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ブルース名盤紹介21 STEADY ROLLIN' MAN/ROBERT JR. LOCKWOOD

ロバートJr.ロックウッドの今作品、
愛されキャラ全開のボーカルと、
軽快なバンドサウンドが光る傑作です。

往々にしてブルースの演奏は、
ヘヴィーな程良いとされ、
その場一発のアドリブで
進んでいく展開に魅力があるといえます。

しかし、
このアルバムのギターアレンジは違います。

高音弦を多用しつつ、
決められたであろう
シンプルなリフを繰り返して、
合奏をまとめていくスタイル。

音の重心が高く、
2本のギターが
うまくブレンドされています。

さてこのCD、
よくある誤解に要注意です。

最初は、
サイドのギターを担当する、
The Acesのルイス・マイヤーズについて

「スタジオミュージシャンっぽいけど、
無茶苦茶うまくて、良いんだよな〜」

「ロックウッドのリードギターの音も
チープさが良い味を出してる」

…と思っていたのですが、

ここが誤解でした。

なんと、小出斉さんの解説によると、
この激ウマのサイドを弾いているのが
ロックウッドその人だったのです。

あらためて聴いて分かるのが、
ロックウッドのギターによる
クリーンな音色、音の粒くっきり、
繰り返し刻まれるリズムの
なんとも気持ちよさ。

ジャケット写真に写っている、
グレッチを使用しているからでしょうか。

冒頭の
”Take A Walk With Me”
「カモ〜ン」と歌うロックウッドの
なんともいえない愛嬌のある声に、
「好き」が確定。

インストの
”Steady Groove”
のリードを弾くのはロックウッド。
(アドリブはルイス)
ギタリストなら、コピーしたい演奏です。

”Lockwood's Boogie”の
ジャズっぽいけどジャズじゃない、
うまいけど泥臭い、
絶妙なブルース感。
右チャンネルのコード弾きが
ロックウッド。

全体に、軽く、のほほんとした雰囲気は、
サイドメンかつリードギタリストの
ルイスマイヤーズのギターも
一役買っています。

ギターの高音弦を多用したリフの組み立てが、
(失礼かもですが、愛を込めて)ファミコンっぽく、
個人的には好みにドンピシャ。

元々、サイド面での
活躍が多かったロックウッド。

存在感のある、
聴かせるサイドギターは
貴重です。

いずれにしても
大好きな1枚です。

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