囚われのチベットの少女
起きたのは0時前だった。ベッドの中でスマホでメールのチェックをしていると、アンケートサイトからのアンケートが大量に溜まっていたので、スマホだと回答しにくかったのでパソコンを置いてあるテーブルに移動した。質問数の多い本調査が2つと、事前調査が10くらいあって、なんとか全部答えたところである。いつもならこの時間に起きると飲酒欲求が起こって近所のローソンへ赤ワインの「MICHAY」を買いに行くのだが、今日は飲酒欲求が全くなかった。それよりもホットコーヒーで温まりたい。
昨日で「チベット女戦士アデ」を読み終えたので、その続きでフィリップ・ブルサール&ダニエル・ランの「囚われのチベットの少女」を読み始めていて、今は半分くらい読み終えたところである。「囚われのチベットの少女」は、フランスでは彼女は「チベットのジャンヌ・ダルク」として広く知られ、何人ものミュージシャンが彼女をテーマにした歌を作り、多くの文化人や百人以上の国会議員が彼女の釈放をもとめたアピールに署名し、中国大使館にもちこんでいるガリ僧院の尼僧、ガワン・サンドルが主人公である。
「囚われのチベットの少女」も2人のフランス人によって書かれた本で、原著は2001年9月に出ている。ガワン・サンドルは1978年生まれなので、原著が出た時点では23歳だったが、13歳の時から10年間ダブチ刑務所の獄中にあった。当然、著者たちは彼女に会っていない。本書はインドに亡命してきた彼女を直接知る人々に取材して書かれている。実はそれ以前にガワン・サンドルは、ノルブリンカの祭りで仲間の尼僧らとともに「チベット独立」と叫んだことで最初にグツァ拘置所に投獄されており、その時の彼女は10歳だった。この時は一年で釈放されている。
ダブチ刑務所は1960年に建てられラサ市の北東部の郊外に位置している監獄中の監獄と呼ばれるところで、1998年1月、ダラムサラのチベット人権民主センター(TCHRD)の報告によると、ダプチ刑務所は約350人の周知の政治囚が収容されているそうだ。中国当局が最近発表したところによると、ダプチ刑務所には、ほぼ800人の囚人が収容されていて、75%はチベット人、20%は漢民族、残り5%は少数民族という。
1998年5月 ダプチ刑務所での抗議運動が起こった。チベット人権・民主センター(TCHRD)が1998年5月にダプチ刑務所で起った抗議運動について追加情報を入手し、情報によると25歳の尼僧、ツルティム・サンポ(当初、間違ってンガワン・チューキの名で伝えられた)は、1998年5月1日と4日のダプチ刑務所での抗議運動に参加した為に殴打され亡くなったということだ。判っているだけでも10人のチベット人が、抗議後に受けた傷がもとで亡くなったという。
そんなダプチ刑務所において、ガワン・サンドルは筋金入りの独立運動家になっていく。ダブチ刑務所に収監された翌年、彼女は同房の尼僧たちとともに秘かにカセットテープに独立歌を吹きこみ、それが外部に持ちだされ、欧米で彼女の存在が知られるようになった。そのおかげで3年だった刑期は6年延長され、9年になり、その後、1996年に看守に反抗したという理由で8年延長、1998年には5年延長され合計22年となり、次は死刑だと裁判官に警告された。13歳で下獄した少女は35歳にならなければ出獄できない。
刑務所は政治犯の区画と一般囚の区画にわけられ、政治犯の監房には一般囚が一人まぜられ、スパイさせるためだが、多くの一般囚は政治犯に感化され、めったなことでは密告しないという。しかし、まったく密告しないと処罰が待っている。尼僧たちを尊敬し、あくまで密告を拒否したツェヤンという17歳の娘は看守に追いこまれ首吊り自殺している。
そんなガワン・サンドルであるが、「囚われのチベットの少女」の邦訳が出た5ヶ月後の2002年10月、江沢民訪米にあわせて釈放された。10年の獄中生活で彼女の体はボロボロになっており、釈放から半年後、病気の治療のためにアメリカにわたり、現在はヨーロッパで活動している。
7時ころまで読書して、それから雑用やインスタやフェイスブックにアップする本の写真などを撮っていると9時になったので、業務スーパーに行って赤ワインの「SIEMPRE」を2本買ってきた。今日は昼ころにブックオフオンラインで買った江戸川乱歩の文庫本が5冊届く以外は予定がない。本が届いたらワインを飲みながら読書しようと思っているのだが、最近、アルコールの適量が一定していない。ワイン1本でも十分酔う時もあれば、2本飲んでもなんともない時がある。「SIEMPRE」は税込で327円なので、2本買ったところで大した出費じゃない。まあ、貧乏人の味方である。
昼前に本が届いたので、ワインを飲みながら「囚われのチベットの少女」を読んだら、あっという間に読み終わってしまった。引き続きイザベル・ヒルトンの「高僧の生まれ変わり・チベットの少年」を読み始めた。ところがワインも2本目の2/3を飲んだところで10ページも読んでいないのに寝落ちしてしまった。
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