地方と関わるビジネスパーソンの心得①

僕が首都圏のビジネスパーソンと地方を繋ぐ仕事をするようになって7年。
2013年頃はまだ国家施策である地方創生も存在しなく、テレビ番組でもタレントが地方で活動する内容は多くなかった。その為、地方創生関連予算があるから地方での活動をしている人たちとは違う目線で地域に関わってきた経験が僕の強みだ。

都市部で暮らしている人が地方に行くと表面上は歓迎される。食べ物は美味しいし、景色は綺麗だし、時間はゆっくりと流れているし、一生ここで暮らしたい気持ちになる。そんな姿を地元の方々は喜ばしい姿で見ていて「いつでもおいでや〜。」なんて言葉もかけてくれる。自分の全てを承認してくれた気持ちになり「ここは僕の第二の故郷です!お母さん!」なんてことを言ってしまう。これは、農家民泊で数泊過ごしたら8割くらいの人が陥る状態。こんなシーンを数多く見ているので間違いない。僕も実際そうだった。

これは当たり前のことで、外から人が訪ねてくることが少ない地域ではお客さんが滞在している期間は非日常である為、色んなおもてなしをしてくれる。地域の人たちも自分たちの地域を見て喜んでくれる姿は嬉しいし、また来たいと言ってくれる人には好意的に接する。

ただ、この状態が永遠に続くことはない。大学生や高校生なら新入生の頃を、社会人の方であれば新入社員の頃を思い出して欲しい。お客様状態は永遠に続かない。つまり、地方でもお客様状態は永遠に続かないのだ。地域と関わるには何かしらの役割が求められると思うし、必要だと僕も思う。僕が経験してきた上で必要だと思うことを少し整理してみたい。

・自分は何で地方(地域)に関わっているのかを明確にする

まず、なぜ自分がこの地域に関わっているのかを明確に伝える必要がある。仕事で地域に関わる人にとっては特に重要。その際に気をつけなければならないのは会社の話だけに終始してしまうこと。その場合、地域の方々の心のシャッターは一瞬にして降りる。永遠に開かない場合も多い。

ビジネスパーソンを地域と繋いで活動をしていく際に一番苦労するのはここ。というのも、ビジネスパーソンになぜ今の仕事をしているのか?と聞いても考えたことがある人は意外と少ない。入社した会社で所属した部署の仕事だから。転職した先で与えられた仕事だから。おそらくこんな感じだと思う。しかし、地域で暮らす方々にとっては目の前の人の仕事なんて興味がなく、人としての部分を知りたい。どんな少年時代・学生時代を過ごし、社会に出て今はこんな活動をしている。その活動のやりがいは〜〜で、こんな夢を持っている。さらに課題もあって〜〜を解決したいと考えている。そんな中、地域に来るきっかけがあった。みなさんと話をしている中で、こんな気付きをもらえた。このようなテンポで進むことはあまりないが、人と人として対話をすることが重要。しかし、僕の印象として会社説明や商品説明、サービス説明、課題解決の方法を伝えることが上手いビジネスマンは多いが対話ができる方が少ないと感じる。相手の原体験を深掘りする経験が圧倒的に少ないのだ。

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