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妊活中における、ライフステージの異なる友達との関係性について

大学から仲良しのグループ、私以外の3人は、最近、みんな二児の母になりました。

さぱさぱした子たちで、妊活中の私を変に気遣うことはないけれど
会えば話題はリアルな育児のことが大半。

保育園、いつから入れる?
ネントレしてる?
お姉ちゃんの赤ちゃん返りはどう対応している?

子のいない私は、「ママってほんとすごいよね」と合いの手をいれるだけ。

* * *

「ごはんいこー!」
って誘い合うけど、女子はご飯を食べに行っているのではなくて
「共感」を食べに行っているのだと思うのは私だけでしょうか?笑

それまで「うわ、めちゃわかる〜」「だよね〜」と一緒に共感を食べまくっていた私たち。
今は、ライフステージの変化に伴い、一緒に食べられるものが少なくなってしまいました(主に私が)

彼らが広げる、子育ての悩みトピックに、私は「わかるぅ〜」を言えない
私が話す、妊活武者修行ストーリーに、彼らは「わかるぅ〜」とならない

お互いの円の重なる部分が徐々に減っていき
だれも悪くはないのに、気がつけば、じょじょに不協和音。
集まりにいくのが少しおっくうに。(まぁ主に私が)

仲良しのうちの1人が、ママブログを書いていて。
妊娠中のお役立ちグッズや子連れで行けるカフェ情報など
めちゃわかりやすくて、私はきっとNo1読者。

なのに。
新着記事が流れてくるたび
私の「いいなぁ」「うらやましいなぁ」はむくむく入道雲のように湧き上がり
今は彼女と私の間に、グレーの霧がもやもやとかかっている。

この霧は、私のつくりあげた幻想。
彼女には私を不快にさせる気はさらさらないということも知っているからこそ、余計に切ないグレーなのです。

* * *

先日、これまた違う仲良し4人グループの集まりに参加しました。
そのグループはみんなバリキャリで、子なし。

話題になるのは、卵子凍結や、いつかのための受精卵凍結、キャリアと妊活の両立の話。
「わかるぅ〜」
「それねぇ〜!!」
私たちは焼き肉を食べていると見せかけ、共感を爆食い。笑

久しぶりにマイノリティーじゃなくなり
自分の現在地を気を使わずぺらぺらと話し、すっきりした夜。

「またねぇ」とそれぞれが華麗に消えていった夜の街で
私は高揚した頬に手をあてて思うのです。
はぁー女友達最高〜!

でも次の瞬間、春なのにまだ冷たい夜風がぴゅーっと熱った頬を覚まし
現実に呼び戻すのでした。

そうそう、私は知っている。
次の集まりには、私たちの誰かのライフステージが変わっているかもしれないことを。
そしてそのことで、グループのバランス、お互いへの気持ちが変わってくることを・・・。

婚活のときもそうだったけれど
妊活を一緒にがんばっていた友達が妊娠したら
私たちはお互いのために、しばし解散しなくてはいけない。

相手がライフステージの階段を一つ上がるというのは
おめでたいことであり、もう同じ共感を食べられないということなのだ。

あゞ、女の友情、なんて切ないねん
とちょっぴり落ち込みながら
それでも心の底から出てきたのは
「だいすきな友達だから、ほんとは一生付き合って行きたい」という気持ち。

こんな夜、私はコラムニストのジェーン・スーさんがおっしゃっている
「女の人って“鮭”みたいなもので、別の川へと泳いでいったり海に出ていったりしながらも、最終的にはみんな戻ってくるんですよ。」
という言葉を、お守りのように思い出す。

長い時間軸の中で、共感を食べられない時期がくるのは、自然の摂理なのかもしれない。
しゃけ友よ、今は一緒にいられないかもしれないけど、またいつか一緒に泳ごう・・・。

そして、「それでも、今日はいい夜だったじゃん」と思い直し
姿勢を正し、ずんずん歩いた。

小さな月明かりが照らす一本道を
愛する夫の待つ家へ。

*かわいい画像はshigureniさんからお借りしています。

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