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2023年6月3日 【最新論文紹介】新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症は、いつごろ軽快するか?

■ ブログで公開した内容の深掘りです。

( 本記事は、メンバーシップ(アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)


新生児・乳児食物蛋白胃腸症(以前は新生児乳児消化管アレルギーなどと呼称)の患者さんが増えています。

■ 食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)は、一般的にIgEが関係しない消化管アレルギーです。
■ 主な症状は、食物摂取後の1~4時間以内に見られるくりかえす嘔吐で、皮膚症状や呼吸器症状は一般的にありません。


■ ややこしいですが、新⽣児・乳児⾷物蛋⽩誘発胃腸症(Non-IgE-GIFAs)(以前は新⽣児・乳児消化管アレルギー)と一部とされていて、新⽣児・乳児⾷物蛋⽩誘発胃腸症には、FPIES、FPIAP、FPEが含まれます。

食物アレルギーの診療の手引き2020

■ FPIESの予後に関しての報告は不十分な状況ですが、最近、フランスからの多施設研究があり、参考になりそうだったので共有します。



この論文でわかったことをざっくりまとめると?

2014年から2020年にフランスの2つの小児三次医療機関にFPIESのために紹介された179人の小児のデータをレトロスペクティブに収集したところ、

✅ FPIES 192人の初発症状のあった月齢は5.8ヶ月齢だった。
✅ 主な原因食物は牛乳(60.3%)、鶏卵(16.2%)、魚(11.7%)だった。
✅ FPIESの軽快した年齢は2.2歳で、牛乳よりも魚の方が遅かった(2.9歳 vs 2.0歳; p = 0.01)。


以下は、論文の解説と管理人の感想です。

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noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