プッチーニの「愛の小さな物語」
先日の「劇場へ行こう」ではプッチーニの最後から2番目のオペラ『ジャンニ・スキッキ』を取り上げました。その際に、スタッフの方から、「プッチーニのオペラもいいけど歌曲も素敵」とご紹介いただきました。講座でも申し上げた通り、私は全然 彼の歌曲を聞いていなかったので、よい機会と思い勉強中です。今回は、ご紹介いただいた『愛の小さな物語』を取り上げます!。
ここで その方からのメッセージを引用させていただきたいと思います。なぜならばこの曲を表現するのにとってもピッタリな文章なので。
*引用 始め ***
「オペラもいいのですがプッチーニで一番好きなのは実は歌曲。愛の物語、といういかにもプッチーニが得意そうなタイトルですが、存分にその才能が発揮されています。まさに本を読んでいる時みたいな歌。最初は普通に読んで、でも盛り上るところはすんごい速さでベラベラページをめくったり、逆にドキドキしすぎてゆっくり読んでしまったり…そんな感覚になる短い歌曲です。もし機会があったら聞いてみてくださいね。」
*引用 終わり ***
そうなんです、この曲が歌っている情景は読書。
恋人たちが仲良く並んで愛の物語の本を読んでいました。最初は二人とも本を読んでいたのだけれども、いつしか二人は本ではなく隣の恋人を意識し始めます。そうなるともう本どころではありませんね(^^♪
この歌はそんな恋人たちの楽しい読書の様子を歌っているのですが、聴いているうちに自分が そんな素敵な恋の場面を綴った小説のひとページを読んでいるかのような錯覚に陥るんです。二人の気持ちの高揚感が伝わってきて、こちらもつられてドキドキしてしまう。そんな不思議な感覚です。
5分ほどの曲ですので、是非とも聞いてみてください。
二人の歌手の方の録音を紹介いたします。
まずはプラシド・ドミンゴの甘い歌声です。
次は ちょっと変化球。ロベルタ・アレクサンダーさんの録音です。普通5分ぐらいなんですが7分もかかっている。ものすごくゆったりと歌われている。まあこれもありだなと思い紹介をさせていただきます。
最後は魔球級の変化球。歌手ではなくトランペットが歌ってくれます。ロベルタさんの歌を聴いた後は、これも許せちゃうから不思議ですね。
いろいろな演奏がYouTubeに挙がっていますので、是非とも聞き比べてみてください。
また、他にも素敵な作品がありますのでまた紹介をさせていただきたいと思います。
(おまけ)
インターネットに素敵な訳詞がありましたので参考に紹介いたします。
ぼくたちは一緒に読んでた ある日気晴らしに
悲しい愛に満ちた素敵な物語を
そして何気なく 彼女は座ってた ぼくの横に
わくわくするその本の上に その眼差しとその心を向けて
彼女の髪のウェーブがぼくの顔を撫でて
こだまする ぼくの声と
こだまする 彼女の吐息が
その目を本から上げると
彼女の清らかな顔に
ぼくは見た その笑顔のうちに
映し出されているのが ぼくの願いが
その美しい手をぼくは胸に押し当てた 喜びに喘ぐこの胸に...
もうこれ以上読んでなんかいられない…
本は床に落ちてしまった
ぼくたちは一緒に読んでた ああ!ああ!
長い 熱いキスを 焦がれる唇を合わせて
それから見知らぬ天に向かって
ぼくたちの魂は拡げたんだ その翼を
By こばつね
『ペテルで劇場へ行こう!』、ペコのサイトにぜひ遊びにきてくださいね。
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