説得力がやばすぎて受け取って飲み込むまでにパワーが必要なポルノグラフィティ岡野昭仁作詞作曲の曲

タイトルの通りなんですが、まあこの動画を観てください。もうすでに観た人はもう一度観ること。

説得力ありすぎると思いませんか。世の中に幾千幾万と存在するヴォーカリストの、その魅力って千差万別なんですが、ことヴォーカリスト岡野昭仁の魅力って間違いなくこの「説得力」だと思うんです。声の強さ、滑舌の良さ、通りやすさに裏付けされた「他者を納得させる歌」によって、歌詞をストレートにメロディに乗せて外耳から脳髄へ叩き込んでくるんですよ。初めて聴いたとき「あれ、わたし昭仁くんのこと『運命の人じゃない』って言ってふったっけ……?」って思いました。まじで。

カバー曲でさえこのすさまじさだから、岡野昭仁自身が作詞作曲した曲はもっと説得力がやばいんですよ。そんなわけで今回はタイトル通り一曲聴き通すのにすごくパワーが必要な、メンタルが元気なときじゃないと心身ともに重くなる(※個人の見解です)ポルノグラフィティの曲を選んでみたので是非一聴ください。


1.『ROLL』(2005)

前にも書いてただろうが!というツッコミはご容赦ください。好きすぎて死ぬ、歌詞全体が哲学のこの曲がわたしは最高に好きです。僕の愛が君に届いていないことに苛立ち、悲しみ、それを理解し、そして「ただひたすらに愛するだけでは届かない」ということに気づき、愛し方を変えていく。この曲は壮大すぎるラブストーリーで、こんなふうに愛されたら理解されたらきっとしあわせだろうと思わせてくれるのです。

CD音源ではどちらかというと丁寧に、優しく柔らかく歌われている印象だけど、最近のもっと強い歌い方で(できたらライヴで)聴けたらきっと卒倒する。わたしにとってすごくすごく大切な曲です。しまなみロマンスポルノの『ROLL』最高だったから本当にまじで映像化検討してくださいませんか!!!


2.『ワンモアタイム』(2011)

誰もが迷ったり悩んだりしている時期にこういう曲を世に送り出してくれるのすごいありがたいし、あの時に限らず今年だって、いつも「何か伝えなければならない」というスタンスで動いてくれる人たちだよなあとつくづく思う。あの時の悲しみや怒りをこの曲が解決してくれるわけではないけど、この強い声が、音が寄り添ってくれていた。個人的にはこの時期あまり音楽を聴かなかったんだけど、CDを買って歌詞を読んだとき「今こういう曲を出すんだ、すごいな」ってシンプルに感動した記憶がある。こういうメッセージ性の強い曲は、昭仁さんのどストレートな声が映える。何の小細工もせずいつまでもこの歌い方でいてほしい。

3.『Swing』(2001、シングル「ヴォイス」カップリング)

このときのわたしは弱冠14歳、それまでのポルノグラフィティとは違う雰囲気を感じながらも不思議と何度も何度も聴いた曲。彼女が何も言わずに飛び出していく理由も、「僕」が最初から諦めて彼女を追おうとしない理由もあの頃は分からなかった(し、今でも自分ならどちらもしないなと思う)。「僕」が恋が終わるシーンを冷静に見つめていて、何も言わずに飛び出していった彼女を責めることもしないのは「僕」なりの優しさなのか。その割に「もうここから生まれるものはない」って言っちゃってて、これ彼女だったら辛いな……と大人になってから聴いて思った。

4.『クリスマスのHide&Seek』(2017、アルバム「BUTTERFLY EFFECT」収録)


激苦暗重クリスマスソング……!!!えっえっなんでそんなに暗いの?!『Hard Days, Holy Night』の可愛いかんじどこいっちゃったの?!40代のクリスマスはそんななの?!?!とあわあわしてしまう。
アレンジ自体はそこまで重苦しくないので聴き流そうと思えば他の曲よりは聴き流せるけど、「クリスマス」「イルミネイト」「ふわふわ」みたいなキラキラしたイメージの言葉を並べてる割に聴こえてくる歌詞が暗いのダメージでかい。大切な人を満たせない空っぽの自分の対比としてクリスマスを持ってくるなんて昭仁さん人が悪いわ……そこがこの曲の魅力なんだけどさ……

5.『空蝉』(2007、アルバム「ポルノグラフィティ」収録)


エロいんだよ!!!!!!直球にエロいんだよ!!!!!!なんでだよ!!!!!!恥ずかしながらこの歌詞のエロさに気づいたの一昨日(2020年10月13日)の深夜だったんですけど、昨日一日中歌詞が頭から離れんかったけえね!責任取ってよ!!!
気づかなかった理由としては、昭仁さんの声がまっすぐすぎてまさかそんなことを歌ってるとは思ってなかったからじゃないですかね。いやエロいことを歌ったつもりの歌詞じゃなかったら本当にすみません。曲調がころころ変わるのでどこに耳をそばだてたらいいんか分からんなるがそこがいい。またいつか歌ってくれ。

