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ポルノグラフィティ2020年唯一のライヴ「Cyberロマンスポルノ’20~REUNION~」の物凄さ

直前の会員限定配信の時間に、ポルノグラフィティボーカル岡野昭仁が言ったことを覚えているだろうか?彼はリハーサル後、「(前よりも)歌が上手くなった」と言ったのだった。

え、今以上に……?

おいおい昭仁さん、それはお笑い芸人が漫才の冒頭で「今日はめっちゃおもろいこと言いまっせ!!客席どっかんどっかん沸きまっせ!!」と叫んでるのと一緒だぜ、それはオードリー春日かナイツ塙にしか許されないやつだぜ―――いやでも、もしかして彼は確信しているのかもしれない。なぜなら今年の彼は、Youtubeチャンネル「DISPATCHERS」を開設し、ひとりで歌う回数を重ねてきた。目の前にいる人を喜ばせたいところから始まった彼の歌は、今年唯一の有観客ライヴで爆発的な進化を遂げるのかもしれない。

かくして、まるでリアルなライヴ直前のような胸の高鳴りと高揚感でもって、2020年12月4日19時を迎えることになる。

M1:アポロ

公式インスタアカウントでは一曲目予想をやったりしてたけどやっぱり、まさかの『アポロ』からスタート。しかも最初のサビは再会に相応しい歌詞に変えられていて、再会の喜びと画面越しの切なさに喉が詰まった。吹き飛ばされそうになるような歌声は、確かに今まで聴いてきたどの『アポロ』とも違う重たさがある。最も回数多く聴いてきた曲だからこそ、その上手さがはっきりと分かる。

M2:オー!リバル

二人でもこんな曲を作るんだ、とわたしがもう一度ポルノグラフィティを好きになったきっかけの曲。事前にARが使われることは知らされていたけど、こういう使い方をしてくるとは思ってなかった。サイが画面を割って飛び出してきたり、MVのようなふたりが歩いてきたりして面白かったけど、もっとリアルにサイバーなかんじなのかとも思っていたので「ああ、ポルノグラフィティはこれくらいでいいんだよなあ」とほっこりしてしまった。かっこいいのはPerfumeちゃんに任せちゃってください。

M3:星球

へええええこれするんですか!!!!!!と絶叫した。アルバムの中の一曲としては正直聴き流すこともある曲なんだけど、きらきらした演出も相まって「星球みたいな時間」がまるでこの瞬間のように聴こえてしまって、また特別な曲が増えてしまった。ライヴで聴いて好きになる曲、っていうのあるんだねえ、嬉しいなあ。

M4:ワンモアタイム

ぐだぐだゆるゆるなMCを挟んでの一曲。音が止んで口を開けばほわほわかわいいおじさんたちなのにどうして曲が始まった瞬間にぶちくそかっこいいおじさんたちになってしまうの?君らは0か100しかないの?この曲も世に出てから結構披露する回数が多い曲だと思うけど、いつも最新が一番力強く聴こえてくるのはきっと気のせいではないよな。

M5:2012Spark

『ワンモアタイム』とこの曲ときっとどちらかはやるだろうと思ってたけどまさかどっちも連続でやるとは思わなかった。どちらもシンボル的に作られた曲だから、今回もきっとこうして披露されたんだと思うけど、そうでなくても普通にめっちゃいい曲なので、特別な意味を持たせられずに普通に演奏される日が来るといいなあと思う。今からでもアニメのタイアップとか付けてくれもいいんですよ……!!

M6:リビドー

イントロが始まって数秒は何の曲か分からなくて、例のギターのメロディが始まった瞬間にアーーーーーーー!!!!!!!って絶叫してしまった。わたしの(記憶にはないけど)聴いたことあるリビドーは20代の頃のリビドーで、この日のリビドーは酸いも甘いも知ってしまった成熟した40代のリビドーなんだよなあ!!!カメラワークや照明の演出も最高だった、大好きな曲だから聴けて本当に嬉しかった。思い出しただけでため息が出る……

M7:ヴォイス

『リビドー』からのこの曲はあかん、煩悩が昇華されていく……これも本当に何度も演奏されている曲だけど、年を経るごとに重厚さが増していくのですよ。50歳60歳の『ヴォイス』が楽しみですね。

M8:シスター

「普段あんまりやらない曲をやる」というMCの後、この曲のイントロで「アーーーーー!!!!!!」ってなった(そればっかりか)。確かにこの曲はあまり映像化もされてないんですね。最近最もこどもたちが聴きたがるポルノの曲なので、こどもたちも「知ってる!」と言ってくれて嬉しかった。そしてMVを思わせる演出とピアノのアレンジが最高でこの日一番号泣した。ピアノ本当に凄かったから2020バージョンとして改めてリリースしてほしい。

M9:ルーズ

こちらもなんとなく聴き流しちゃうタイプの曲なんだけど、ライヴで聴くとどうしてこんなにも特別な聴こえ方をするんだろうね?これもまた演出がすこぶる最高できらきらした舞台なのに曲はめちゃくちゃ切なくてまた特別な曲が増えた……ライヴって本当に素晴らしいですね。

