何事も、ほどほどが一番だね…。

 明言しているとおり、私は肌断食と湯シャンを実践している。しかも健康ヲタクなので、自炊する時には結構健康に気を使って無農薬の皮ごと食べられる野菜を好んで買ってみたり、甘酒や焼き菓子などを手作りしてみたり、自己満足の範囲で健康に良さそうなこともをするのも大好きだ。また、赤ちゃんの誕生に備え、洗濯洗剤もarau babyを購入。あわよくば、このまま洗濯石鹸生活に移行できないかなーとチャレンジ中である。また、臨月の運動不足を少しでも解消するため、毎晩YouTubeを見ながら夫とマタニティヨガに勤しむ日々。

 肌断食。湯シャン。有機野菜。発酵。手作り。無添加。洗濯石鹸。ヨガ。
さて、これらのワードは、いわゆる“自然派”とめちゃくちゃ相性が良い。情報収集するときも、それ系のサイトや雑誌に行き着くことがほとんどだった。例えばヘルシー手作りおやつのレシピが知りたくて天○生活を開くと、その続きに特集されている他のものにもフムフムと目を通してしまうのであった。

 我ながらかなり影響を受けやすいタチなので、まんまとそう言った情報に感化され、すっぴんで綿や麻などの天然素材の服に身を包み、冷えとりのためにシルクの5本指ソックスの上にせっせと厚手の靴下を重ねばきし、典型的な自然派ファッションに身を包んでいたこともある。健康ヲタクの心にもグッとくる、いわゆる“からだが喜ぶ装い”と言うやつである。(そしてこの手の格好は、ただでさえ蒼井優さんになりたいと思っている私の自己満足を満たすのに相性が良すぎた。。)

 そんな私が、ハッと自分を客観的に顧みられるようになったのは、最近アマプラで観た「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」のおかげである。普段私の装いに何も言ってこない優しい夫、その夫が、主人公の彼女役を演じる白石麻衣さんに、明らかにメロメロになっているのを横で痛いほど感じたのだ。
 「わあ、すげえ美人」「なんでこんな可愛いんや」と幾度となく呟き、なかなかプロポーズしてくれない主人公にヒステリーを起こす場面ですら「こんな奥さんだったら絶対逃しちゃダメでしょ!」と全力擁護。普段は「ヒステリックで口うるさい女は嫌い!」と言って憚らないくせに…!!(あまりにメロメロなのが丸わかりなので、イライラして途中で小突いてしまった…)
 この役の時の白石麻衣さんは、ヘアスタイルもファッションもいわゆる清楚系、女子アナ系で、女性らしくて確かにとっても可愛かった。間違ってもターバンやニット帽で前髪を全上げにはしないし、先の尖ったヒールを全て捨てて厚手の靴下を重ねばきしそうではなかった。

 まいやんにデレデレする夫にイライラしてしまった私は、「私だって夫に心から可愛いと思われたい!」と内心思っていることに間違いないのだ。ならば、ありのまま気取りで自分が心地いいだけの装いに満足するのではなく、“夫から見て”可愛くなるための努力をしなければならないのは当たり前だ。装いに関して言えば、自分の心地よさだけをひたすら追求するのは、自分勝手で周りが見えていない態度だったと反省した。

 夫婦関係に限らず、人間は社会的な動物。社会という群れの中でみんなとうまくやっていくためには、「この人素敵だな」「この人と仲良くしたいな」と思ってもらえるように、ある程度人目を気にする必要がある

勿論、おしゃれに限らず何であれ、健康を害してまで、または自分が嫌な思いを我慢してまでやることはない。ただ、例えば天然素材にこだわるとしても、肌に当たる肌着はオーガニックコットンで揃えて、そうでない表に見える部分だけは化繊のブラウスにしてみるとか、メイクできない分、髪はしっかりブローして、肌に当たらない毛先だけでも艶出しのトリートメントをつけるだとか、心地よさと見た目の折り合いをつける工夫はいくらでもできるはず。

 とりあえずは、映画のまいやんを見習って、ひらひらした白い花柄のワンピースでも買おうかと思っている。。

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