見出し画像

英語絵本『Freight Train』/感想

なんてかっこいい絵本なんだ・・・!

シンプルな言葉とダイナミックな絵が、
貨物列車(Freight Train)の「静」と「動」の
緩急を見事に描き出しています。

まずは、赤い車掌車、オレンジのタンク車、
黄色のホッパー車・・・黒い蒸気機関車と、
一つ一つの貨車が紹介されていきます。

そしてページをめくると・・・

Freight Train.

貨物列車の全体像が出現。
これまで紹介された一つ一つの貨車が
一連なりになり、8両のカラフルな列車として
現れます。
「ぉおー!」と胸が熱くなります。

さらにページをめくると・・・

Moving.

止まっていた貨物列車が走り出します。
列車の疾走感が伝わってくる絵が
かっこいいです。

その後列車は、トンネルをくぐり抜け、
街を通り過ぎ、橋を渡り、
暗闇や光の中を走ります。

そして最後のページは、

gone.

絵は、列車が走り去った後の黒煙だけを
描いています。
静かな余韻がたまりません。

「Freight Train.」「Moving.」「gone.」と、
簡素な言葉が生み出すリズムと余韻。
見開きいっぱいに躍動する絵。
それらが絶妙に生み出す「静」と「動」の緩急。
みなさんもぜひ味わってみてほしいです。

邦訳『はしれ!かもつたちのぎょうれつ』も
あるのでぜひ。

原書よりも言葉が多くて、
かっこいいリズムや余韻がないのが
残念だけど、
意味はわかりやすいです。

『Freight Train』
Donald Crews作
The Bodley Head、1978年

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?