ニンジャスレイヤーTRPG第2版シナリオ集『AOSニチョームキャンペイグン』第2話『アンダーグラウンド・レスキュー』
この記事はニンジャスレイヤーTRPG第2版においてのロングキャンペーンシナリオの第2話となります。各種データ等はDHTLS公式の定めるガイドライン内において、自由に使用・改変していただいて構いません。データには多分にプラグインデータおよびデータ実験場のβ段階のデータが含まれるため、NMおよび参加者はTRPGメンバーシップへの加入を推奨します。
なおキャンペイグンのまとめページはこちら
この記事では以下の素材集の立ち絵を使用させていただいています
◆シナリオサマリー◆
◆シナリオ本編◆
【ニチョーム・絵馴染】
あなたたちはいつものごとく、ザクロの経営するBAR絵馴染に集まっていた。別に何か問題があるとかではない。ニチョームニンジャの顔役である彼女のもとには、なんだかんだニンジャが集まるのだ。ごはんもおいしい
しかしながら現在、ザクロは『うっかり材料を切らした』といって買い出しに行っており、あなたたちは留守を任された格好だ……
「ネオサイタマ・プライド!」
テレビでは不自然にボリュームのある髪型の人気司会者『ミチグラ・キトミ』によるニュース番組が映し出される。見出しはラオモト・カン容疑者逮捕直前の謎の暗殺!?ケンドー機動隊隊員が証言!彼はNSPDに処刑された!?なるものだ
と、その時である!
パワリオワー!店内に誰かが置きっぱなしにしていたノートUNIXがひとりでに起動!
「zzzzzzz……タ……zzzzzzzz……ニチョ……zzzム……タス……」
ザリザリザリザリ……ノイズめいた音を発していたそれは、次第にチューニングされるように人の声が聞き取れるようになっていく。
「ハァーッ、ハァーッ……なんとか、通信が確立されたようね……ニチョームにつながっているはず。誰か、だれか人はいないかしら?」
女性の声だ。そして画面には『タスケテ』の緊急性が高い文言がミンチョ体で表示されている!
「……! よかった、人がいて助かったわ。私はナンシー・リー。時々、ニチョームで飲ませてもらっているジャーナリストよ。ザクロ=サンはそのあたりにいるかしら? 緊急性の高い事件が起こっているの。彼女と連絡を取りたい」
ナンシーと名乗った声は、努めて冷静さを装っているが、どこか緊迫状況にあるようなアトモスフィアだ。
「ブッダシット……ザクロ=サンはいないのね……」
少しだけ、ナンシーと名乗った女性は思考するように間を開け
「……あなたたちはニンジャなのね? そうなら、頼みたい依頼がある。私を救出してほしいの」
そういって、手短に話すといってナンシーなる女性は依頼内容を話し始める
「ネオサイタマの地下には下水道や旧世紀地下道が張り巡らされてダンジョンのようになっている……ことは知っているわね? 私は特派員として、『ネオサイタマの地下に潜む巨大バイオ白ワニ』の都市伝説を追っていたの」
『地下水道のバイオ白ワニ』。IRC-SNSなどでまことしやかにささやかれる都市伝説だが、ヨロシサンなどはこれを根も葉もないうわさとして否定している。彼女はなんでもジャーナリストらしいが、そうした三文記事を追う記者なのだろうか
「……そして、結論から言うと私は今、『ソウカイヤ』のニンジャにつかまっている……彼らの邪悪陰謀を目撃してしまったようなの」
「秘匿地下サーバールームから謎めいたデータをUNIXからダウンロードした物の、脱出する前につかまってしまった。陰謀が何かはわからないけれど、すくなくとも5人はニンジャがいたはず……これだけのソウカイ・ニンジャが集まる以上、何かが起ころうとしているとしか考えられない」
ソウカイヤはラオモト・カン死後もその息子の一人『ラオモト・チバ』が引き継いだという。実際、ヤクザ組織であり一般の情報ではそこまで知らないものも多いだろう。逆にプロフェッショナルやハッカーであれば、その内情はガタガタであり、ムーホンすらうわさされていることを知っているかもしれない
「今は牢屋に拘束されていて逃げ出せそうにない状況よ。恥を忍んであなたたちに、救出をお願いしたいの。当然、いくらかの報酬は出すから」
