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ブルース名盤紹介35 Mamlish Blues/Ed Bell

エド・ベルは1905年、
アラバマ州フォート・ディポジットの
プランテーションで働く農夫のもとに
生まれます。

両親はミュージシャンではなかったのですが
いとこのジョー・パット・ディーンが
ギタリストとして活躍しており、
そのディーンに
エド・ベルは音楽を学ぶなど
影響を受けました。

その後、地元で人気者になっていった
エド・ベルは、1927年に初録音。

当時、アラバマ州は、
プランテーション中心の生活が
多く残る、未開の田舎でした。

そのため、ブルースという文化は、
原始的な形のまま、
形成されにくい状況。

そんな中、登場した彼のスタイル。

それは、ボトルネックなどを使わず、
シンプルなリフを中心に組み立てられた
ギターの伴奏に、
ブラインド・レモン・ジェファーソンのような
フィールド・ハラー調
[ ※参照→ https://youtu.be/ZPrZ-YsD6sc ]
の歌い方で歌ったものでした。

さて、
彼はいくつか異なる芸名を持っているので、
あらためて整理しておきましょう。

・Ed Bell
・Barefoot Bill
・Sluefoot Joe

これらは全てエド・ベルのことだと、
現在では認識されています。

個人的には、検索の面でも響きの面でも、
”Ed Bell”よりも”Barefoot Bill”のほうが
キャッチーで良いように思っています。
みなさんはいかがでしょうか?

・曲紹介

それでは、曲を紹介していきます。

”Mamlish Blues”

シカゴにて、1927年の録音。
エド・ベルのデビュー録音にして、
代表曲。

イントロのギターフレーズは、
チャック・ベリーにも通じるものを感じます。

”Mamlish”はエド・ベルの造語で
その意味は明かされておりませんが、
恐らくワイセツな意味があるのでは?
と思われます。

”Hambone Blues”

これも同じ日の録音。

歌詞に出てくる”Jelly Roll”とは
女性器を意味する隠語だとか。

”Jerry Rollがなかなか見つからねえ!”

と叫ぶブルースです。

前述の”Mamlish Blues”のカップリング曲。

”Big Rock Jail”

「ベアフット・ビル”Barefoot Bill”」
としての、1929年11月4日の録音。

”Squabblin' Blues”

これも、ベアフット・ビルとして、
1930年4月20日、
ジョージア州アトランタで録音されました。

単音で、ギターの弦を連打するシンプルなリフが印象的です。

”I Don't Like That”

「ピリー・ボーリング”Pillie Bolling”」
とのデュオによる録音。

タンパ・レッドが1928年に発表した
”It Tight Like That”系の曲ですが、
この録音は1930年、4月19日。

”It Tight Like That”のヒットに
便乗したかどうかはさておき、
レパートリーの幅広さを感じます。

”She’s A Fool Gal”

1930年12月4日の録音。
ヴォーカルに、エド・ベル
ギターにベアフット・ビル
というクレジットですが、
実際2人は同一人物。

この曲は、過去にも録音があり、
1929年4月、
クリフォード・ギブソン”Clifford Gibson”
とのデュオでSluefoot Joe名義で
ニューヨークで録音されていました。

エド・ベルはこのような
フォークソングも録音しています。


さて、今日は戦前アラバマ州を代表する
ブルース・アーティスト
エド・ベルについて紹介しました。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

今日は以上です。

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