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苦しい人生の応援歌。


 僕の好きな曲を三つあげるとすれば、ロックとクラッシックとポップスの三種類に分かれてしまう。いずれも、非常に感動して、なんども聞き込んだ曲ばかりである。順に、話していこうと思う。

 「RUN」B'z
 この曲は、僕が若いときに寂しい独身サラリーマンをしていたときに、よくカーステレオで聴いた曲である。当時、出張先の現場の寮で、作業者と共同部屋で、現場監督見習いとして住まっていた。毎日、過酷な山林土木作業を行い、肉体的にも人間関係的にもへとへとに疲れて、誰も理解してくれる人もおらず一人孤独に、仕事をしていた。
 ときどき、休みの日など現場から地元に、車で帰ってきた。その車中、B'zばかりかけていた。テープは延びて音が波打つくらいになるくらい、そればかり聞いた。
 「荒野を走れ、傷付いても、心臓破りの丘を越えよ、飛べるだけ飛ぼう、地面蹴りつけて、心開ける人よ、行こう!」
 その暗い苦しい生活の中で、B'zはバイブルであった。

 「復活」マーラー交響曲第二番
 僕は精神障害者だが、大学時代から陰鬱で無気力で対人恐怖だった。大学時代、友人とて一人おらず、毎日単位取りのためだけに、人間関係で傷付きながらも講義を受け、帰ってきたら死人のように床に伏していた。よく、何日も大学をサボって、陰鬱な気持ちで床に伏したままの日もあった。そんな日々に、対人恐怖でバイトもあまりできずに極貧だった僕は、図書館でCDを借りた。しぜんクラッシックになった。いくつか聞いた中で、マーラーの「復活」がこころに染みいった。
 深い闇の音から始まり、さまざまな苦悩を突き抜け、最後は歓喜の歌として花開く、その短調の交響曲は、僕の深い傷を柔らかい音でなぞってくれて、しかも、希望に繋げてくれた。希望を持ったときに勇気が出て、また大学に立ち向かえた。
 この曲なくしては、僕の青春時代はないだろう。

 「空の色」柴田淳
 中年になってから、僕ははじめて長調の歌が好きになった。
 柴田淳の曲を初めて聴いたとき、とても旋律が癖になった。なんどもなんども聞きたくなった。そして、オリジナルCDを買いあさって、柴田淳のファンになってしまった。
 彼女の歌の特色として、悲しい孤独な歌詞なのに、旋律がとてもクリアーで暖かい愛に満ちているという、ギャップのある曲であることが挙げられる。彼女の孤独な人生の苦悩が、歌詞に現れているのか、それでも曲調はとても綺麗で、何度聞いても聞き飽きない美しさがある。
 僕は、ベストアルバム「しば裏」が、柴田淳に惚れた理由だが、その中でも「空の色」はとても美しい旋律である。これは嬰ハ長調の曲で、その透明さは本当に快晴の「空の色」そのものである。
 ファンの思いが募って、僕は、彼女に小説を捧げたくらいである。それくらい、彼女の曲は美しいし、嵌る人は嵌る音楽である。

 以上、僕の人生のなかで、好きな三曲について書いてみた。

#スキな3曲を熱く語る

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