「OK。では、とにかく早く着て頂戴。小型UNIXをいつまで隠し通せるかもわからないし、バッテリーが切れてしまうかもしれない……イソイデ!」
そういうと、一つの座標ポイントがUNIX画面表示。これはタマ・リバー沿いの浄水場のようだ
「この座標から、地下水道に入れるはず。あとは実地で指示をするから……!」
ナンシーの声には焦燥が見える。危ない状況なのだろう。こうして、あなたたちはタマ・リバーへと向かった
◆タマ・リバー:浄水場跡地◆
タマ・リバー沿いの浄水場……といっても、生活排水やら工業用水が垂れ流しのネオサイタマで、川の水を飲むものなど自殺志願者しかいない。浄水場も稼働が停止しており、人の姿はなく、ぽっかりと大きく、トンネルのように下水道の入り口が口を開けている
「では、これから地下道に入るわね。あなたたちのスマッホやウェアラブルUNIXに、勝手だけれどビーコンを拾うソフトをインストールしておいたわ。私もいくらかナビゲートするけれど、そのビーコンを頼りに、私を探してちょうだい」
「これがこの辺り一帯の地下道の見取り図よ。載っていない秘密通路や抜け道などがあるかもしれない」
ネオサイタマの地下は迷宮めいており、旧世紀地下道には貴重なレリックやUNIX基盤すら眠っているためスカベンジャーがダンジョンめいて潜るも、年に数百人行方不明になっているのだ。
「私は、どこかの地下バンカー? 別の下水処理施設跡?にとらわれているみたい。水の流れる音がするわ。さっきインストールしたビーコンアプリもうまく活用してみて。私の位置を大まかに拾ってくれるはず」
「調査は順調? こちらからもあなたたちの反応が少しだけある」
「今、私から見てあなたたちは~~~マス以内(適宜描写)にいるわ」
「この距離なら、こちらでナビゲートできる。私の指示に従って『おまえ、何をしている!?』
「シマッタ! ンアーッ!?」
「Gzzzzzz……ブツンッ!」
ナンシーがアブナイ!
◆旧世紀下水道探索の出目表◆
◆ゴール◆
あなたたちが、地下下水道を注意深く進んでいくと行く手に『秘密な』と書かれた分厚いドア!しかしながら、鉄格子がはまっているのぞき窓から、中の様子を観察することができる!
室内確認……中には……7人ものニンジャ! 情報より多い! ヤクザ装束風のもの、ケモノパンクス、魔術的雰囲気ニンジャ、モヒカンニンジャ、髪をそり上げたニンジャ……
「と、いうことだ。ヨルジ=サンにつくことがお前たちの利益にもなるということがよくわかっただろう」
「軟弱な見た目が良いだけのチバなどラオモト=サンの後継者の資格なし。ヨルジ=サンこそが正当後継者」
前述の5人に対し、死と決断的にショドーされた鉢巻をしたニンジャと、ジューウェアを身に着けたニンジャがなんらかの演説を行っている
そしてその奥、座敷牢の中で力なく卓球台に拘束されているのは……コーカソイド系美女!ナンシー・リーだ!
「ムムム……」「一理ある」「ナルホド」「フム……」「実際魅力的」
立場が上にある?とみられるニンジャ2人の話に、チャブについた5人のニンジャがしきりにうなずく
扉は重そうに見えるが、ロックなどはかかっていない。ニンジャの力なら容易に開けることができる、が……開ければ室内のニンジャには気づかれるだろう。おそらく戦闘は避けられない。
◆エンフォーサー (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 5
ニューロン 2 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2/N
ジツ 0
攻撃/射撃/機先/電脳 5/3/2/2
回避/精密/側転/発動 5/3/2/-
◇装備や特記事項
テッコLV1 クロームハートLV1
●サンシタ このニンジャは出目6が含まれる攻撃を回避できない。サツバツを受けると即死する。
◆ガニメデ (種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 3 脚力 2/N
ジツ 1
攻撃/射撃/機先/電脳 2/3/7/8
回避/精密/側転/発動 5/3/3/7
◇装備や特記事項 生体LAN端子LV1 ジツ支援サイバネ
☆カラテミサイルLV1
