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フィリピン1日目後編

マニラのニノイ・アキノ国際空港に着陸したのは定刻の午後8時15分(現地時間)。飛行機から第一ターミナルに向かって歩いているといきなり熱風が襲ってきた。飛行機の中で書かされた入国カードがどうやら汚かったらしく、入国審査でしばし待たされるが、税関はバック1つなので難なく切り抜けた。心配していた睡眠薬の没収は無かったのが幸いだ。税関を出たところの銀行で3万円を両替すると結構な札束になった。インドでもそうだったが、アジアに来ると何時もこうだ。
事前にマニラの空港の南にあるパラニャーケのゲストハウスのオーナーと待ち合わせるためにスロープを降りて待合場所のアライバルエクステンシオンの免税店の前で待っているとまもなくオーナー夫妻がやってきた。話を聞くとどうやら今日は団体さんがお見えらしい。私ともう一人の大学4年生を除いて男女混合19人の大学生がやって来た。どうやら大阪教育大学の学生さんたち一行で国際交流と台風の復興支援のボランティアをやるそうだ。今夜はこの学生さんたちとドミトリーで同宿になるらしい。眠れそうに無いな・・・
アルコールが切れてきたのでフィリピン名物サンミゲルを3本買って出迎えの車に向かって駐車場に向かうのだが、不思議なことに車の影さえない。どうやって団体さんをゲストハウスまで送るつもりなのかな?と思っていると、そのうち我々一団は広い道路の歩道橋を渡り、オーナーはちょうど止まっていたジプニーを2台つかまえた。女子大生たちは初めての海外旅行のようで、重たい大きなスーツケースを抱えていたので、歩道橋を渡るとき、その中の一人の女子大生のスーツケースを持って階段を上り下りしてやった。
ジプニーはフィリピンの名物乗り合いタクシーで、タクシーと言っても窓ガラスも無ければドアも無い。乗客はボディの後ろから乗って向かい合わせに座ることになる。転落防止のドアなど勿論無い。人と荷物を満載したジプニーの運転手はどうやらかなりのスピード狂らしく、クラクションをしきりに鳴らしては広いSCUD ROADをぶっ飛ばす。対向車が来ようがお構い無しに追い越しはかけるし、他の車とぶつかりそうになっても全く無視だった。危ない場面になると後ろに乗っていた女子学生は悲鳴を上げるが、ドライバーは聞いていないらしい。私は不意に笑いが抑えられなくなった。そうこうしている内にジプニーはゲストハウスの隣に停車した。アジアが始めての女子大生たちは驚いたようだったが、こう言う雰囲気嫌いじゃない。懐かしのアジアに来た血が沸き起こる。
ゲストハウスの部屋は20人部屋と19人部屋の2つがあって、私は幸いエアコンがついた1階の部屋に泊まることができたのだが、その部屋は私と例の大学生以外は女子大生部屋だ。とりあえずエアコンの風が直撃する居心地のいいベッドで横になっていると女子大生達の騒ぎ声で部屋は騒然とした雰囲気になった。まあ仕方がない。ゲストハウスはWi-fiが使えるらしく、学生さん一行は早速IDとパスワードを教えてもらって日本にLINEで電話を掛けたり、メールをしたりしていた。
そのうちビールが切れてきたので、ゲストハウスの近くのコンビニのミニストップにサンミゲルを買いに行くことにした。サンミゲル一本40ペソ。日本円で約93円。まあまあか・・・。とりあえず4本買ってゲストハウスに帰ってみると庭でオーナーが用意してくれた肉饅や学生がマクドナルドで買ってきたハンバーガーやポテトを食べながらちょっとした宴会が開かれていた。私もその中にとりあえず参加した。
ようやく夜遅くなって寝ようかという時間になって部屋に戻り、別途で横になってサンミゲルを飲んでいると、学生さんの団体がミーティングを始めた。各々自分のモチベーションやら今後の目的、スケジュールの確認などをやっていたが、私は酔いの力もあってそのうちに眠りについた。

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