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いつもの夏がやって来て

7月の長い雨の日々が終わりを告げたのは、7月31日。これでもかと降り続く雨に閉じ込められた山荘で、雨音を聞きながら過ごした時間。折り重なっては徐々に消えていく記憶がいつかまた蘇って、窓ガラスの水滴がボカす風景をふっと思い描く瞬間がやって来る。
晴れてみれば、雨の、水の記憶も懐かしく、迷っていた日々から一歩だけ踏み出すきっかけは、いったいなんだったのだろう。変わらずある風景に変わった日々の営みをぶつけてみて、ヤツらの出方をうかがってみる。
小川が氾濫して、木道が浮き始めていた。チングルマは水中花となり、ハクサンイチゲの分厚い花びらはたっぷりと水を含んで、まるで水飴細工のようだ。

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木道で滑らないように気を使って歩きながら、雷鳥がいるのではいかと辺りをうかがう。空のどこかに少しでも青い色を探し、雲の流れゆく先の峰々を想う。

月やあらぬ春や昔の春ならぬ わが身ひとつはもとの身にして

ふと業平の歌が浮かんでくる。予め失われた人の存在にこころは動かされ、変わらぬ風景に、ここにいる事を許されている自分を想う。
みんなどうかしてしまった。みんな、とは自分を含めて、愚かな人間たちのことだ。不安を煽る言説に、未来を信じられなくなった目で応える我ら。
(図らずも、あるいは思惑通りの事か、フーコーの言った「生権力」に人々は支配され始めている。)

スイッチを切って外へ。旅に出よう、こんな季節だからこそ。

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COVID-19の感染拡大が続くこの夏、Peak2Peak写真山岳ガイド事務所では、屋内でのマスクの着用、ガイドレシを最大1:3に下げての山行、山行中の検温と血中酸素濃度の測定、他グループとの3密を避ける、などなど、感染対策を行いながら、ガイド山行を続けています。

巷で報道されている「感染者数」は、PCR検査を受けて新型コロナウィルスの陽性反応が出た方の数であり、真の意味での感染者数ではありません。
なぜなら
①PCR検査自体が、偽陽性の確率が30%程度ある検査方法であること
②PCR検査はあくまでも咽頭部などにウィルスがあるかどうかを検査する手法であり、「ウィルスが細胞内に入り込んで増殖している状態=感染発症した状態」を検査する手法ではありません。ほとんどのPCR検査陽性の方は、ウィルスを体内に保持していても、それが細胞に入る前にご自身の免疫機能によって、感染を防いでいると思われます。
PCR検査数が飛躍的に増え、いわゆる「感染者=PCR陽性」の数は見た目上増えていますが、以上の理由により、実態とはかけ離れた「感染拡大を示す数字」だけが、垂れ流されています。
新型コロナを過度に恐れるあまり、我々の日常生活は変容を余儀なくされていますが、新型コロナに対する適切な対策を取りながら、心も身体も健全であり続けようと行動する事が、私たちが生きていくためには必要だと考えます。

山小屋では、宿泊人数の制限、検温、宿泊者の個人情報の管理の徹底、消毒、マスクの着用、小屋内でのソーシャルディスタンスの確保、小まめな換気、などなど、可能な限りの対策を施しながら、我々登山者を温かく迎え入れてくれています。政府の「GoToトラベルキャンペーン」は批判されていますが、適切な対策を実施しながらであれば、旅行それ自体が感染を拡大させる事はない、と、研究者も述べています。

さあ、山へ出かけましょう。

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Peak2Peak 2020夏の山
ガイド企画 最新スケジュール

①8月14~17日 雲ノ平周遊 3泊4日 折立入山 新穂高下山 定員に達しました

②8月18~22日 雲ノ平黒部源流フリープラン 最短3泊4日から 募集中
赤木沢、祖父沢、五郎沢、薬師沢など黒部源流の沢歩きをご希望に応じて自由にアレンジします

③8月24~26日 黒部源流域 赤木沢 2泊3日 残席1名 募集中

④8月28~30日 鹿島槍八峰キレット 2泊3日 残席1名 募集中

⑤9月4〜7日 黒部五郎岳雲ノ平周遊 3泊4日 定員に達しました

⑥9月11〜13日 剱岳別山尾根と立山三山縦走 2泊3日 残席2名 募集中

⑦9月14~16日 黒部源流域 赤木沢 2泊3日 残席2名 募集中

⑧9月25~27日 剱岳北方稜線フォトトレッキング 2泊3日 残席1名 募集中 剱岳山頂から北方稜線を池ノ平へ下り、紅葉の仙人池を楽しみます。

いずれも詳細はお問い合わせください

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