●サンシタ このニンジャは出目6が含まれる攻撃を回避できない。サツバツを受けると即死する。
◆ゼブラパンサー (種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 3/E
ジツ 0
攻撃/射撃/機先/電脳 3/3/3/3
回避/精密/側転/発動 3/3/3/-
◇装備や特記事項
◉常人の三倍の脚力
●サンシタ このニンジャは出目6が含まれる攻撃を回避できない。サツバツを受けると即死する。
◆パルススティンガー (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 4 脚力 2/N
ジツ 1
攻撃/射撃/機先/電脳 4/4/3/4
回避/精密/側転/発動 4/4/4/3
◇装備や特記事項
☆カトン・ジツLV1 パルスダガ― 生体LAN端子LV1
●サンシタ このニンジャは出目6が含まれる攻撃を回避できない。サツバツを受けると即死する。
◆トマホーク (種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 6
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 4 脚力 3/N
ジツ 0
攻撃/射撃/機先/電脳 6/4/3/3
回避/精密/側転/発動 6/4/4/-
◇装備や特記事項ダブル・トマホーク(カタナ二刀流)
●サンシタ このニンジャは出目6が含まれる攻撃を回避できない。サツバツを受けると即死する。
「……!」「なんだ貴様らは……!?」
上役らしき二人のニンジャが、室内に入るあなたたちを当然みつけ威圧的ににらみつける。
「ドーモ、デッドラインです」
「ドーモ、アイアンフィストです」
「エンフォーサーです」
「ガニメデです」
「ゼブラパンサーです」
「パルススティンガーです」
「トマホークです」
「チバ派の連中か……!? 誰が付けられたんだ? いや、どうせこのサンシタの誰かだろ! 俺たちがそんなヘマするわけねえ!!!」
デッドラインと名乗った死とショドーされた鉢巻のニンジャが忌々しげに言う
「とにかく、見られたからには殺すしかねえな。そこのサンシタどもと俺らを一緒にするなよ!ブッ殺してやるぜ!」
ジューウェアのアイアンフィストもシャドーボクシングの構え
剣呑アトモスフィア充満……もはやイクサは不回避!
NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報
◆ナンシー・リー (種別:モータル)
カラテ 1 体力 3
ニューロン 15 精神力 15
ワザマエ 4 脚力 2/-
ジツ - 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 1/4/17/22
回避/精密/側転/発動 15/-/-/-
※モータルのため、ナンシーの行う『回避判定』は難易度が+1される。
◇装備や特記事項 デリンジャー(チャカガン)、強化PVCキャットスーツ(体力+2)、
キーボード・オブ・ゴールデン・エイジ、トロ粉末、ステルス・グレネード、ZBRアドレナリン
▶︎▶︎生体LAN端子LV2、▷電脳戦用デッキ、▷ファイアウォール
『◉タツジン:ハッカー』、『◉サモン・ドローン』、『◉戦略視界ナビ』、
『電子デジャヴの読み取り』 『◉ステルス・ノイズ』、『◉デーモンの放逐』、
『◉サモン・ビークル』、『◉ネットワーク完全没入』 『◉kill-9』、『◉sudo_kill-9』、
『◉ニューロンブースト/チルアウト』、『不屈の精神』 『◉◉監視カメラレイヤー没入』、
『◉知識:ハッカーの流儀』、『◉知識:重工系メガコーポ』、『◉知識:バイオ系メガコーポ』、
『◉知識:テックガジェット』、『◉知識:電子ウイルス』、『◉知識:危険生物』、
『◉知識:IRCネットワーク』、『◉交渉:理路整然』、『◉交渉:駆け引き』、『◉交渉:誘惑』、
『◉交渉:欺き』、『◉◉監視カメラレイヤー没入』
◆戦闘終了◆
「アイエエエエ……!!!」「アイエエエエ!!!」
デッドライン、アイアンフィストは失禁しながら逃走!
