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アユニ・D 8ヶ月ぶりの最新インタビュー

〜アユニ・Dの現在地〜
自分で0から生み出した曲を歌って、誰かの人生の支えになるような活動をしていきたい


ー前回のインタビューは11月にアルバム「赴くままに、胃の向くままに」を発売した時期ぐらいですかね。8ヶ月前ぐらい。その後の活動を教えてもらっていいですか?

アユニ:2月から慈ツアーというアルバムのリリースツアーで全国を回ってましたね。日本全国旅をしました。

PEDRO TOUR 2024「慈」TOUR FINAL

ーツアーはどうでしたか?

アユニ:活動再開から駆け抜けてきて、11月に武道館が終わって緊張の糸が1回ほどけて、年明けの1月に気を失った感じになっていたのもあり、ツアーまでプレッシャーも凄いし、もうなんか力が入りすぎてたんですけど、いざ始まったら毎日毎日生身でお客さんの前で音楽をやれて、ライブするたびに、私はここが1番自分を表現できるんだっていう感覚と、その時にしか巡り合えない人、巡り合えない音楽と出会って、幸せだなって。
ただ幸福だって思う反面、「自分の中では何が正解なのか」みたいな、問いをずっと自分に問いかけるような苦しさも一緒に回ったツアーだったなと思います。

ー11本回ったと思うんですけど、始まる前と終わった後での変化だったりとか、こういう意識で回っていたみたいなものはあったんですか?

アユニ:私がこの人生ずっと音楽に救われてきて、音楽が自分の味方になってくれてたっていう生き方をしてきたので、自分の音楽とかPEDROの存在とかも、誰かにとっての心の味方になっていたい、なりますようにっていう意思をずっと持って回ってたんですけど。やっぱりツアーを回って実際にライブをしていると、来てくれて目の前にいるお客さん、聴いてくれる、受け取ってくださる方々が、私の心の味方になってくれてるっていうか。パワーをあげるぞ。私が味方だ。俺が味方だ。って 強い心で行ってみたら、自分は全然そんな大したやつでもなんでもなくて、むしろすごいパワーをもらっていた旅だったなって。終わった後とか回ってる時にもすごい感じましたね。
音楽をやることにプレッシャーを感じながらやってた気がしてたので、ほんと元気出ました。

ーそのプレッシャーっていうのはどんなプレッシャーだったんですか?

アユニ:なんなんですかね、気を張りすぎてたんですかね。
自分の中で凄いかっこつけたアルバム、かっこいいと本当に思える作品を出したから、ライブもかっこよくなきゃ許されないんだみたいな感覚があって、 勝手に何かを敵にして回っちゃってたかなと今は思います。

PEDRO TOUR 2024「慈」TOUR FINAL

ーでも始まった時と終わった時でパフォーマンスの雰囲気とか演奏のクオリティとか別のアーティストかって見間違えるぐらいに変化してたと思うんですけど、音楽への向き合い方が変わったとかもあったんですか?

アユニ:ライブの頭から最後までずっと何者かになって表現しなきゃみたいな意識がツアーの最初の頃はあって、それが表現として現れちゃってたのかなと思うんですけど、ライブをやるにつれて、1曲1曲どういう景色でこの曲を書いてたっけ、どういう想いを伝えたくてこの曲を作ったんだっけっていうのを繊細に考えるようになって。私はこの曲でこれを伝えたかったんだとか、この曲でこの時の自分がこういうことを表現したかったんだっていうのを常々思い出しながら、ステージで1曲1曲にしっかりその作った当時の自分と今の自分をリンクさせて感情を思いっきり表現できるようになってから、劇的に変わった感覚があります。

ーなるほど。何か掴めた感覚みたいなのが途中であったんですね

アユニ:純粋に楽しい音楽をやりたい、やれてるって思えるようになりましたね。 たぶん前までの自分はかなり張り詰めてたっていうか、その時々どの自分が本当なのかわからなくなっちゃってたので、1曲1曲に対しても強張った感情で向き合っちゃってたのかなって今は思います。

