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公認会計士論文式試験を終えて

ご無沙汰しております。アナキンです。


先月の8月20日〜22日の三日間で公認会計士論文式試験を受けてきました。今年の5月にようやく短答式試験を突破した身ですので、今回の論文式試験が初めての挑戦になります。当然ですが合格しなければ意味がないため、短答合格のみで喜ぶわけにはいかないのですが、論文式試験の会場に足を踏み入れた際にはやっとここまで来たかという気持ちが生まれてきました。これから試験が始まるというのに、初めてその受験資格を得て戦いの場に参加できるということに感動したことを鮮明に覚えております。ですので、試験当日は緊張というよりもこの試験に費やしてきた途方もない時間と労力に想いを馳せ、いい精神状態で試験に臨めました。

私の今までの軌跡についてはこちらを参照していただけるとわかります。

今回の内容ですが、せっかくですので論文式試験についてをまとめていきます。まず、論文式試験全般についてを書いて、それから各科目のことに触れていきます。


1.論文式試験全般について

会計士試験の論文式試験は正確に言うと5科目で構成されている試験です。会計学、企業法、監査論、租税法、選択科目(経営、経済、統計、民法の中から1科目選択)となります。

そのうち、会計学は300点満点で他の科目は100点満点の素点合計700点の試験となります。会計学はさらに午前と午後に分かれていて、午前では管理会計、午後は財務会計となり、午前で100点満点、午後で200点満点となります。ですので、科目では5科目ですが、厳密に言えば管理会計と財務会計で分かれていますので6科目の分野を勉強しなければなりません。

そして、ここからが少々複雑ですが、財務会計以外の科目が大問2つ構成となっており、財務会計が大門3つ構成となっております。そして、各大問ごとに採点した結果の偏差値を全科目で平均させて、その値が偏差値52を越えたら合格となる仕組みになっております。

ここの仕組みは受験生ですらしっかり理解していない人もたまに見受けられるので、会計士受験生じゃなければ「ふーん、そうなんだ」くらいに流しておいてくれれば大丈夫です。要は全科目のトータルで偏差値52を超えたら合格ってことです。偏差値52と聞くとめっちゃ簡単そう、と感じるかもしれませんが、大体上位35%ぐらいに入らなければならず、合格するのは短答式試験の合格者の3分の1になります。これを難しいと考えるか、簡単と考えるかは人それぞれだとは思いますが、論文式試験を経験した者としてはなかなか辛いものがあります。

そして、この論文式試験は年1回開催で、その受験資格は短答式合格後3回までしか継続できないため、3回の内に合格しなければいけません。受験界隈では3回連続で論文に落ちることを野球に例えて三振と言います。私も受験歴がそこそこありますので、三振した人も見ております。確率論で言えば3分の1が合格する試験ですので、なかなか三振する人はいないと思いがちですが、論文が苦手な人もおりますので三振する人はいます。

3年のうちに合格しなければいけない試験ですが、科目合格という制度もあります。先ほど述べた5科目(会計学、監査論、企業法、租税法、選択科目)の科目ごとに偏差値56を超えている場合に、その科目のみの合格を認めて翌年以降の論文式試験ではその科目の受験を免除するというものがあります。

まあ、論文式試験の概略はこのようなところです。以下は各科目の自分の出来具合について述べて参ります。

2.監査論

実際の出題順で書いていきます。今年の監査論は毎年出る出る言われて出ていなかった監査上の主要な検討事項(Key Audit Matter 以下KAM)が出ましたね。出る出る詐欺がようやく終わったので、各予備校も受験生も試験委員の先生も安堵しているのではないでしょうか。この分野については全予備校が出題されると予想していたのですが、実際に出題されたものはかなり難しかったです。私も問題を見たとき、「よし、KAMね。これはもらった。」と5秒ぐらい頭をよぎったのですが、10秒目くらいから、「ああ、これキツイ。てかまともに誰も解けねーだろ」と考えが改まりました。特に初っ端の問題が重い問題でしたね。そして大問2についてはグループ監査でした。これは監規報を上手く使ってなんとか埋めた感じです。

終わった直後は手応えをあまり感じなかったものの、その後の解答速報を見るとそこまでズレたことを書いていない感じでしたので、監査論は偏差値52を守れたのではないかと思います。

3.租税法

全科目の中で唯一自己採点をやっていない科目になります笑。理論はある程度覚えているのでなんとなくの出来具合はわかるのですが、計算がどこまで回答してどのような数字を記載したのか、一切メモがないため自己採点は諦めました笑。いつもの模試とかの手応えと同じくらいでしたので50〜54のどこかに落ち着いているものと思います。

