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グラベルバイクを買ったわけ

MTBを持っていて、更に一台必要なのか?

これまで僕はライフワーク的に裏山での里山ダウンヒルをメインに楽しんでいた。バイクは2004年頃に中古で買ったフルサスのクロスカントリー、26インチ。今では見ることのなくなったフロント3枚だが、シフターが調子悪く、実際に使えるのは外と中の2枚。トレイル間をつなぐ舗装路移動があるため、2枚の恩恵は大きい。里山ではオーバースペックだが、フロントにマルゾッキの150mmとDeemax。当時、レーシーな黄色にやられて見た目重視でインストールした。このバイクで裏山を駆け回っているわけだが、たまにキャンプ道具を積んでちょっとした遠征もした。

「キャンプライド初め」

キャンプ装備一式となると12kgほどの荷物になる。装備にはフライフィッシング道具一式も含まれる。初めは登山と同じくバックパックを背負った。歩きがMTBに変わっただけ。サドルの後ろにパックを乗せて、肩に掛かる重量分散を試みたが、身体への負担は結構なものだった。このスタイルでは続かないと思い、次に試したのはリヤキャリアの導入。シートポストにボルト4本で固定するタイプ。キャリアの積載面がスライドする。そこに重量のあるテントなどを積載し、フロントには、フライフィッシングで使うラインバスケットをハーネスでくくり付けた。ココには軽くて嵩張る寝袋や着替えなど。バイクのスタイル的にはオリジナル感があって好みだった。背負うバックパックも大分軽くなった。

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「フルサスバイクでの限界」

これなら少し遠出が出来そうだと、深夜のフェリーで神戸から香川へ渡った。海や河口でフライを投げながらのチャリ旅。重量分散スタイルは前回と比べかなり楽になったが、真夏の炎天下でフル装備。十分な旅感を満喫したものの、体力、気持ち的に余裕が無かった。こういう旅では、8割も頑張ってはいけない。目指せ6割。これで学んだのは、物を背負ってはいけないこと、特に夏。背負っていると汗が抜けず、乗車している間ずっと不快。体温が下がらず朦朧としてくる。ダラダラと続く緩やかな舗装路でヒーコラ言ってる横をクラシックなロードバイクが颯爽と追い抜いていった。ペダルを踏むたびに両サスに力を吸収され、2.2インチのダートタイヤがゴリゴリ鳴る。どんどんと距離をはなしていくロードバイクを目で追いながら、細い車体の後ろ姿を美しいと感じた。この時、すでに次の世界への入り口を見ていたと思う。

「萌芽」

それから間があいて、OMM BIKEに参加することになる。OMM BIKEとは、バディを組んで、地図とコンパスを使って設置されたポイントを回りながら得点を重ねていく。開催場所は白馬だった。岩岳スキー場をベースキャンプに2泊で開催された。トレラン組とバイクの共同開催。前日入りして、会場近場の水辺でフライフィッシングを楽しみ、トレランに出場する友人のサイトにお邪魔して酒を飲んだり、新たな出会いもあり。あたり一面に張り巡らされたテントでは、各場所で思い思いの時間を満喫している様子が見られた。自由でハッピーな空間だった。翌朝のスタート地点では参加者全員が集まりスタートの号令を待つ。一同に集まるバイクの数とバラエティの豊かさ。この大会の特徴がもろに反映されたバイクが並んだ。ロードバイクにフルサスのMTB、リジットのMTBやファットバイク。その中にドロップバーに2インチほどのダートタイヤを履かせたバイクが目に入った。初めて見る種類だった。このイベントは、制限時間をフルに使って少しでも多くのポイントを回る競技志向から、白馬観光を兼ねたサイクリングを楽しみたいグループまで。ランチを補給食で済ませる人がいれば、街の定食屋にガッツリ腰を落ち着ける人もある。トレイルに入っても良いし、市街地だけでも良い。僕はいつもの里山仕様MTBに携行品をパックパック詰めて背負った。もちろんフライロッドも。川をメインに、ポイントも稼ぎつつ、制限時間をスマホで気にしながらキャンプまで戻る帰り道。坂は緩いが長い区間だった。ガンガンとペダルを踏むグループが追い抜いていった。そのグループについて行こうと足を回したが急勾配になったあたりで離された。ドロップバーに太めのタイヤを履いた細い車体が目に焼き付いた。

「決断」

OMMから帰って調べたら、それがグラベルバイクだと分かった。舗装路での機動力、荷物の積載力、トレイルでの未知なる可能性。コレを手に入れればOMMで感じた自由を日常に取り入れる事ができるんじゃないか。ロングライドが次の扉を開くはず。そんなわけで手に入れたバイクがSpecialized AWOL。車体の詳細や、これが来たことによる変化、遊び方はまた別の記事に。

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