6月10日



「月曜日だけ早く出社すれば、
上司は君がやる気のある新人だと思うはずだよ」
と言った誰かの声が頭の中に響く。

だから日曜日はいつもより
15分早く目覚ましをセットする。

だけど、そんな誰かの言葉で起きられるはずもなく
今日も私はいつも通りの時間に起きた。

朝起きると絶望が始まる
死ぬ瞬間を想像する

だけどそれはそんなに
リアルなものじゃない

わたしは神童と呼ばれていたけれど、
お金にも不自由しなかったけれど、
幸せじゃない

幸せだと思えない

自由になるためには
犠牲を払わなければならないことに気がついて
積み上げだものを捨ててしまった恐ろしさに
向き合えずにいる

死にたいんじゃない。
死にたいわけじゃない。
ただ、死だけが私を私から解放してくれると
想像してしまっているだけ。

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