6.『ロスト』(2010、アルバム「∠TRIGGER」収録)


これはテーマ自体が重いのでもう仕方ないけども、苦しい気持ちを吐き出すようなボーカルに引っ張られて心がずんと重くなる。アレンジも終始物悲しく、歌詞も寂しい思いが綴られているのでなんとも言葉にできないんだけど、今だったらもっと違う歌になるのかなと思っている。こういう気持ちは少しずつ変わっていく部分もあるだろうから。

7.『Rainbow』(2010、シングル「瞳の奥をのぞかせて」カップリング)


『君は100%』や『キング&クイーン』など、昭仁さんの作る応援歌は分かりやすいものが多いけど、これは分かりやすさに振り切ってなくて、駅伝のタイアップだったことを差し引いてもいい曲だと思う。応援歌シリーズの中でも特に背中を押してくれる力が強くて、サビの言葉を畳み掛けるようなメロディは、ほんとに虹がかかるみたいで好き。

8.『音のない森』(2003)


激暗重々ソング……ポルノグラフィティ最重じゃないだろうか。この曲の頃の記憶(家庭がごちゃごちゃしていた)が自分自身すっぽり抜けていて、歌詞は暗唱できるからきっと聴いてはいたんだろうけど何を思って聴いていたかあんまり思い出せない。たぶん当時から「重い曲だなあ」と思ってただろうけど。そういう個人的な理由もあってこの曲を聴くのがたぶんいちばんしんどい。あの頃の自分の置かれた状況を如実に歌ってる歌詞だなあと今読み返して思った。

9.『n.t.』(せっかくライヴ音源あるからこっちも聴いて!)


アルバム「雲をも掴む民」の原曲も粗削りで若々しくて本当に好きなんだけど、せっかくなので2019年バージョンも聴いてほしい。全く衰えを見せない、むしろパワーがアップしすぎてこっちが吹き飛ばされそうなくらいのボーカル。初めて聴いた中学生の頃、最後のサビの胸ぐらを掴まれるような問いかけに、大人になったら答えられるのだろうかと思ったりしたけど、別に大人になっても感情は爆発するしスタイリッシュになど振る舞えないので、まだまだ佞言は断てぬなあと思う今日この頃です。

10.『真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ』(2016)


昭仁さんこんな曲作れるんかすげえな、が初めて聴いた時の率直な感想だった。スピード感、詰め込まれたワードをさらさらと歌う流暢さ、あと何よりもかっこいい!すごいかっこいい!こういうのもっとやってほしい。
言葉数は多くて息継ぎができないくらいだけど、こんなにたくさんいろんなこと言われても結局は「なんも考えんと全力でやれ!」って背中を蹴り上げられてるみたいで、どうしてもテンションを上げたい朝にはぴったり。逆にそうでない時はしんどい。常に昭仁さんはライヴ終盤「自信持っていけ!胸張っていけ!」って言ってくれるけど、その楽曲版がこれ、ってかんじがしている。

11.『Fade away』(2017、アルバム「BUTTERFLY EFFECT」収録)


星屑が消えるように誰にも気付いて貰えない
Fade away 咽び泣いてるのに
命を削る音より嘲笑うやつらの声響く
何が正しい?見えない未来

ってあまりにも現実じみてて怖い表現だと思わないか。黒くてドロドロした感情の塊をぶつけられるようなメロディに苦しくなってしまう。昭仁さんは時々こういう真っ黒でネガティブな曲も作ってしまうのがやばすぎる。振り幅がえぐいし、そういう曲をアルバムの中でひとつ用意するのが自分の役目だとインタビューで言っちゃってるのすごすぎる。そして昔の曲のネガティブさと毛色が違うかんじがまた恐ろしい。まだまだ違う黒さが見たい。

おわりに
まだまだ他にもたくさんあるし言いきれてないことたくさんありそう。昭仁さんの書く歌詞には「運命(およびそれを連想させるワード)」が良く出てくるってどこかで見たけど、昭仁さんの声にはそういう既定のルートや既成概念をぶち壊していこうぜ、というパワーがあるので、重いことやしんどいこともいい意味で聴き流せるし、逆に重さをきちんと重さとして伝えてくる。だから同じ曲でもあるとき、ある場面、ある状況で激しくぶっ刺さってくるんじゃないか。それが彼の歌の、ポルノグラフィティの魅力なのではないかと強く感じています。

最後になったけど岡野昭仁さんお誕生日おめでとうございます!!これからもどうか健やかに幸福にお過ごしください!!そして時々歌をうたってくれてたらわたしはすごくしあわせです!!今後ともどうぞよろしくお願いいたします!!!大好きーーーーーーー!!!!!!!!

(今回選定から外した楽曲も含めてプレイリスト作りました!岡野昭仁の説得力に溺れたい人は是非聴いてくれ~!!!)

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