ー自分がわからない状態だったんですか。。。昨年末のドキュメンタリー作品では、本当の自分に還れましたと言ってましたが(笑)

アユニ:それも勘違いでした。勘違い(笑)
その時の自分はきっとそれが正義だったんですけど、今思ったら 愚かだなって思う。行動とかもほんと昨日までの自分とか、ツアー回り始めてた時の自分とか。
なんか怖いですよね。何言ってんだろうって今は思ったりしますけど、その時はきっとそれが自分の中の正義で、 音楽の向き合い方も日々試行錯誤して、毎日わざと変えてみたりとか、 わざと過信してみたりとかしてました。
だから一概に一言でこれがどんなツアーだったみたいに言えないぐらい。おぞましいおぞましい。

ー活動再開して一年経って当時と比べて心境の変化とかライブへの向き合い方とかもかなり変わってるんじゃないですか?

アユニ:めちゃめちゃ変わりましたね。でも本当に私はこれしか、ここしか居場所がないんだっていうのは、PEDROに対しても、ライブに対しても、音楽に対しても、思ってるのはずっと変わってないんですけど。
昔はもっと自己中心的なライブをしてた時とかがあって。どれだけ自分がこの時間この空間で何かを生み出せるか、作り出せるか。みたいなことしか考えられなくて。
だから、例えばなんですけど、(田渕)ひさ子さんがめちゃくちゃいいライブをしてた日があるとして、でも私は自分がその日ベースをミスったから ライブがダメだったみたいなのを、すごい口に出して、泣いたりしちゃってた。PEDROってプロジェクトは私のものではあるけど、そのライブの空間を作り上げてるのは、それこそ、照明さんとか、音響さんとか、サポートメンバーの方とか、チーム一丸となって作り上げてるものを、私だけのミスでその日の良し悪しを決めてたなってことにも色々振り返ってた時に気づいて。
命削れる場所はここだって思いながら、ライブをやるときは120%で常に絶対やってるんで、悔しくて泣いたりとか今でもしちゃうんですけど。

ー普通のインタビューは絶対聞かない質問なのですが、再開した直後のツアーは綺麗にほぼ全部売り切れたと思うんですが、春のツアーはチケットが結構残ってたじゃないですか?初めて苦戦しているような状況に見えますけど

アユニ:落ち込みますけど情熱に変えるしかないっていうか。
悔しい。色んな要素があると思うんですけど、その中でもやっぱり自分が今PEDROでこういう音楽をやりたい、 自分のPEDROはこうであるっていうものをずっと貫き通してやらせていただいてた結果、そうなってしまったのであって。だからこそ、今までとのギャップとかにもやられちゃって、色々考えることとかもあったんですけど、でも私がやりたいのはこれだって、日々ライブとかをやるたびに見えてきて、そこに信念を抱いて、自分もですし、それを尊重して自由にやらせてくれる、すごいありがたい環境だったんで。ただそこで、昔からずっとPEDROの音楽を聴いてくれてた人たちからしたら、昔の曲の方が好きだったとか好き嫌いがはっきり分かれてそれが明確な数字となって、今結果が出てるので。でも、どうしても自分は器用じゃないので、それこそ地球全員に愛される音楽をできるかって言ったらそうじゃなくて。
だからこそ、今の自分を、今のPEDROを好きでいてくれてる、信じていてくれてる人たちには今以上にかっこいい音楽を届けたいし、届けていくのが自分の死ぬまでの使命だなって思ってますね。

ーちょうど1年前に活動再開した時は好きな音楽を作って、ライブをしていけばやっていけるだろうみたいな意識も少しはあったんですか?