4,会計学午前(管理会計)

問題の会計学午前です。これは大問1は原価計算分野、大問2は管理会計分野が出題されます。大問1はおそらく偏差値60以上で科目合格レベルにある自信があるのですが、大問2が素点で2点しか取れないという憤死レベルの大失敗を犯しました。他の受験生も管理会計が難しく、なかなか得点が伸びていなさそうなので、ゲームオーバーレベルではありませんが、かなりのビハインドとなります。これ、万が一素点が0点だった場合は、偏差値が0になるため、危うくゲームオーバーとなるところでした。。。。

短答ではこういう事故を何度も経験しているので、またか、、、という気持ちですが、やはりこういう事故というのはいつでも起こりえるという気構えでいないといけませんね。大問2の偏差値がどのくらい落ち込むのか全くわからないので、正直会計学午前は読めません。。。大問1のリードでカバーできる失点なのかどうか、、、

5.会計学午後(財務会計)

会計学午後については大問3、大問4、大問5、ともに大失敗がなく安定的な得点が見込めると考えております。大問3、大問4は予備校が出しているボーダーを超えており、大問5はボーダーぎりぎりといった感じです。偏差値は55、55、52ぐらいかなと思います。平均したら54ぐらいで、科目合格レベルは届かない感じ。

6.企業法

おそらくですが、予備校の解答速報を拝見する限り、企業法が一番良かったのではないかなと予想しています。今回の企業法は1−1が典型ですがちょっと捻りがある問題で、1−2、2−1、2−2が難問という構成でした。各予備校の解答に目を通したのですが、全く的外れな内容を書いてはおらず、いわゆる論ズレ(受験界隈用語で全く異なる論点について解答してしまうこと)は起こさなかったため、今回の難易度を考えたら論ズレしていないだけでもそこそこの偏差値は出るだろうと踏んでおります。結構な人が論ズレしているみたいですので、論ズレしていなかったら52は堅いはず。

難問が出題された時に正確な答案を提出することは不可能ですので、どうにかして周りの受験生よりも1つ頭を抜け出すだけでもいいので、諦めずに全ての知識や知能を振り絞って何か書くのが大事ですね。

普段の答練でも、こういう現場対応型の問題が出題された時の私の偏差値は高くなる傾向があるので、おそらく科目合格レベルは取れてるかなとは思います。それが56なのか60なのかはわかりませんが。。。(会計学大問2のことがあるので、60まで届いて欲しい。。。)

7.経営学

ここも少々ビハインドを負っている科目です。大問1はそこそこ良くて、ボーダーラインは超えていると思うのですが、大問2の計算がおそらく20〜22点となり、ボーダーラインは下回っているはずです。これが偏差値48ぐらいまでで耐えていれば、経営学のせいで落ちるということはないと思いますが、トータルで50を守っていて欲しいところです。


8.まとめ

全てをざっくり総括すると、監査論54ぐらい?、企業法低めに56、会計学午前50(希望的観測)、会計学午後54、租税52?、経営学50とすると、偏差値52.67ぐらいにとなるのかなと予想します。租税が下にぶれて50だったとしても52.57、さらに会計学午前が下にぶれて48だったとしても52.28ですね。

まあ、監査論と企業法の偏差値がブラックボックスすぎるので11月の合格発表まではどう転ぶか全くわかりません。。。

11月の合格発表までは不合格でも合格でも大丈夫なように日々を過ごしていこうかと思っております。

それとtwitterに私の論文式試験の戦略をツイートしてるので参考までに載せておきます。


9.今後のnoteのネタ

勉強中に気づいたテクニカルかつマニアックな内容をnoteで書こうかなって思ってツイートしたら、なんと4いいねもついていたのでびっくりしました笑。こんなマニアックな会計のテクニックを見たいという人が4人いることが判明しましたので、ここに書いたネタはなんとか形にしようかと思っています。別に世間の皆様のためとか大それた目的はなくて、ここら辺の予備校講師や予備校テキストでは触れていないけど、自分が発見して血肉にした知見についてはnoteでも何でもいいから形として残しておけば、将来の自分のためにもなるだろうと踏んで、これらを書き残そうかと思います。

せっかく発見して自分で整理した知識なので、試験終わって忘却の彼方に行ってしまうのはもったいないですからね。いいねやコメント0でも書いていくつもり笑



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