お金の使い方
最近考えていることが「お金の使い方」である。
お金の使い方と言っても、サブスクを活用してすさみ切った日々の生活に潤いを与えようとか、お菓子はなるべく買わないようにしてダイエットをしようとか、そう言うのでは無い。
そう言うのでは無く、「このお金を使うことによって、自分は何に影響を与え、その結果何が起こるのか」ということを考えるように心がけているのだ。
例えばスーパーに行き、牛肉を買うとする。スーパーには大抵、国産や豪州産、米国産などの産地の異なる、そしてもちろん部位の異なる牛肉が何種類も並んでいる。そしてこれも大抵、国産牛肉の方が豪州産や米国産に比べて値段が高い。
ここで消費者は考える。「値段は高いけど、何となく味が良さそうだし、安全な気がするから国産のものを買おう」とか、「牛肉の味なんて、国産も輸入もそんなに変わらないでしょう、安いほうを買おう」とか。そして消費者は、それぞれのニーズに合った牛肉を買う。どちらを選んだとしても、個人の好みに合った合理的な選択だ。
ただ最近自分はこのような買い物を、「消費者である自分」と「スーパーマーケット」の間の単なる「牛肉をめぐる金銭的なやり取り」ではなく、この買い物が社会に対して、あるいは未来に対してどのような影響を及ぼすのかということを考えるようになってしまったのだ。
例えば地産地消という言葉がある。ある地域で生産された農産物をその地域で消費しようという取り組みだ。地域経済の活性化や、農水産物の輸送にかかるエネルギーを削減に貢献できるといった利点があるとされている。
地産地消という視点で見たとき、先述の牛肉問題は、もちろん国産牛肉を選択することになる。しかしこの視点は「消費者とスーパーの間の金銭を介した牛肉のやり取り」には登場しない。その外側にある、新たな視点だ。
ただお金を使うということは、そうした外側からの視点、あるいは複数の視点から考えるべきではないかと最近思っているのだ。
オチはありません。