Smile
こんばんは!
倉木麻衣さんアルバムレビュー第3回目!(番外編を含めると5回目です!)
今回は(個人的に)待ちに待った
「Smile」をレビューしていきたいと思います!
何が待ちに待ったって、僕が倉木さんの、というかこの世に存在する僕の知っている音楽アルバムの中で1番好きな作品だからです!
アルバム概要
このアルバムは2017.2.15に、前作「OVER THE RAINBOW」から5年と1ヶ月ぶりにリリースされた(ベストアルバムを含むと2014.11.12リリースの「MAI KURAKI BEST 151A -LOVE&HOPE-」以来2年3ヶ月ぶり)オリジナルアルバムになります。
5年という月日の中、留学や、カンボジアでの慈善活動など、音楽以外のことで倉木さんが経験してきたことから得た、倉木さんのさまざまな思いが色濃く反映された作品になっています。
ちなみに、このアルバムの概要について某wikiには、
5年半で取り組んできた様々な活動、今までにない経験の数々が心情豊かに表現されており、音楽以外の活動をしたことで歌の表現力の幅も広がり、ストレートな歌詞の世界観際立つ曲が集結をし、色彩豊かなボーカルが堪能できデビュー作からコラボレートしてきたCYBERSOUNDチームをはじめ、国内外のトップクリエイターを起用し、音楽的なこだわりも存分に発揮された一枚に仕上がった作品
というように記載されておりました。
このアルバムの収録曲の12曲は、R&Bにバラード、ロックとバラエティに富んだラインナップですが、「Smile」というアルバムのテーマに合わせて、数十曲あった候補の中から絞り込まれて選ばれたそうです。現に、前作以降にリリースされたシングルや、ベストアルバムの新曲など、オリジナルアルバム未収録曲が多くなっていますし、次作「Let’s GOAL! 〜薔薇色の人生〜」に収録された楽曲の一部はこのアルバムの制作期間に出来上がった曲があるようです。まさに「Smile」というアルバムのために選りすぐりエリートな楽曲たちが集められたアルバムになっています。
また、このアルバムリリース時には、「全国スマイルキャンペーン」というリリースイベントが開催されました。内容は驚愕の「アルバムを買った人全員と倉木麻衣が、ツーショット自撮りをする」というとんでもなイベントでした。全国12会場で開催され、各地では自撮り会に加えて、収録曲についてのトーク会とミニライブまで行われるというサービスっぷりでした。倉木さん、本当に長い時間、お疲れ様でした。こんなことができるのは世界中どこ探しても倉木さんしかいないと思います。本当に尊敬します。
アルバムの方は初回限定盤と通常盤の2形態があり、どちらも倉木さんの「Smile」が満載なブックレットがバージョン違いでついていました。とにかく「Smile」に徹底的にこだわって作られたアルバムということがわかります。
またシングルで発売されていたのは12曲中3曲で、新曲が9曲(うち2〜3曲はCMタイアップやライブでの披露もありましたが)となっており、前作「OVER THE RAINBOW」までと比べると、この作品以降アルバムでの新曲は増加傾向にあります。
それでは、本編レビュー行きたいと思います!
とその前に一旦「まだあったんだ!」な2017年当時の「Smile」特設サイトを置いておきます。全曲試聴できるようになってます!
1.YESTERDAY LOVE
名探偵コナンのEDテーマ。2017年の1月にリリースされたシングルで、実質的にはこのアルバムの先行シングルです。(アルバムの発売発表がこのシングルリリースからマジで数日後でビビった記憶があります)
それよりも特筆すべきはこのシングルの形態です。通常盤は普通にDVD/Blu-rayシングルなんですが、初回限定盤は、"VRシングル"としてリリースされました。その名の通り、360°カメラを使ってMVが作られており、スマホなどでVRゴーグルを装着して、光の効果などが美しい臨場感溢れるMVを堪能することができます。そして、VRシングルというのは、日本初リリースという快挙でした。シングルのジャケットには新しいことに挑戦するという意味もあって、倉木さんの"姫カット"が披露されています。
配信以外でリリースされる作品は2014年のベストアルバム以来だったということもあり、かなり大がかりなプロモーションがあった印象です。作曲にも大物プロデューサーさんが関わっているようですし。
とまあ概要みたいなものをたらたら書いてしまいましたが、楽曲そのものとしては、とても良い曲だと思います。このようなクール系な曲は今までにもありましたが、疾走感だったり、重厚なアレンジのサウンドだったり、力強いボーカルだったりと、アルバムの1曲目として持っていたいもの全てを持っているような感じがします。