ナンシーは卓球台に拘束されており、意識を失っている
「う……助けが、来たのね……助かったわ。はじめましての人も多いかしら」
しかしながらあなたたちに助け起こされると、意識を取り戻し気丈にもキツネ・サインを作った
「ドーモ、ナンシー・リーです。ニンジャの皆さんにはそうアイサツしたほうがいいかしらね」
軽口をたたきつつ、何とか立ち上がる。思ったより足取りはしっかりしており、これなら自分で歩けそうだ
それから、ナンシーはほんの少しだけ室内に残されていた資料などをUNIXカメラでスキャンし、データ素子などを回収する
「……こんなところね。とりあえず、今はここから出ましょう。今は情報を精査している暇はないわ。敵のアジトだしね、一応」
外へと出ていくナンシー
そして、外の下水道に出たときの事だった
「ほう、あのアイアンフィストとデッドラインとかいうサンシタが情けなく助けを求めてきたが……ふむ、ふむ、女子供ではないか。俺の出る幕なのか、これは?」
剣呑アトモスフィア含む声!ナンシーが、ハッとそちらに顔を向け、デリンジャーを構える
下水の暗闇から姿を現したのはハンニャじみた鋼鉄のメンポをつけた、黒い乱れ髪の巨躯のニンジャ
「ドーモ」
「インターセプタ―です」
◆インターセプタ― (種別:ニンジャ)
カラテ 16 体力 16
ニューロン 12 精神力 18
ワザマエ 9 脚力 8/N
ジツ 5
攻撃/射撃/機先/電脳 16/9/12/12
回避/精密/側転/発動 17/9/9/17
◇装備や特記事項
パーソナルメンポ ニンジャブレーサー
◉◉グレーター級ソウルの力 ◉即死耐性 ●不如帰
★カラダチ
精神力1を消費する。ムテキ・アティチュードLV3の効果に加えて、近接攻撃を行った相手に対して、即座に回避不能の回避ダイスダメージを1与えると同時にカウンター・カラテを行える。ただし、ムテキ・アティチュードLV3の効果はフェイズ終了時に解除される。
★◉タタミ・ケン
精神を1消費する。カラダチによるカウンター・カラテの効果をダメージ3点+弾き飛ばしに変更する。1ターン一回のみの使用。
◉タツジン:ザムラ・カラテ
このニンジャは近接攻撃の出目に6が含まれる場合、近接攻撃に痛打+1と装甲貫通1を得る。また、カウンター・カラテの発生条件が相手の攻撃成功数と同値でも可とみなされる。
◉ヒサツ・ワザ:ツヨイ・タタミ・ケン
近接攻撃【6,6,6】orカウンターカラテ発生時【6,6,6】
回避UH。痛打2D3+弾き飛ばし。カウンターカラテから発生させた場合は痛打+D3+弾き飛ばしとなる
『●不如帰』:このニンジャは不退転の決意を固めており、多対一の戦闘の中でも、
獅子奮迅の戦いぶりを見せる。 単独で2体以上のPCを相手に戦っている限り、このボスNPCは
1ターン中に2回の手番を得る。『一騎討ち』ルールと同様に、本来のイニシアチブ値で
1回目の手番が、イニシアチブ値の1/2で2回目の手番が回ってくるが、例外として、
直前の手番と同じ行動種別は選べず、同じターゲットも選べない。なお、ここでいう行動種別とは
「近接攻撃」「射撃」「ジツの使用」「その他の行動」である。
「同じジツ、同じスタイル、同じ轢殺攻撃は連続使用できない。
このとき、スタイル宣言なし、もスタイルの一種とみなす
(つまりスタイル宣言なしの近接攻撃を2回連続では行えない
「さて……まあ、カラテをするとしよう。わかっているだろう」
「これは実際、俺の売込みでもある。悪いが本気で行かせてもらう」
剣呑アトモスフィアが張り詰めた……
◆戦闘時のイベント◆
◆ターン1・ナンシーの行動◆
「どうやら……ここは逃げを打つしかないようね……?」
戦闘者ではないナンシーにも容易に感じ取れる強敵アトモスフィア。
モータルの自分がどこまで逃げられる? しかし走るしかない
◆ターン2開始時◆
その時であった!
――ガオオオオオオム!!!!
猛獣めいた唸り声をあげ、何かが接近してくる!これは!
「何……グワーッ!!?」
光を発しながら、それでいて漆黒の矢のように高速であなたたちの脇を通り過ぎたそれは、インターセプター轢殺!何者かが、恐るべき動きでそれを乗り捨てたが、ギャリギャリと横滑りしながら停止したのは、インテリジェントバイク『アイアンオトメ』!
「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
◆ニンジャスレイヤー:ベイン・オブ・ソウカイヤ (種別:ニンジャ)
カラテ 16 体力 4/16(負傷のため)
ニューロン 10 精神力 4/12(負傷のため)
ワザマエ 12 脚力 8/N
ジツ 0 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 16/12/10/10
回避/精密/側転/発動 17/12/12/10
◇装備や特記事項 家族の写真、パーソナルメンポ、伝統的ニンジャ装束
『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、
『◉スリケンの見切り』、『◉ランスキック』、『◉◉憎悪:ニンジャソウルの闇』、
『◉憎悪:ソウカイヤ』、『◉憎悪:ザイバツ』、『◉憎悪:アマクダリ』、『◉ヘルタツマキ』、
『◉ツヨイ・スリケン』、『◉即死耐性』
●ラオモト戦での負傷 このニンジャはラオモト・カンとの戦いで深く傷つきまだ回復していない。
体力-12、精神力-8となり、回避行動を含むすべての行動難易度が+1される
殺戮者のエントリーだ!
