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個別銘柄分析③ リファインバース

皆さん、こんにちは。
銘柄分析を共有して少しでも皆さんの投資戦略の一助になればと思います。
個別銘柄分析の第三弾は証券コード 7375 「リファインバースグループ」です。以前保持していましたが、現在の株価は割高と判断しており、NISAでの応援株を残して売却してます。

サマリー

・2023年末の目標株価は1,200円(2月18日時点は1,804円のため30%割高
・再生樹脂製造販売の「再生ビジネス」が期待ほど伸びていない
・買収したコネクションののれん償却が重く利益貢献は当分先と予想

事業内容

廃棄物の再生素材メーカー。素材ビジネスの再生樹脂製造販売(使用済みタイルカーペットや使用済み漁網の再資源化により生成される合成樹脂素材製品の販売)、資源ビジネスの産業廃棄物処理(廃棄物の収集運搬・中間処理)が収益の柱。
使用済みのタイルカーペットを再生した再生塩化ビニルコンパウンド「リファインパウダー」と使用済みの漁網を再生した再生ナイロンコンパウンド「リアミド」を製品化。
また、2020年に三菱ケミカルと資本業務提携を実施。また、取引先・協業先には住友商事、豊田通商、東レ等、大企業が多数。

業績推移

2019年6月期を底に業績は回復産業廃棄物処理で稼いだお金を再生樹脂製造販売事業が食いつぶす収益構造だったのですが、漁網リサイクルの再生ナイロン樹脂「REAMIDE」等の販売が増え、また、新工場稼働も軌道にのり、再生樹脂製造販売事業も黒字化を達成し、2022年6月期は通期で黒字転換しております。
2023年6月期の中間決算でも第1四半期・第2四半期ともにわずからながら黒字を確保しており、経営は安定してきています。


2021年の決算説明資料より
2021年の決算説明資料より
2023年6月期 中間決算説明資料より

財務状況

新工場に向けた投資等の影響もあり、有利子負債は27億円自己資本比率は13%しかなく、財務状況はあまり良いとは言えない状況≒悪いです。

四季報より作成

リファインバースグループとして再上場前のリファインバースの財務状況での比較ですが、同業・類似他社と比較して自己資本比率の低さが目立つ状況です。グループ化した現在の自己資本率13%でも他社に見劣りします。

バフェット・コードより

株主還元

財務がまだ安定していない状態、当面は配当よりも事業拡大を優先するため、無配は継続すると思われます。

今後の展開

社会情勢もSDGs・環境への配慮に非常に関心が高いこと、再生樹脂販売事業で黒字が定着していることもあり、今後の展開に期待できる部分はありますが、直近決算・事業展開に不安材料があります。

不安材料① 再生樹脂販売事業が伸びていない
2023年6月期の決算発表資料では買収したコネクションにより売上・資源ビジネスは伸びているものの、素材ビジネスである再生樹脂販売事業の売上が減少しています。2022年6月期下期はソリューション事業等の一時的な売り上げがあったため、単純比較はできないですが、第一四半期よりも落ち込んでいるため、当面は売り上げ増・収益への貢献は期待できないと思います。
※前期も第1四半期から第2四半期にかけて素材ビジネスの売上は減少しているため、季節要因があるのかもしれませんが、大幅な伸びは期待できないと思います。

第二四半期決算説明資料より

不安材料② コネクション社の子会社による財務悪化
2022年に東京都足立区の産業廃棄物処理業者のコネクションを子会社化
していますが、この会社は売上こそ9億円程度ありますが、営業利益で1千万円、純利益がゼロの会社に5億円超の金額を投資して子会社化しています。
ニュースリリースでは「当社の産廃処理事業と同水準の営利業利益率 20%程度を実現することで当社連結業績の向上に大きく寄与すると見込む」と記載されておりますが、利益率向上策が具体化できているかは不明瞭であること、のれんが4憶6,412万円増えており、四半期ごとに1,200万円程度ののれん償却費が重くのしかかります


目標株価

業績は当面ヨコヨコの展開が続くと想定されるので、今期予想の純利益3.3億円に対して第2四半期時点で0.3億円のため、業績未達はほぼ確実であり、第三四半期の決算もしくは第三四半期~本決算前に下方修正があると思います。(この会社は毎年下方修正ですが・・・)
株価は2023年末には1,200円程度まで低迷するのでは、と予想します。

もちろん、リサイクル事業という社会貢献という面で応援したい企業であり、コネクションの利益貢献や三菱ケミカルとの協業等、将来的には期待できると思いますが、当面は厳しい環境が続くのでは、と予想します。

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