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銀河鉄道

最終電車よりも少し前

小さい箱の中の世界をわざわざ覗くのも面倒で
大きい窓の外を見る

外の世界が真っ暗すぎて
全ての景色が平面的に見える

遠く遠くにあるはずの月は
息を吹いたら飛んでいくくらい近くに見えて

凄いスピードで見えなくなる線路沿いの家は
掴めないほど遠くに見える


二次元の世界をかけて
揺れるこのJRみやこ路快速は
どこかで銀河高速にでも変わったんだろうか

「この汽車、どこまで行くのかな?」

「きっとどこまでもだよ」

ってどこかからか聴こえたところで、
最寄駅に着いてしまった。


「僕たちの街」は、全然思い出せたし

この電車は死者を乗せてもいなかった

しっかり持ってたはずの切符は?

全然ICOCAだった。

不思議な夜だった。

銀河鉄道の夜だったかも。


放浪癖もち飽き性単位諦めがち注意散漫の限界大学生です