M10:カメレオン・レンズ

アーーーーーーーーーー!!!!!!!ポルノグラフィティ(R-18)が!!!!!!!R-18(ポルノグラフィティ)が!!!!!!!ポルノグラフィティがポルノグラフィティすぎて家族と一緒に観てるのすごい気まずかったじゃんどうしてくれんの。昭仁さんのジャケットプレイ(?)と歌詞が飛び出してくる演出が好きすぎて何度も繰り返し観てしまった。アーカイブの有難さが身に沁みました。スクショ最もたくさん撮りました大賞。

M11:海月

出だしの低音が脳髄に響くこの曲はミディアムテンポながら聴き飛ばすことのできない曲なんだけど、AR海月の演出とか「君」のタイミングでカメラを指さしてくれるとことかほんとライヴ映えするな……サビの爆発力が凄まじいよね、またライヴでやってくれるかなあ

M12:アゲハ蝶

晴一さんの「拍手でも感情は伝わる」というMCから流れるように始まったこの曲では、AR演出が最も上手く使われていた。事前に募集したTwitterのメッセージが蝶となって会場に集まり、ラストの大サビで会場に羽ばたく様子は、世界中で配信を観ている人々をライヴ会場に連れてきてくれたような気がした。そしてアホのように号泣した。号泣するわたしの横でこどもたちが手拍子しながら合唱していたのを見て、この光景きっと20年後に思い出すんだろうなあと思ってまた号泣した。ありがとうポルノグラフィティ、ポルノグラフィティは人生

M13:Hard Days, Holy Night

『星球』やったからこれはしないと思ってたから嬉しい!初期ポルノグラフィティのめちゃかわ曲のひとつだよね~!「すぐに帰ってきて!」「帰っちゃう♡」のやりとり配信越しでもできてよかった。最後の「メ"リ"ィィィィィクリスマァァァス!!!!!!」でムキムキのサンタさんが見えました。ボディが強い。

M14:VS

あの東京ドームから、このイントロのピアノで号泣するようにプログラミングされてしまってるんですけどどうしたらいいんでしょう。たくさんの想いが詰まった曲になってしまって、冷静に聴くことができなくなってるんだよなあ。ここまでの20年と、ここからの20年を強く感じるよ。

M15:ハネウマライダー

冒頭の昭仁さんと晴一さん二人だけのハモリ最高だった。高橋優くんとのラジオで昭仁さんが「晴一がボーカルだとどうしてもハモれなかった笑」って言ってたのでそれを思い出して微笑ましくもあったし、その絶妙なハモれなさも併せてポルノグラフィティなんだよなあと思うとまた号泣してしまった。この曲はタオルを回すもの、となぜかこどもたちも分かっていて、どこからかタオルを持ってきて3人で振り回しまくったのもきっといつか一人で思い出すだろうか。この曲は本当にライヴ映像を観るようになって印象が変わった、すごく大事な曲になったのでいつまでも末永く歌い続けておくれよな。

M16:一雫

へえ……ここで……これをやるんだ…………(号泣)個人的には『プリズム』が聴きたかったんだけど、配信だったらこちらの方が落ち着いて聴けていいかもしれんなあと思った。こんなに聴く人の心に響いて残る曲を「一雫」なんて言っちゃう君がやっぱり好きだよ。でもハルラップはほんとおかんの顔になってしまうの陳謝したい。

M17:REUNION

イントロのピアノ、爆発するギター、全編通して鼓膜と脳みそをぶん殴ってくるボーカル!!新曲があまりにも出なさすぎて「今ならどんな曲がきても最新曲が最高傑作って言っちゃいそう」って思ってた一年だけど、この曲が現在の最高のポルノグラフィティだぞと胸を張って言える、そんな新曲がこの日のライヴで聴けてしまったわたしの心境を400字程度で述べろよ……本当にめっちゃかっこいいよこれ、終盤でもってくるのずるすぎでしょ。早く配信してくれもしくはCD出してくれ延々聴き続けてやるから覚悟してろよ

M18:ジレンマ

確かにこの曲を聴きたかったのに、これで終わりなのが悲しすぎて号泣した。泣いてばっかりで息も切れそうだったけどアルコールも入ってたしテンションもおかしいしでテレビの前で大暴れして踊りまくってしまったのをかすかに覚えているよ。現地にいたらきっと声を出さずにはいられないから、テレビの前で観れてよかったのかもしれない。でも、それでもやっぱりライヴで君たちに会えなければまだ死ねないな(死ぬ予定もないけど)、としみじみと感じた最後の曲だった。

全編通して、歌はアホみたいに上手いし、アレンジは痺れるほどかっこいいし、舞台演出はびびるほど丁寧で美しいし、選曲は響かないものがない完璧さだし、もしかしてポルノグラフィティ史上最高のライヴだったんじゃないか。春には劇場版も公開されるので、一昨年のしまなみロマンスポルノとあわせて是が非でも円盤化をお願いしたい所存であります。このライヴの物凄さを語りたかったのに、あの日に語彙を殺されてしまったみたいだからここまでにしとくね!!一日でも早くライヴに行ける日が来ますように、ポルノグラフィティの真骨頂はやっぱりライヴなんだと思った!ポルノグラフィティの全盛期は、これからなんだね!!!!!

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