見出し画像

テネットTENET 2回目:俳優の魅力と解決・未解決の謎

グランドシネマサンシャインのIMAX GT。
すでにIMAXで観たけれど、この↓写真を観てGTに行くことに決めた。

画像3

IMAXで観てもこれだけ、特に上下がカットされている。
ノーランがこのフルサイズのカメラで撮っているということは、その画面に映ったものすべてに意味がある。
近くにないならしかたがないけど、行こうと思えば行かれるなら、2度目に行くと決めたならこのサイズで観たい。
席はできるだけ後ろに取った。
画面全体を快適に観たいから。
劇場に行ってスクリーンの大きさに仰天。
この写真で大きさが伝わるか心許ない。

画像4

実際に映画が始まると、天井から床まで全面がスクリーンになる。
シーンによっては普通のIMAXサイズにもなる。
よく映画館で遅れてきた人がちょっとかがんで邪魔にならないようにするが、あれをやってもまったく意味がない。
全面がスクリーンだからかがんだって画面を避けようがないのだ。
可能であればぜひIMAX GTへ!
無理でもIMAX、それが無理でもスクリーンで!
何年かしてテレビ画面サイズで観た時、後悔するよ。

俳優陣のことを(ネタバレなし)

2回目で改めて感じたのは、俳優陣の魅力。
複雑な内容に混乱してもほぼ出突っ張りのジョン・デイヴィッド・ワシントンが、観客の目を惹きつけ続ける。
「ブラック・クランズマン」を観たノーラン監督が彼にオファーしたと言うが、そのときこれほどの身体能力を発揮することまで想像していたかどうか。
スタントをなるべく使わず本人がアクションをしたというし、かと言ってマッチョなだけでもなく知性的な雰囲気があって、彼によって名も無き男は完成している。
今後アクション映画に出ることが増えるのかもしれないが、「ブラック・クランズマン」のような役柄もやり続けて欲しい。
俳優で映画を観ることが少なくなってきているので、新しく追ってみたい人を見つけた感じがある。

ロバート・パティンソンの出演作品はハリー・ポッターしか観たことがなかったので、いい男になったなぁとほれぼれ。
主人公との関係性や何かを隠していることで生まれる2人のちょっとしたやり取りがとてもうまく、単純に「スパイ?」みたいな疑惑を抱かせない深さがあった。
いい役よねぇ、人としてかっこいい。
頭脳も身体能力も高い上に精神性もね...。

ケネス・ブラナーは一瞬だれかわからないくらい。
雰囲気もそうだし、あのケネス・ブラナーがなまりの強い英語を話していて、「え?ケネスじゃないの?」と思ってしまった。
この役の抱える闇は理解を超えていた。
2回目はもっとわかろうとしながら観たのだけど、理解には及ばず。

エリザベス・デビッキは初めて観た。
背がとっても高くて印象的。
でも役柄の個性が優っていた気がする。

内容は複雑ではあるけれど・・・(ネタバレなし)

1回目で
「考えないで感じて」
というセリフのあと、考えるのをやめた。
そのおかげでかえって理論を把握しやすかった気がする。
考え出したらとことん複雑だけど、映画の流れに身を任せて楽しむこともできる。
難しい、という評判で躊躇している人はそこにこだわらずに観てみてほしい。
いままでに観たことのない体験ができるのは確実!

でもねぇ、この作品、吹替って作ってないのかな?
台詞の量が多くて、字幕がまったく足りてない。
字数制限内でがんばったのはよくわかるけれど、聞こえてくる英語の字幕にないところに、わかりやすくしてくれる言葉があった。
ぜんぶを英語で聞き取れるほどじゃないので、その点がとても残念で、吹替にして情報を詰め込めるだけ詰め込んだヴァージョンもあってよかったと思う。
BD化するとき吹替入れて欲しい。