「ニンジャスレイヤー=サン!?あなたはまだ負傷が……」
ナンシーが叫ぶ。困惑し、それぞれ違う態度を示すあなたたちを一瞥し、ニンジャスレイヤーは倒れたままのインターセプターを見据える
「フー……兄弟弟子を殺ったやつとここで出くわすとはな。ドーモ、インターセプターです」
ゆっくり体を起こしたインターセプターは立ち上がり、カラテを構える
「ナンシー=サン。アイアンオトメをつかえ」
ニンジャスレイヤーは油断なくジュー・ジツを構えいう。インテリジェントバイクは、ナンシーの隣に留まった。
「先に、絵馴染で待っているわ。あそこならさすがに手が出せないでしょうから」
ナンシーはアイアンオトメ搭乗! どうやら突然現れたニンジャスレイヤーなるニンジャはナンシーの知り合い……味方のようだ
◆ターン2・ナンシーの行動◆
「オタッシャデー!!!」
ナンシーはバイクのエンジンをフルスロットル! みるみる小さくなるナンシーの姿! インターセプターはこれを追おうとするが!
「貴様の相手はこの私だ。インターセプター=サン。貴様のザムラ・カラテがインターラプタ―=サンと同じかどうかみてやろう」
「ヌウーッ……!」
立ちはだかるニンジャスレイヤー!
◆ニンジャスレイヤー撃破される◆
「このニンジャスレイヤー=サンを無残に爆発四散させ、イサオシを俺が手に入れる! ベストコンディションでこの俺と戦えなかった不幸をアノヨで悔いるがいいわ!ニンジャスレイヤー=サン!!!」
「フンハ―ッ!!!!!!!」
ニンジャスレイヤーは一瞬、ジュージツを構えたが、力なく膝をつく!
そこに目つぶしが深々と突き刺さる!
「グワーッ!!!!」
ニンジャスレイヤー眼球破損!
ボトルネックカットチョップ!
「グワーッ!!!!!!」
ニンジャスレイヤー頸椎破壊!
丸太のような足でのケリ・キック!
「グワーッ!!!!!!」
ニンジャスレイヤー内臓複数破壊!!!!
「フンハーーーーーッ!!!!!!!!!!!!」
そして、大きく引き絞られた姿勢からのストレート!
モーションは大きいが……ハヤイ!ハヤイスギル!!!!!!
わかっていても避けられぬ!捌けぬ!防げぬ!
「ヤ・ラ・レ・ターッ!!!!!!!!!!!!!!!」
きりもみ回転しながら、まるでスプリンクラーのように吹き飛んだニンジャスレイヤーはウケミも取れず、地面に叩きつけられ痙攣……そして、乾いた血液めいて装束が消滅していく……現れたその姿は、乱雑に血みどろ包帯がまかれたヒサンきわまるもの!
「ニンジャスレイヤー=サン! ヤブレタリ!」
勝ち誇りザンシンするインターセプター!
NM向け戦闘指針・ロールプレイ情報
◆勝利条件達成◆
「スゥー……ハァーッ……スゥー……ハァーッ……」
奇妙な呼吸音が聞こえた。
「スゥー……ゲホッ……ゴホッ……スゥー……ハァーッ……」
おお、ゴウランガ……全身から血を流しながらも、まるで幽鬼のように立ち上がるニンジャスレイヤー! もはや、666Rを戦い抜いたボクサーめいた動きでインターセプターへ向かう! カラテだ! カラテなのだ!
「……オヌシらは……ナンシー=サンを……」
血とともに言葉を吐きながら、インターセプターに右こぶし!左こぶし!
「あの情報……を……守り抜かねばならぬ……陰謀……ニチョーム……」
「頼む……」
「逃げよ!」
叫ぶ!
