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『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』


内田洋子著 『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』の読後感。

<世の中に自分が信じるものを届けたい>。村人にとって、それが本だった。

イタリアはトスカーナ地方の山奥に、何世紀にもわたり本の行商で生計を立てている村が有った。国中を歩き回り、本を売る。著者がこの類い稀な歴史物語を偶然にも知り得た経緯いきさつも素晴らしくてワクワクした。読み進むにつれ、誇り高く仕事をする人々の奥深い物語に引き込まれていく。心を引きつける魅力的な写真もたくさん収められており、面白くてあっという間に読み終えた。

自分のしていることを100%信じ、人々に愛され、感謝される。先祖代々続く誇り高い仕事。神に与えられた使命と信じて疑わない。生き方そのもの。この心意気。良い仕事をするとは、どういうことかを教えてくれる。