MVも光の演出とダンサーさんのダンスまで合わせて死ぬほどクールに仕上がっています。
歌詞の内容は「叶わぬ恋」がテーマになっており、直訳は「昨日の恋」、倉木さんのデビューシングル「Love, Day After Tomorrow」の「明後日も愛していてね」という意味と対比されたりしていました。切ない恋模様がメインに描かれていますが、決して後ろ向きではなく、前向きに生きる決意もみなぎっています。
「Smile」というアルバムでありながら「失恋」という切ないテーマから始まるという構成、何も知らなければ「???」というふうに感じるかもしれませんが、後ほど触れる「Smile」の意味を知ると、その精巧さに感動します。
2.ミステリーヒーロー
「YESTERDAY LOVE」と曲調は打って変わって、ピアノ一本で歌い上げるバラードですが、切ない楽曲なのは共通しています。ちなみにピアノバラードは「Let’s GOAL!」収録の「I will」もそうでしたが、どちらも徳永暁人さん作曲の楽曲です。(今後もう一曲徳永さんのピアノバラードが出てきます。笑)
歌詞の内容としては「YESTERDAY LOVE」同様に失恋のものに見えますが、必ずしも恋人ではなく、「大切な人との別れ」のようにも見えます。
曲調も合わせてかなり切なさMAXで、「Smile」という言葉と真逆なんじゃないかと思われるほどの楽曲です。ですがそれこそが、この曲がこの位置にあるという意味になっているんですよね。
3.硝子の微笑
微笑と書いてスマイルと読みます。タイトルにアルバム名「Smile」が入りましたが、曲調としては相変わらず切ないバラードになっています。
こちらは恋愛色は薄れて、「かけがえのない人との別れからどう立ち直るのか」ということがテーマになっています。
実はこのアルバムの制作期に倉木さんが"妹"として約14年間慕っていたボーダーコリーの愛犬「キャスパー」が亡くなってしまったんです。そんな悲しい出来事に直面した倉木さんの思いが1番色濃く出ている楽曲なのではないかと思います。
この曲のフレーズに「辛くても こらえてた涙が 今溢れ出て止まらなくなる 硝子の微笑」とあって、ここには「大切な人との別れ(死別)のような悲しいことがあったら、たまらなく泣きたくなるけれど、それでいては自分もダメになってしまうし、相手もきっともっと悲しんでしまう、だから涙ながらも笑っていたい」という思いがあるんじゃないかな、なんて思っています。
4.OPEN L♡VE
ユーキャン「スピーク・マスター」CMソング。倉木さんが実際「スピーク・マスター」に挑戦している映像なんかもありました。ここから少しずつ曲調が明るくなっていきます。今までが「別れ」の曲だったのに対してこの曲は「新たな出会い」を、事細かに描いた楽曲になっています。
「まだどうなるかわからないけど、きっと楽しいことが待ってるはず!」という不安混じりのドキドキ感が伝わってきます。
曲調としては可愛らしいサウンドで、倉木さんの声が映えるアレンジになっています。
正直、CMでサビだけ聞いたときは何とも思わなかったんですが、フルだと、AメロBメロサビの盛り上がりが予想以上によくて、結構お気に入りな曲です。ポップスとも少し違うような、R&Bをルーツにしている倉木さんらしい曲と言えるのかなと思います。
L♡VEの表記は以前レビューした「unconditional L♡VE」の時もあって、実は二度目の登場でした。実に倉木麻衣さん、という感じがしてよきですね。
5.SAWAGE☆LIFE
2016年に唯一リリースされた配信シングルで、名探偵コナンEDテーマです。ゆる〜いロックっていう感じの楽曲です。「Smile」を引っ提げて2017年に行われたツアータイトルは、この曲を文字って「SAWAGE☆LIVE」と名付けられました。(というかツアー開催が発表されたのは確か「YESTERDAY LOVE」リリース前だったので、当時の最新曲はこの曲でした)
最初聞いたときは「なんじゃこりゃ⁉︎ダサい(((((」とリアクションに困りました。ですが今となってはライブの定番曲で、なかなかいい味が出るようになってきて、「ライブを通して曲がファンと一緒に成長する」ということを肌で感じた曲でもあります。「s.a.w.a.g.e.life.」のところなんかはライブで振り付けがあったり、「明日は日曜日」のところは現実に当てはめて「明日は月曜日↓↓」と歌ってみたり、あとは「g.e.life」が「チキンライス」に聞こえる→ツアーのパンフレットで倉木さんが「s.a.w.a.」を指文字でやってる次のページではチキンライスを持っていたり、なんなら先述のリリースイベントの一部の公演では本当にチキンライスと歌ってしまったり、と遊び心満載な楽しい曲です。
