がん患者フリーターになる。
東京の端の端。いわば場末、と呼ばれる地域にある薄暗い市役所で
「非常勤採用試験」を受けた。
顔はきれいだがオスっけはゼロの「いかにも公務員」という感じの試験監督の青年がご丁寧に消しゴムのかすの捨て方までご指示くださった。
冴えない男だと思うけど、この場では
「非常勤試験に必死な人たちに指示を出す、正規職員の公務員」
だとおもうと光り輝く勝ち組に見えた。
受けに来ているのは中年期~初老というかんじのおじさんおばさんたち。
はい、普段は「お姉さん」と呼ばれたい私でも私もその一味で