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ノイズ

今日は5時に目が覚めていくつかのチャットアプリを使ってるとあっという間に時間が経った。昨日はほとんど書くような出来事もなく、読書も進まず、何の1日だったか分からない。一昨日は、精神科のクリニックの診察の後、あべのキューズモールでなんとなくサントリービールの金麦ゴールド・ラガーを飲んでしまい、断酒が切れてしまった。別の買い物をしていた一緒に受診したYにも勧められてもう1本飲んだので、計2本飲んだことになる。罪悪感はない。あ~~~飲んじゃった、である。そのあと、サイゼリアかガストでワインを飲もうと言っていたのだが、天気が悪かったので立ち寄らなかった。昨日は幸いにというか飲酒欲求もなかったので飲んでないので、断酒2日目である。
9時になって近所の業務スーパーに買い物に行って、帰ってきて郵便ポストを見てみると、アマゾンで注文していたWhitehouseのファーストアルバム「Birthdeath Experience」が届いていたので、早速聴いてみた。Whitehouseは昔、大学生の時、西新宿のレコード屋で50枚限定シリアルナンバー入りのライブレコードを持っていて、それを聴いたときにはパワーエレクトロニクスの凶暴なノイズの洪水だったのだが、スタジオアルバムは予想以上におとなしいものだった。特に、最後のアルバムタイトルになっている「Birthdeath Experience」は、ただただホワイトノイズか、再生しているDVDプレーヤーのノイズと区別がつかない曲で、まるで安物のプレーヤーでジョン・ケージの「4分33秒」を聴いているような感じだった。
ジョン・ケージの「4分33秒」は、ジョン・ケージが1952年に作曲した曲の通称なのだが、楽章を通して休止することを表すtacetが全楽章で指示されており、演奏者は舞台に出場してから楽章の区切りを示すこと以外は楽器とともに何もせずに過ごし、一定の時間が経過したら退場する。つまり、何も演奏しないのだ。3楽章から成っていて、用いる楽器の選択と各楽章の所要時間は演奏者の裁量に委ねられており重奏もオーケストラも可能で、合計所要時間をこの曲の曲名としている。1952年8月にニューヨーク州ウッドストックで、ピアニストのデイヴィッド・チューダーが第1楽章を33秒、第2楽章を2分40秒、第33楽章を1分20秒で初演した合計時間4分33秒が曲名の通称となっている。初演後も稀にコンサートで「演奏」され、数種類の無音のコンパクトディスクも存在する。「4分33秒=273秒」から本作品を「絶対零度(-273℃)=無」とする意見も散見されるが、ケージ自身の弁ではない。「無」を聴くより、演奏会場内外のさまざまな雑音、鳥の声、木々の揺れる音、会場のざわめきなどを聴くものとされている。
「4分33秒」の背景には、鈴木大拙の禅などの東洋思想の影響があり「音を音自身として解放する」「結果をあるがままに受け入れる」という姿勢があり、1940年代末のある日にハーバード大学の無響室を訪れ、「無音」を聴こうとして無響室に入ったが「二つの音を聴いた。一つは高く、一つは低かった。エンジニアにそのことを話すと彼は、高いほうは神経系が働いている音で、低いほうは血液が流れている音。」だとのちに語った。無音を体験しようとして入った場所でなお、音を聴いたことに「私が死ぬまで音があるだろう。それらの音は私の死後も続くだろう。だから音楽の将来を恐れる必要はない」と強い印象を受けて「無音の不可能性」をみたという認識が、後の「4分33秒」へ彼を導いた。
Whitehouseの「Birthdeath Experience」よりは、日本の非常階段のデビュー・アルバム「蔵六の奇病」の方が過激で刺激的である。「蔵六の奇病」はその後ノイズ界の金字塔として、何度も再発されることになる。

ノイズミュージックは広義の現代音楽では古くはイタリア未来派の画家・作曲家・楽器発明家ルイージ・ルッソロに遡り、実演用に「騒音」を出せる特製の楽器イントナルモーリが有名だが、ポピュラー音楽のノイズミュージックのアーティストはジャンルに対するリスナーが限られているためか、自主製作したカセットによって音源を発表しさらにはそれを(経費と関係なしに)限定盤としたりとアンダーグラウンドな存在である場合が多い。ライブにて過激なパフォーマンスがよく行われることも特徴である。
サイケデリック・ロックの実験においても、ノイズが使われていたことがある。70年代末の英国ラフ・トレード・レーベルや、アメリカの編集盤「ノー・ニューヨーク」にも、ノイズ・アーティストの活動を確認することができる。

インダストリアル・ミュージックという括りでは、キャバレー・ヴォルテールが1973年にイギリスのシェフィールドで結成され、スロッビング・グリッスルは1975年にイギリス、キングストン・アポン・ハルで結成されている。ウィキペディアなどでは非常階段を世界初のノイズバンドという紹介のされ方をしているが、それは当たらない。ただ、非常階段をインダストリアル・ミュージックという括りで捉えていいのかどうかは意見の分かれるところだろうが・・・現在も活動しているという点ではそうかもしれない。
非常階段の最近(と言っても7年前だが)の活動を追ってみる。2013年1月16日、ボーカロイドの初音ミクをフィーチャーしたアルバム「非常階段 starring 初音ミク/初音階段」をリリース。また女性シンガーソングライター白波多カミンが初音ミクに扮するボーカリストに迎えたライブユニット初音階段を結成、同年2月2日にライブデビューした。2013年7月1日、メンバーチェンジを経たアイドルグループBiSとの合体バンド「BiS階段」を結成、同年7月2日にustream音楽番組DOMMUNEで、電撃ネットワークのギュウゾウが司会による結成記者会見を行った。また同タイトルのアルバムがavex traxから8月7日に発売された。同日、渋谷WWWにてBiS階段発売記念ライブが開催、豚の生首、パンティ、タンポン、液体物などが客席に投げ込まれる過激なステージパフォーマンスが行われ、ニコニコ生放送でustream放送された。2013年10月27日、KBS京都で行なわれたフェス『ボロフェスタ』で、ロックバンドソウル・フラワー・ユニオンとアイドルグループBiSとの合体バンド「ソウルフラワーBiS階段」が実現し、ソウル・フラワー・ユニオンの代表曲「海行かば 山行かば 踊るかばね」、ニューエスト・モデルの代表曲「こたつ内紛争」が演奏され、宮城県女川町の「蒲鉾本舗・高政」の蒲鉾が客席に投げ込まれた。2014年3月22日、渋谷O-WESTで行なわれた『闇鍋音楽祭』では、2度目の「ソウルフラワーBiS階段」が実現し、上記2曲に加えて、ジャックスの「堕天使ロック」、BiSの「nerve」が演奏された。


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