でも歌詞は意外と辛辣なフレーズも飛び交っていて、「あー、今日も辛いことあったな。やらなきゃいけないこといっぱいあるな。どうしよう、まあ、でもどうにかなるかな。考えることは一旦やめて今は楽しもう!さあさあ、騒げ!騒げ!」みたいな内容です。笑
ポジティブな意味で「まあいいや!」と吹っ切れられる、そんな一曲になっています。
6.I Like It
アップテンポで盛り上がる曲が続いていきます。
こちらはラテン調の曲で、イントロの「タラッタッタッタッタ」が永遠と頭に染みついてクセになります。家で聞くときは絶対手拍子しますし、外で聞いてるときはどうしても足でリズムを取ってしまう、というくらいノリノリです。
ですが内容としては意外と泣けるメッセージが込められていて、端的にいうと、倉木さんからファンへ向けた、「いつも支えてくれてありがとう」のメッセージソングになっているんです。タイトルの「I Like It」の意味は「いいね!」で、理屈ではなく、フィーリングで"いい"と思ったものを大切にしていきたい、という意味も込められているようです。
「SAWAGE☆LIFE」と同じく、想像以上にライブで盛り上がる曲でしたね。
「ファンのみんなありがとう!」みたいな曲だとほっこり系の曲になるのかな?と思いきや、それとは裏腹に激しい曲調というこのギャップがもう虜ですね。(そろそろ語彙力喪失しそうで怖いです笑)
7.MY VICTORY
日本ユニシスバドミントン部の応援歌、もっとわかりやすく言うと、あのタカマツペアの応援歌です。2018年のエイプリル・フールには、倉木さんがバドミントン部に入部して、1人でタカマツペアを打ち負かすという本気の動画が配信されました。本編はこちら、メイキングはこちらです。なかなか興味深い映像になっているので、ぜひ見てみてください。ちなみに、倉木さんは体力づくりのためにランニングなどはしていて、以前紹介した「ZEROからハジメテ」のMVの撮影を機にスケボーを始めたそうですが、学生時代所属していた部活は全て文化部(合唱部、演劇部、美術部)で、スポーツ系はあまり得意ではないようです。笑
楽曲としてはノリノリEDMというところでしょうか。サビの「さぁ始めよう」のところで声が裏返るところがめっちゃ好きです。また、バドミントンを意識した歌詞も登場しています。僕自身スポーツをはじめ、大会などを前に何か物事に打ち込んだという経験はほとんどありませんが、もし今後そのようなことがあれば、この曲を聞いて頑張りたいと思います(?)。
8.Serendipity
JR西日本「山陽新幹線全線開業40周年記念 関西ブランディングプロモーション『あしたセレンディピティ』」CMソングです。こちらは2015年にリリースされた唯一の配信シングルで、年分倉木さん曰く、2015.16年は制作の年にしたかった、とのことで、ライブや新曲リリースがめちゃくちゃ少ないです。まあその期間を経て生まれたのがこのアルバムなので、本当に充実した時間を過ごされていたのではないかなと思います。
話を戻しまして、徳永暁人さん作曲の爽やポップスなこの曲は「"Serendipity"=素敵な偶然や予想外の発見に出会うこと」という言葉をテーマに制作されました。2015年には大阪にて倉木さんがサプライズで登場するフリーライブ(ライブの模様はこちらです)が開催され、このライブを見れた人はまさに「セレンディピティ」と言わんばかりのプロモーションもありましたね。ちなみに倉木さんが今まで経験した「セレンディピティ」な出来事は、「OVER THE RAINBOW」のツアー中、野外の公演で雨が降っていたとき、雨が上がって虹がかかったこと、だそうです。素敵ですよね。最も倉木さんは超晴れ女だそうで、確かに倉木さんのライブやイベントに(僕の父と一緒だったときさえ)傘を持って行った試しがないですね(台風で公演が"中止"になったことはありましたが、振替公演はしっかり行われて、そのときは無事晴れていたようです)。
話が逸れまくってますが、この「Serendipity」、タイアップ先がJR西日本なこともあって、歌詞に「旅」をイメージするワードが散りばめられていて、旅に出たくなるイメージがあったり、例によって珍しくYouTubeでフル配信されているMVでは、撮影に新幹線が使われたりと、僕的にも嬉しい内容でした。
9.Make that change
ここまでで徐々に温まってきたテンションを最高潮にぶち上げる、純ロック調な曲です。作曲は「Serendipity」に続き徳永暁人さんで、「ミステリーヒーロー」から数えて3曲目ですが、僕個人としてはこの曲が1番好きです。「薔薇色の人生」然り僕は徳永さんの曲はアッパーチューンが好きです。
倉木さんの楽曲では、倉木さん自身がコーラスを重ねることが多く、当初はこの曲もコーラスが入ったものになる予定だったのが、敢えてほとんどコーラスなしで、リード一本で歌い上げることにしたそうです。また倉木さんの歌声の新たな魅力が引き出された一曲になっているのではないでしょうか。とにかく熱い曲です。
