下に設立したポジティヴパンクの象徴的レーベルでAUTO-MOD、G-SCHMITTの他にSADIE SADS、NUBILE、SODOM、SARASVATI等のバンドをリリースしている。高校時代はバンドでハードコアパンクをやっていたが、個人的には海外勢ではバウハウスやジーンラヴズジザベル、ダンスソサエティ、サザン・デス・カルト。日本勢ではMADAME EDWARDAなどのポジティヴパンクが好きだった。ポジティヴパンクの耽美イメージを具現化したこだわりの音作りとアートワークは「1枚出すと100万円の赤字」と言われていて、そのため、1985年にテレグラフは手を引き、以降はテレグラフの重役だった宮部知彦が独立して運営した。ヴェクセルバルグのリリースは確認出来る限りでは1991年のAUTO-MODのカタログのCD化が最後である。日本のポジティヴパンクシーンでは、1983年12月に始まったシリーズギグ「時の葬列・終末の予感」が有名である。
寒くなってきたので布団に潜り込んで「雪の下の炎」読んでいたらいつの間にか寝落ちしてしまっていた。起きたのは6時半である。とりあえず大阪の再開発関連のブログとニュースをチェックする。目立った記事はなかったが、そろそろ堂島2丁目プロジェクトが着工しそうである。ただ、まだ地下躯体の解体を行っているので、もうしばらくかかるのか、同時進行で地下工事からスタートするのかもしれない。49階、高さ195mというのはなかなかのスケールである。その他では、11月16日に開業したヨドバシ梅田タワー「LINKS UMEDA」がオープン10日間で500万人来館したそうだ。年末年始までの累計来館客数が1500万人を超える見込みというのだから凄まじい。
ベルベットアンダーグラウンド&ニコのバナナレコードのCDを聴きながらTwitterをチェックする。ニコの呪術的なボーカルが冴えている。いつまでたっても色あせないサウンドはさすが。
テレビを見てもいいのだが、最近のテレビはろくな番組をやってないのでほとんど見なくなった。毎日放送のサタデープラスという番組は大阪制作の全国放送だが、全国放送ならではの東京情報が多いので見る気がしない。東京制作のワイドショーなんて何をか言わんである。東京ローカルの情報を全国ネットで垂れ流す意図はなんなのだろうか?東京ローカルのニュースでやってくれ。
バナナレコードが終わったので「ノーニューヨーク」を聴く。「ノーニューヨーク」といえば、多くの人は「MORAL」というアルバムに収録されているBOØWYの楽曲を思い浮かべるだろうが、私が聴いているのはブライアン・イーノがプロデュースしたジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズ、ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークス、マーズ、DNAの4組のノー・ウェーブきっかけとなったバンドの楽曲を収めたコンピレーションである。1978年にアンティルス・レコード (アイランド・レコードのサブレーベル) からリリースされた伝説のアルバムである。
聴きどころはティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークスである。ニューヨークのアンダーグラウンドの女王リディア・ランチが参加していたバンドで、ランチの他には、ドラムスのブラッドリー・フィールド、サックスにはジェームズ・チャンス、そしてベースには観光に来てそのままメンバーに収まったフリクションのレックの4人組。リディア・ランチは素人のようにとにかく叩くフィールドのドラムと、後にソニック・ユースやクランプス、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズなどで活躍する骨だらけのスクラヴノスのベースを背景に、ギターとボーカルで圧巻のパフォーマンスを繰り広げる。ちなみにレックは帰国後、東京ロッカーズというムーヴメントを牽引することになる。

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