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10-6.ドイツへの帰国

彼らの最後の目録は、20,000枚のモノクロ写真、2,000枚のカラー写真、17の頭部の特色と376人の測定と同様に、送り返されたチベット犬の3品種、珍しい猫科の種、オオカミ、アナグマ、キツネ、動物や鳥の皮、1,600種類の大麦、700品種の小麦、700品種の麦、数百人の他の種類の種物の標本を含んでいた。さらに、遠征隊はチベッタンマスチフ、金貨とラマ僧の僧衣(シェーファーによってダライ・ラマが着用されていると信じた)がアドルフ・ヒトラーへの贈り物として与えられていた。
シェーファーは1939年8月4日にミュンヘンへ帰ってきた。そして個人的にヒムラーに出迎えられ、そしてヒムラーに頭蓋骨の環と名誉の短剣をプレゼントした。そしてミュンヘンにあるシェーファーの調査研究所を設立した。1940年11月、20世紀最大の探検家といわれたスヴェン・ヘディンはミュンヘンのシェーファーの調査研究所へ案内された。そして、この研究所でヘディンは、シェーファーがチベットから持ち帰ったチベットの儀式用の品々の標本や、ラサを写した素晴らしいカラー写真、そしてタシルンポやその他の寺院で撮影した記録フィルムなどを見せてもらった。このカラーフィルムにはチベットのラマ僧たちの所持品や儀式などが記録されており、儀式につきものの太鼓、ラッパ、横笛などを演奏する僧侶たちも撮影されていた。これにヘディンは大きな感銘を受けたという。戦争のために、「白いガーゼのスカーフの祝祭における神の領域の神聖な街ラサ。チベットへの研究遠征」と題された旅行に関するシェーファーの文章は、1950年まで公開されなかった。

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