アユニ:そんな軽い意識はないです。いや、常にもう自分のしょうもなさを自覚して 生きているし、生きてきたんですけど。BiSHが解散して次の日から動き出して、ずっと突っ走ってた分、自分はすごい流動的な人間で、進化していきたいっていう好奇心が大きいが故に、やっぱりいろんなことをやりたくなったりして、人間的にも色々とおかしくもなっちゃったりして。結局全部自業自得っていうか、自分の責任なんで。ただあの頃の経験を通して成長して今の自分に繋がっていることもたくさんあるし、自分のやりたいようにやって今の状況なので悔しい分、それが今は情熱になってます。
なので今のPEDROを好きで応援してくれる人に良い曲を届けてライブを楽しんでもらうのはもちろん、PEDROの音楽を新しく知ってくれる人とか、これからPEDROを見つけてくれる人を増やしていきたい。で売れたい!
やってやるぞ。みたいな。それしかないですよ。うん。モチベーションが低かったことなんて人生で1回もないですけど。
ちゃんと気を使わずにスタッフさんも状況を伝えてくれるので、数字で見たらやっぱ明確に下がってるのとかは重々承知で。やりたいことやってこうなったっていう結果であって、 そこに目を向けるっていうより、それでも今PEDROを好きでいてくれる人たちへの感謝の方がやっぱおっきいんで。
めちゃめちゃ売れたいし、めちゃめちゃ人気にはなりたいですけど、それと同時に今目の前にいてくれる人に届けばすごく幸せだなって気持ちもすごく大きいというか。

ーセットリストへの批判もSNSでありますけどその辺の意図とかももし話せるようなら教えてください

アユニ:セットリストは毎回毎公演全曲、自分で考えて、 その日のべストがこれだ。って信念込めて作ってるんで。批判されている内容ももちろん理解できるんですが、純粋に悔しいですよね。 やっぱ自分が生み出して作り上げているので。

ー活動初期の曲をセットリストに入れない理由はどういうところなんですか?批判があるなら混ぜてやればいいのにと純粋に思ってしまうのですが。

アユニ:昔の曲は作っていただいて、そこに自分の言葉を入れるかたちで作り上げた曲が多くて。だから曲自体を作ってくれてたのがプロの方々だったので、 きっとわかりやすくノれるし、やっぱさすがプロの手だなって。みなさんの心にすっと入る曲なのかなっていう印象が強いから、求めてもらえるのもすごくわかるし、ファンの方も当時から聴いてくださって大事な曲だと思ってくださってるのももちろん理解してるんです。でもやっぱり今自分がもう2足のわらじじゃなくなって、PEDROっていうバンド活動に今の私の人生全てをかけてやってるって思うと、自分で0から生み出した音楽がやっぱり自分。本当に自分の口から、感情を出せるっていうのが、最近のPEDROの曲に対しての想いなので。あと今自分の力でどれだけできるかっていう、自分に課してる部分もあるのかもしれないです。

ー自分で作った曲で結果を出したいみたいなところですね

アユニ:すごくいい曲をたくさん作ってくれて、初期の頃の曲は私も大好きな曲ばっかりなんですけど、当時やってたことは与えられた曲を言われた通りに演奏して歌って、ある意味アイドルの延長だと今の私は思ってて。だから反骨精神もあるんですけど、今の私は自分で0から生み出した曲を歌って、表現して誰かの人生の支えになるような活動をして成功したいって気持ちがとにかく強いんです。

ーということは日々、新曲も制作してるんですか?

アユニ:はい。生活しててこれ音楽にしたい。と思う瞬間がすごくたくさんあって。文章を書こうと思ったり、絵を書こうと思ったりしても、 やっぱり自分は音楽にするのが1番没頭できるのでずっと曲作りはしています。