スクリプト読んでみようかな。
それでもう一回観る?
ありだな、、、あり。
だって英語ネイティブでもよく聞き取れないってレヴューにあったもの。


【このあとネタバレです】


画像1


赤が順行、青が逆行は終盤のスタルスク21での作戦の色分けで初めて説明されるけど、これをわかってて最初から観るとわかりやすさが何倍にもなった。
最初からこの仕分けがされている。
2回目に行く人が多いのはこれも大きな要因じゃないかな。

エントロピー なんて初めて聞いた言葉。
1回目によくわからなかったのが、なぜ逆行のときの銃弾の威力は通常より強いのか。
これ、今回は理屈じゃなくわかった場面があった。

スタルスク21で多くの建物が崩れたり直ったりする。
落ちていた大きな壁が元の位置に戻る逆行。

落下には重力があるけれど、落ちたものが上に戻るときは重力に逆らうことになる。
「重力はそのまま」と言っていたではないか!
重力に抵抗して上昇するエネルギーは落下のエネルギーの何倍も必要だ。
これっすね!!!
銃弾も戻るとき、同じ法則で何倍ものエネルギーがかかるから受ける傷が致命的になる。

ひとつスッキリ!!

タリンの高速道路のシーン。
2回目で「???」と思ったのがキャットだけが逆行の車の中で酸素マスクをしてないこと。
なんで大丈夫なのか?
これは見終わってから気づいた。
最初の高速道路でキャットと名も無き男は会話が成立していた。
キャットが逆行なら言葉が逆さまになってて通じないはずなのだよね。
ということは、逆行する車内にいながらキャットは順行だったということ。
だから酸素マスクなしで生きていられたというわけ。

説明できるものはこれくらい...。
わかったことは細かいところに散らばっていて説明しようがないことが多いし、とても優れたレヴューを書いてる人がたくさんいるのでそちらに譲る。

まだよくわからないところは

最初のオペラハウスのシーン
CIAとバレたというのはわかるけど、それなのになんでオペラハウスの中に行かせたんだろう?
もうここからテスト?
「このテロは擬装」というのもよくわからない。
セイターがプルトニウム241を奪うためのテロじゃないの?
どこからどこまでがテストでどこが本当のテロなのか、ごっちゃごちゃでまたしてもわからずじまい。
クーーッ!

スタルスク21の穴の中での生き返るニールのシーン。
鉄柵があってよく見えないし、あっち側にいたセイターの手下とこちら2人は順行で、ニールだけが逆行なのはわかったけど、ニールはどの時点でどうやってあちら側に入ったんだろう?
入ったあと手下が来て一度殺された??????
どの時点から彼は逆行?
ニールが倒れる状態になるまでがどうなっていたのか、ちんぷんかんぷん
もう一度見てもわかる自信がまったくない。

ある人物が未来の〇〇説は、本当なのか絶対わかりたいと思って観ていた。
すごく注意して観ていたわたしの限界ではそれとわかるものはなかった。
あれは違うんじゃないのかなぁ。
他の人の感想を読んで、確信できるものを見つけない限り、違うと思うことにした。
だって名も無き男が彼を巻き込む?
未来においては結末をわかっていて依頼するのだから、わたしなら頼まないなぁ。

それにしても、未来の名も無き男は過去の名も無き男に救われた世界に生きてるわけで、話がぐるぐる回ってしまう。
名も無き男が成功しなければ人類は皆滅亡してしまって、未来で計画を練る名も無き男はいない。
いったい話の起点はどこなんだ???
いままで読んだいろんなレヴューでの説明でここを明確にしたものがない。
一番の謎が残っている。

2回目は1回目より興奮度が下がるかと思ったけれど、違う種類のドキドキがあって、2回目だから落ち着いて観られるという感じでもなかった。
何回でも観られるし、できれば巻き戻したりしながらゆっくりゆっくり解析したい。

しばらくこれを超えるスパイ・アクション映画はないでしょうね。

画像2


サポートいただけました場合は、書籍、資料、語学文献に使用し、情報として還元いたします。 心より御礼申し上げます。 今後ともよろしくお願いいたします。