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降って湧いた時間

ちょうど仕事から帰る時間帯、西武池袋線が落雷でストップ。しばらく動きそうになく、さてどうしようか。そうだ、池袋西武で古本まつりをやっているから見にいこう! 次のオンライン読書会のテーマはルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』なので中古で買おうと思っていたから、もしあればめっけものだ。そんな期待を込めて古本独特の匂いが漂う会場をぐるりと一回りしてみたものの、結局見つからなかった。残念。

それから駅に行く途中の本屋さんに入って文庫本の新刊コーナーを見ていたら、坂木 司さんの『アンと愛情』が平積みになっていた。やっと文庫になったのね、とさっそく購入。続く『アンと幸福』は10月に発売になるという情報も入手。『赤毛のアン』とは全く関係ない物語だけれど、タイトルがアンシリーズから来ているのは紛れもないし、和菓子の蘊蓄を生かしたストーリーはとても面白い。それに、登場人物たちのその後の動向もとても気になっている。

本屋さんを出て、そろそろ動いてるかなと駅に行ってみた。しかし、電車はノロノロ状態で動いてはいるものの駅の中は溢れんばかりの人人人。地上のホームはサウナ並みに蒸し暑く、ひしめく人で身動きが取れない状態のまま待っていると具合が悪くなりそうだ。

仕方がないので、遅くまで営業している穴場の喫茶店でコーヒーでも飲んでいようと気を取り直す。喫茶店に到着すると相変わらず空いていてとても静か。クラシックな雰囲気で居心地の良いお店。濃いめのコーヒーはいつ来ても美味しい。自分の家みたいにすっかりくつろいで閉店近くまでずっと本を読んで過ごした。

家に着いたら22時を回っていた。すっかり予定が狂ってしまったが、降って湧いた時間を有効に使えて思いがけない充実感を味わった。
今日も良い一日だったなぁ。