ー今曲作りの軸に置いてるものとかはあるんですか? アユニさんはその時々の自分が作品の色に凄い出ていて毎作品ごとに軸が違うと思うんですけど。

アユニ:曲によってテーマを決めて作ってみたりとかするので、バラバラではあるんですけど、音楽の軸としては、この前の作品は肩の力を抜いていいんだよとか、この凄まじいスピードで変わっていく世界で、もっとゆっくり生きてもいいんじゃないかみたいな方にパンを振って作ってた作品だったんですけど、その時はそれが 自分の中の正しさで、正義だと思ってたんですけど、でもどこかでずっと違和感があって。
私はやっぱり生き急いでいるのが1番自分にフィットしてるなって。マイペースってゆっくりなだけじゃないんだなっていうのに、あれから生活していく中で気づいて。
だから今作ってる音楽は行き急ぎたかったら行き急いでいいし、ゆっくり歩きたかったらゆっくり歩いていいしみたいな考え方で。ちょっと前の自分は全知全能になってたって勘違いしてた。世界ってまだまだ未知のこと、わからないことしかないし、自分は今の自分が1番いいと思う。あれなんか上手く答えられてないですね。すみません。

ー大丈夫ですよ(笑)

アユニ:やっぱこういうインタビューでしっかり喋れないから歌詞にしてるんだなって今思いました。

ー最後にかっこいいこと言いましたね!

アユニ:いやいやいや、ほんとに思いました。そうだ、私思い出した。喋るのが下手くそだから全部歌詞にしてたんだ。だからこそ、昔の曲とかより、今の自分が作った音楽たちを集めたセトリでフェスもやりたいし、もちろん自分のライブもやりたいんですよね。
そういうことでしょ。そういうことですね。違うか。

ー秋には27本回るPEDRO TOUR 2024「ラブ&ピースツアー」が始まりますが意気込みを最後に聞かせてもらえますか?

アユニ:命がけでやりますよ。死ぬ気です。毎回死ぬ気でやる。 生きざまを見せる。生きざま。それだけ。
そこでしか私は見せれないんだから、ずっと一緒に回ってきたチームと良いものを作り上げて、来てくれた人を幸せにするしかないです。
スタッフさん含めて誰も欠くことなくみんな連れてツアーを最高の状態でまわれるように、チケットをどんな形でも売って、全国で後悔ないライブをして絶対成功させます。

PEDRO TOUR 2024「ラブ&ピースツアー」

http://w.pia.jp/t/pedro/

9/24(火) 名古屋 ダイアモンドホール 【愛知】
9/25(水) BIGCAT 【大阪】
9/26(木) KYOTO MUSE 【京都】
10/3(木) CLUB CITTA' 【神奈川】
10/8(火) 柏PALOOZA 【千葉】
10/11(金) 米子laughs 【鳥取】
10/12(土) CRAZYMAMA KINGDOM 【岡山】
10/23(水) DRUM Be-0 【大分】
10/25(金) DRUM LOGOS 【福岡】
10/26(土) 桜坂セントラル 【沖縄】
11/5(火) SHELTER 【和歌山】
11/6(水) NEVERLAND 【奈良】
11/12(火) LIVE HOUSE FEVER 【東京】
11/13(水) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3 【埼玉】
11/18(月) 山形ミュージック昭和Session 【山形】
11/19(火) 秋田Club SWINDLE 【秋田】
11/20(水) 盛岡CLUB CHANGE WAVE 【岩手】
11/26(火) 松山WstudioRED 【愛媛】
11/27(水) 高松オリーブホール 【香川】
12/1(日) HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2 【栃木】
12/4(水) 長野CLUB JUNK BOX 【長野】
12/5(木) GOLDEN PIGS RED STAGE 【新潟】
12/9(月) 四日市CLUB ROOTS 【三重】
12/10(火) LIVE ROXY SHIZUOKA 【静岡】
12/17(火) 苫小牧ELLCUBE 【北海道】
12/18(水) PENNY LANE24 【北海道】
12/19(木) 小樽 GOLDSTONE 【北海道】

PEDRO 2MAN TOUR「浪漫乾杯会」
6/26(水) 豊洲PIT 【東京】W/ヒトリエ
7/17(水) THE BOTTOM LINE 【愛知】W/ドミコ 
7/18(木) GORILLA HALL OSAKA 【大阪】W/ドミコ 
7/31(水) 仙台Rensa 【宮城】W/ネクライトーキー 

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