「ハッハハハハハ!!!!! 痒いぞ、ニンジャスレイヤー=サン! 実際蚊と同程度……」
インターセプターは挑発するように両手を広げ、そのカラテを受けた。当然、ダメージはない……
◆絵馴染◆
あなたたちは、絵馴染へと戻り、ナンシー、そしてザクロと合流した
ニンジャスレイヤーはあれから何時間待っても、戻らなかった。
「……そう、ニンジャスレイヤー=サンは……」
ナンシーはやはり務めて気丈に振舞っているようだったが、明らかニンジャスレイヤーを死んだものとして考えているようだった。ザクロは何も言えず、とりあえず暖かいチャを出してやる
「……とにかく今はできることをしないと」
「……実はあなたたちに少しだけ嘘をついていたことがある」
「何の邪悪陰謀かわからない、といったわね。あれは嘘よ。本当は、知らないふりをしてニンジャスレイヤー=サンの回復を待ち、また前のように2人で戦いを挑むつもりだった」
「さすがにネタバラシ、ね。私の別名はYCNAN。試算懲役数千年のハッカー。そして……ラオモト・カンを暗殺したニンジャスレイヤー=サンの協力者でもある。あった」
「それは過ぎ去ったこと。今の話をしましょう……ソウカイヤではとある計画が進行している。ラオモト・ヨルジ、知ってる?」
ラオモト・ヨルジ。ラオモトの血筋の一人であり優秀ではあったが、ラオモト・チバに当主の座を奪われた男であり、凶暴で残虐なヤクザであるらしい。
「傲慢で残忍、悪趣味な男よ。彼は……現ソウカイヤのトップになった、ラオモト・チバの追い落としを本格的に始めた。そして、その後ろ盾になっているのは……『アマクダリ・セクト』」
「私とニンジャスレイヤー=サンがいくら調査をしても、実態のつかめない謎の組織。でも、その触手はもはや、ネオサイタマ中枢にまで食い込んでいるのは間違いない。アマクダリは、ラオモト・ヨルジにネオカブキチョとニチョーム周辺の利権を約束した」
「ヨルジは……入手した資料によれば、この周辺を超巨大オイランパレスにするそうよ。始まるわ。彼らの攻撃が。表立って、そして裏からも」
「…………ラオモト=サンが都知事に立候補したとき、のんきにどうなるのかしらね、って話してた頃がもはや懐かしいわね」
ザクロがため息をつきながら言う
重苦しい重圧が絵馴染を支配する。ネオサイタマが変わりつつある。激しく波を立て始めた水面に浮かぶ、枯れ葉のようなニチョームが……これからどうなるかは……
◆アンダーグラウンド・レスキュー ◆
おわり
◆下水道に残ったPCがいる場合の追加シークエンス◆
0100111010101110
「……ム、全隊止まれ……なんだ、奇妙なものがあるぞ」
タマ・リバー。その近辺でバイオザリガニを取っていたフォレスト・サワタリは『奇妙なもの』を発見する
「おい、こりゃニンジャだぜ。息もある。ひどくやられているが……」
サヴァイヴァー・ドージョーの参謀役であるフロッグマンが、流木やゴミにまぎれて川岸に漂着していたニンジャをバイオフロッグの舌で引き上げる
※PC名※は、あのあと、ニンジャスレイヤーとともにインターセプターに挑んだが、タタミ・ケンを喰らい下水に叩き落とされたのだ。あまりのダメージに、体を動かすこともできず流されたが、それが幸いし、ニンジャスレイヤー殺害を優先したインターセプターに追撃されることはなかった。
あの後どうなったのか? それはわからないが……あの恐るべきカラテの持ち主を前に彼が生きて帰れた可能性は……低いだろう
◆おわり◆
◆余暇・セッション終了処理◆
NMはPC全員にセッション報酬を手渡す。万札・余暇等は
キャンペーンのレギュレーションに沿って各自設定してほしい。
なお、実際にこのキャンペイグンが行われた際の報酬は、
万札15、名声+1、余暇2日、知識・交渉スキルを1つ無償で獲得であった。
◆シナリオ後の状況
PCたちはナンシーからの救援依頼を受け、旧世紀地下道へと向かう。
ソウカイヤヨルジ派ニンジャ『デッドライン』『アイアンフィスト』らと交戦するもこれを撃破し、ナンシー救出に成功するが、そこにアマクダリ・セクトの実力者『インターセプター』が襲い掛かる。アヤウシと思われたその時、ニンジャスレイヤーが救援に駆けつけるが、ラオモト戦の負傷を抱えるニンジャスレイヤーはインターセプターの前に敗北を喫する。
命からがら逃げだしたPCは、ヨルジがソウカイヤをわがものとするためアマクダリの力を借りてムーホンを起こし、ニチョームを巨大オイランパレスにしようとしていることを知る。
◆死亡した原作ニンジャ◆
エンフォーサー、ガニメデ、ゼブラパンサー、パルススティンガー、トマホーク
◆消息不明
ニンジャスレイヤー(フジキド・ケンジ)
◆トピック
ニンジャスレイヤーが消息不明となる
ナンシー・リーがニチョームに常駐するようになる
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