逆行の考え方

占星術で「逆行」という考え方がある。
天体が通常の進行と逆の方向に進む「逆行」は物事の遅延や停滞を表し、良くないこととされる。
最近は、この逆行期間は「見直し」期間として好意的に解釈されてたりもして、気にしすぎなくてもいいよ、ってものにはなってる。
自分自身も出生図に逆行天体はいくつかあるので、気になっていたりしたものだが、どちらかというと、逆行よりも、サインと天体の関係の方が重要だろうなとわかってきた。

なので、実際そんなに気にしてはないのだけど、今日、季節同士の関係について考えていた時、「逆行」についての考え方が深まったのでメモしようと思う。

ホロスコープの円は上の円(12ハウスから7ハウスまで)が日の出から日の入りまでを表す。つまり地上にいて感じる太陽の実際の動きは12ハウス側から7ハウス側へ移行していく、という形で表される。そして6ハウスから1ハウスは夜を表す。(この辺は、いけだ笑み 著・「ホラリー占星術」に詳しく載っております)
この流れの方向は「逆行」と同じ方向である。
つまり、星座の配置や12ハウスの配置の順番は自然の流れとは逆。
てことに思い至った時に、逆行とは「自然界の流れに任せる」という状態なのではないか、ということに気づいた。
逆に「順行」とは「自然界」の流れに対抗して道を切り開いていく力を表すのではないか、ということだ。

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古来、人間が自然(外敵)と戦い続けてきた事を考えると、そもそもの占星術の起源の動機は「つねに襲いかかるかもしれない脅威と闘う術」なわけだから、このような作りになっていてもなんら不思議ではない。

ということは、逆行の星の状態とは、外部の状況に逆らう力を持たない状態、ということになるのかな?と思ったわけだ。
それってどういう状態だろう。
たとえば逆行が一番多い水星。私は出生図にこれを持っている。
水星は知性とコミュニケーション、勉強、仕事の星である。それが外部の状況に逆らうことなく発揮されるということは…?というふうに考えると難しいが、逆に外部に逆らう時に発揮される知性ってなんだろう。
やっぱり「判断力」じゃないだろうか。相手が敵か味方か、自分にとって有益か、害があるか、自分の中にある知識を総動員してその「判断」に取り組む時、知性もコミュニケーションも勉強も生まれる。
それが逆行の場合は働かない。「判断」できなくても知識やコミュニケーションを集めてしまう。ほぼ機能しないコントローラーを使ってゲームに参加している状態。相当不安だろうな。でもやめられない。そんな感じでイメージできる。

じゃあやっぱり、実生活では悪いんじゃん、と思えてくる。
でもこれって、社会的にはうまく行かない発揮のされ方、というだけであって、も少し大きな枠組みの中ではむしろ自然な流れということになる。
「枠」にハマってない知性、とも言える。
純粋な、知性そのもの。というような感じ。
純粋な知性、の代表格は「好奇心」ではないかと思う。
良い悪い、の判断なく、興味の赴くままに知識を求める様子だ。
その中では、人間は「戦って生きる」ことから、自由になれるんでは?というふうに捉えてみるのもいいのかな、と思った。
それはもちろん、他の順行天体からは、恐怖を伴う動きなのは間違いない。
でも逆行天体が他の順行天体と吉角だったり、なんなら凶角でも、「解放」された天体からヒントをもらって現状打破、なんて事も大いにあるわけで、やっぱり一概に「悪い」という判断はできないんだな〜、と自分の中の「逆行」解釈に一つの指針ができた。

注意点と言い訳:
逆行天体持っているから、一生仕事できない、とかそういうことではないです。元々持ってる性質がそうなだけで、社会生活の中に馴染むためになんらかの方法で矯正されていくだろうから、むしろ苦労している場合が多くなり、逆に「闘うために」生きてくる使い方を学んでいる、可能性もあるので。という説明をたくさん本で読んできたけど、上記の考え方の元、再考すると、より深く納得できた、という話。
んでも、今現在(2020.4.16)は逆行天体がひとつもない。
つまり、いろんな力が結集して、外敵と戦っている、という状態かと思うと、この状況で、世間の流れと関係なく、これ幸いとただひたすら自分が楽しい勉強をやってしまう、ていう状態は、射手座水星(哲学、宗教への興味関心強い)逆行生まれ、ぽい、かも…と後ろめたさあります。
こういう場合は強制的に仕事をしよう…。

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