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2023年5月30日 【最新論文紹介】煎りピーナッツと茹でピーナッツの組み合わせによる免疫療法とは?

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

( 本記事は、メンバーシップ(アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)


標準化が進もうとしているピーナッツの免疫療法ではあるものの、リスクはまだ払拭することはできていない。

■ ピーナッツアレルギーは欧米諸国では小児の1~3%が罹患しており、これまで除去食が治療の中心になっています。

■ 一方で、経口免疫療法は徐々に標準治療へ近づこうとしています。
■ 2020年に、Palforzia®がピーナッツアレルギーの経口免疫療法として米国で初めて承認され、状況がかわりつつあります。

■ しかし、Palforziaにはアナフィラキシーのリスクと頻度がいまだに低くなく、より安全性を考慮する必要性があります。

■ 安全性と効果、そのバランスをどのようにとっていくのか、さまざまな方策が検討されています。
■ そのうち、ピーナッツにおける『ゆでピーナッツからローストピーナッツに切り替えていく』という方法が報告されました。



この論文でわかったことをざっくりまとめると?

ピーナッツアレルギーの患児70人を、長時間茹でたピーナッツの漸増期→短時間ゆでたピーナッツ→ローストピーナッツの漸増期に段階的に負荷をする経口免疫療法を52週間にわたって実施したところ、

70人中56人(80%)の参加者で脱感作の誘導に成功した。
 治療関連の有害事象は43人(61%)で報告され、これは経口摂取1000回投与あたり6.58件の割合に相当した。
治療関連で使用されたアドレナリン使用は3人(4%)だった(1000回投与あたり0.05回)。

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