なぜ金持ちは嘘つきなのか?


■アドバースセレクション
■リアリティディストーション

この2つを中心に話を展開している

アドバースセレクションは逆選択、逆淘汰と言われ、不都合な情報を隠したり誇張したりして取引や付き合いを有利に進める人が増えた結果、市場全体がウソつきだらけになることを言う。

リアリティディストーションは現実歪曲と言われ、到底不可能に思えることでも大きなウソやハッタリで実現可能と思い込ませてしまうこと。

■具体例
アドバースセレクション

・就活
・保険
・融資や投資
・M&A

この4つで、アドバースセレクションが起きやすい。

就活なら、企業は優秀な人を採るために自社の優位性を誇大にアピールするし、求職者も本来そんなに有能ではないのに有能なふりをして採用してもらおうとする。本当に能力があるのか?本当に真面目なのか?は働いてみないと分からない。結果、いざ採用してみたらお互い「こんなはずじゃなかった」となる

保険だったら、例えば自動車保険なら無事故無違反のペーパードライバーほど保険料が安くなり、毎日運転していて優れた技術を持っているが不注意で事故を起こしてしまったという人の保険料が高くなる。でもペーパードライバーの事故リスクが本当に低いのかは、保険会社が知りえない情報。初めての運転でいきなり5人ぐらい轢き殺すかもしれない笑

融資・投資のシーンでは業績がよくなくて経営カツカツの会社ほど「ウチはめっちゃ伸びてます!今度こういう事業をやろうとしてて絶対うまくいくんで融資してください!オナシャス!」とイキり散らして信用してもらおうとする。本当にうまくいってるならそもそも融資を受ける必要はないのでは…?

M&Aについて。非上場企業は情報開示義務がないので不都合な情報を隠して置ける。高く買ってほしいので都合のいい情報だけを公開する。だから投資家にはウソを見抜く知見が求められる。

じゃあウソつきとはビジネスをしないのか?
→逆にこれを利用する人が稼げる

非上場企業を買うのは確かにリスクが高い。でも上場企業の情報は誰でも得られるので価値が低い。非上場企業の持ってる技術やノウハウが、実はめちゃくちゃ価値があるかもしれない。これを独占できたら市場でイニシアチブを取れるので大きく稼ぐチャンス。ただし上で述べた通り情報を精査する力が必要

■具体例
リアリティディストーション

「この本は全米に広がってます!」→実際はアメリカの東端と西端にチョロチョロっと置いてもらっただけ。ウソは言ってないけどグレー笑

一般人にスティーブジョブズを信用させるために、ジョブズの能力をめちゃくちゃ誇張しまくって伝える。

そう考えていくとマルチ商法のカリスマ講師とかも現実歪曲しまくってると思う。理論上可能だけど実際やるのは難しいことを、あたかも誰にでもチャンスが開かれているかのように強くアピールして会員に引き込もうとするとか

とにかく起業家は株主や社員に成功のビジョンを強烈にイメージさせて信用させる必要がある。そうしないとリソースを集められないから。

その意味で起業家はウソつきなのが当たり前。すなわち金持ちはみんなウソつきである(タイトル回収)

起業家がウソつきになる理由3つ

①結果的に実現したら嘘じゃないよね
②大義名分のため。協力してくれてる仲間や投資家を勝たせるために必要だからウソをつく。
③みんなやってるから自分もウソをつくのが当たり前

■投資家がやるべきこと

起業家のウソを見抜くために誰よりも知見を持つ必要がある。投資家が勉強し続けるのは騙されないため。

たとえウソでもその起業家のプロジェクトが優れているなら、投資家は知見を与えて本当に実現させてしまえばよい。そうすれば起業家も自分も勝てるし市場に価値が生み出されるので文句ないでしょうということ

■投資家が起業家に騙された例

ソフトバンクの投資失敗(WeWork)
WeWorkのアダム・ニューマンに欲がないことを気にしていた孫正義が、彼を刺激して6,000万ドル貸したらプライベートジェットを購入。あの、欲ってそういうことじゃなくて……

ニューマンにカリスマ性があると思いこんで最高のユニコーン企業と評価されたがウソ・ハッタリが露呈してIPO直前で破綻。オワオワリ


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