レモネードに愛を込めて 前編
年度目標のひとつに
レモネードスタンドに挑戦すること
を挙げた
この理由を知って欲しい
コミュニティナースになる3年ほど前のお話
私は小さい頃からウィッグユーザーだ
診断名はついていないものの生まれた時から毛髪の一部が欠損している
髪のまとめ方で何とかなる程度のものかといえば
そんな気もするが、やっぱり視線が気になるし何だかんだでウィッグの便利さに気づいてしまい
悟りを開いたウィッグヘビーユーザーと化して今に至る
人に話すと「たいへんだね」とか「好きなヘアスタイルできないとか辛いよね」とかなんとか言われて同情されることも多いのだが
私からすると地毛の皆さんの方が大変そうに感じる
(髪洗ったり 手入れしたり 汗でペシャンコになったり 整髪料落とすのもめんどくさいじゃんね)
初めて会う人にはびっくりさせるのは申し訳ないんで普段はショートのウィッグなのだが
ハイトーンもクルクルアフロも一瞬で変身
いろんな髪型に挑戦できるのは私の個性、ウィッグユーザーの特権
髪がなくてもあっても私は私だ
たまのゆるウィッグアカウント
5年ほど前、気軽な気持ちでInstagramでウィッグユーザー向けのアカウントを作って運営していた
私が発信したのは気張らないゆるーいウィッグ生活
使い方が難しい、ウィッグが馴染まないなどの相談を受けたり
周りへのカミングアウトはどうすればいいのか?
デートやお泊まりの時はどうすればいいのか?
ちょっとしたことや、
沈みがちな気持ちをどのように安定させるかなどの話もした
脱毛症や抜毛症、先天性の貧毛、産後の脱毛、
抗がん剤による脱毛など、さまざまな理由で髪をなくしたウィッグユーザーと交流した
Akanekoさんとの出会い
そんな中、コロナ禍に入り、2021年
ウィッグアカウントでメッセージのやりとりをしていた
ピアニストAkanekoさんという方がこの世を去った
ラテンピアノの名手
急性骨髄性白血病 骨の癌だった
出産後の診察で病気が見つかって以来、長い間治療をされていた
投稿やメッセージから伝わる家族想いのあたたかい人柄
コロナで閉塞的だった音楽業界
身体も心も辛いはずなのに先陣を切ってオンラインで素晴らしい演奏を届けてくれていた
病室に、持ち込まれたオモチャのキーボードで奏でるAkanekoさんのうちで踊ろうに何度も元気付けられる
辛い治療にも弱音を吐かない
前向きな方だった
30代、働き盛りのAYA世代
彼女には8歳と2歳のお子さんがいた
訃報は夫(当時は友達)から聞いた
音楽家である私の夫は野口さんと共演者
東京に出てきた頃からの知り合い
私自身はウィッグユーザーとしてAkanekoさんとSNSでやりとりをしていたので
間接的ではあるが、Akanekoさんは私たち夫婦の共通の知人だった
患者と看護師の関係性じゃない関わりしろだったとしても
私にもっと広い視点や専門的な知識、行動力があれば、SNSのやりとりだけではなくもっと違う支援のアプローチができたのに…そう感じた
当時はちょうどコロナ禍
医療者への誹謗中傷も酷かった時期
レッドゾーンでの泊まり込み勤務をしていた私はアクションを起こそうにも何もできない
目の前にいる患者を救うことで精一杯
行動できない自分を無力に感じた
夫が呟いた
「自分は彼女に対して何ができただろう」が今も心に小さな棘のように刺さっている
夫は野口さんと同じ音楽家としての視点で
私は医療者としての視点で、だったが
2人とも思いの根っこは一緒だ
時は3年くらい流れて
私は川崎市多摩区でコミュニティナースになった
経緯は過去記事にある通り
みんなの保健室やNAGOMIの活動を重ねて
徐々にではあるが支援賛同してくれる人が増えてきた
アイデアの引き出しも増えた
できることも増えた
コミュニティナース研究所の計算によると
コミュニティナース1人で1000〜2000人の街の人を元気にできる計算なのだが
多摩区の場合、コミュニティナースの肩書きなんてなくても既に優しいケアの輪が連鎖する土台ができている
このタイミングで私がやりたかったこと
小児〜AYA世代癌患者の支援に再挑戦したい
レモネードに愛を込めて
癌支援の方法としては募金以外だとパッとヘアドネーションが思い当たるが、残念ながらウィッグユーザーの私には預ける髪がないので協力できない
同じように支援したくてもできない人もいるだろうし
他になにか良い方法はないかなと探していた中
夫から「レモネードスタンドとかやればいいじゃん」という提案を受けた
ちょうど白いハコの周年企画で駄菓子たぬきやで子供たちと一緒に参加できるお店屋さんを終えたばかりのタイミングだったので
夫は子どもも参加できる支援の関わりしろというところでアイデアをくれたようだ
アメリカ育ちの夫曰く、レモネードスタンドは
子供がお金のやりとりを学んだり、支援に関われる貴重な機会なんだそう
SNSをリサーチしているとタイミングよくフォロワーのコミュニティナースさんからのレモネードスタンドの活動の告知が飛びこむ
さっそくいろいろな方に話を伺い、計画を始める
試しにレモネード作って色んな人に試飲してもらう
評判はなかなか良し!改良の余地はまだまだあるが、徐々に協力者も増えたきた
レモネードスタンドに込められたみんなの思いをきちんと聞いて、形にして届けたい
↑(今ココ!!)
暖かい支援の気持ちと一緒に、美味しい!楽しい!嬉しい!の気持ちも届けたい
スタートは
8/3 白いハコこどもマルシェに決めた
思いをつないだ素敵なレモネードスタンドにしたい
私に出来るだろうか
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?