歌詞の内容としては、「SAWAGE☆LIFE」から一貫して、「辛いことがあっても頑張ろう!」というのがまずあり、その上でこの楽曲では、「頑張りたい自分と頑張れない自分の葛藤、そんな自分を変えたいと思うけど、どうすればいいんだろう?とりあえず勇気を出して前へ一歩踏み出してみよう!」というメッセージを僕は感じました。
この解釈が、倉木さんが考えたものと同じかどうかはわかりませんが、何かしらのメッセージを受け取って、それを自分なりに吸収することができれば、正解なんじゃないかな、加えて、「伝わってる」ということを「伝え返す」ことこそ、最大の応援になるんじゃないかと僕は考えています。
10.Tell me why
アルバムも終盤に突入していきます。ロックやEDMなど盛り上がる曲が続き、「Make that change」でテンションが最高潮に到達したところでの「Tell me why」。この曲はR&B調のバラードです。
結論から先に言います。
この「Tell me why」は、倉木さんの全ての楽曲の中で、というか僕が知っているこの世に存在する歌の中で一番好きな曲です。
なので、この記事を目にした方には、この曲だけでもいいので、何としてでも聞いてみてほしいって思っています。
どんな曲かというと、(個人的見解として)歌声、歌詞、メロディ、サウンド、曲を構成する全ての要素において、いろんな楽曲で魅せられてきた倉木さんの"良さ"が存分に発揮されていて、余すところなく、"倉木さんらしさ"が詰まりに詰まって溢れ出ている一曲です。
まずボーカルについて、倉木さんのウィスパーボイスの真骨頂、透き通る歌声が沁みます。サビ付近高音の美しさもさることながら、Aメロの低めの声も、包み込んでくれるような温かさがあります。
そしてこの素敵なボーカルに倉木さんが書くストレートな詞が重なります。そこには「1人で悩むことと誰かと関わりを持つことに対する恐怖の葛藤、そんな中で少しの勇気を出したことで築き上げられた素敵な関係を何よりも大切にして、それが他愛のないものだとしてもも、たった1つのものでかけがえのないものであるからこれからも大切にしていきたい」、といった恋愛模様とも親友や仲間との関係とも、またそれ以外の大切な誰かとの関係にも当てはめることができる、"人と人との繋がり"を持つことの素晴らしさが描かれており、メロディの流れを最大限活かしながら、伝わりやすい英語と日本語で紡がれた言葉は優しく、でも力強く、倉木さんの歌声によって心の奥底まで届けられます。
そんな最高にマッチした歌声と歌詞をつなぐ繊細なメロディ、素朴でありながらメロディを輝かせ倉木さんの歌声を包み込んでいるサウンド、本当にどこを取っても、最高の一言に尽きます。
マジでこの曲に関しては語り出したら止まらなくて、いくらでも語彙力めちゃくちゃな文章で延々と書き続けてしまいそうなので、ここまでにしておきます。
ぜひこの曲だけでも、欲を言えば倉木麻衣さんの「Smile」というアルバムの10曲目として、一度アルバムを手に取って聞いてほしい曲です。
11.My way
あれだけ褒め尽くされてハードルを天高く上げた(あくまで個人の感想です)「Tell me why」、次にはどんな曲が来るのだろうかと、とんでもない期待を背負ってしまった11曲目ですが、そこから尻すぼむどころか、「Tell me why」を超えんばかりの勢いで、ハイクオリティの楽曲が続きます。
この曲は2015年のシンフォニックライブで初披露されて以来、2年越しの音源化となった、美しいピアノイントロから始まる王道バラードです。
最後の総評のところで詳しく書きますが、マジでどこを取っても女神の曲順となっている「Smile」ですが、中でも「Tell me why」とこの「My way」の並びはいくらなんでもやりすぎっていうくらい強すぎなんですよ。
比較的音符の数が多い曲が続いていましたが、この曲は「ミステリーヒーロー」と並んで長音の伸びが魅力的なバラードで、「Tell me why」と比べると、倉木さんの歌声の幅広さに驚かされます。
そして美しい歌声が映える同じピアノバラードの「ミステリーヒーロー」と比べても、「同じ人が歌ってるの⁉︎」って思うくらい表現に違いがあるんですよね。
内容はタイトル通り「自分の道を信じて」、たった一言で言い表せる内容ですが、この一言に倉木さんのたくさんの愛が詰まっているように感じます。とにかく前向きな言葉がたくさんあって、いろんな人に寄り添い背中を押してくれる、そんなあたたかい歌だと思います。
12.きみへのうた
JICA「青年海外協力隊」CMソング。最後の12曲目は、倉木さんらしく、そしてまさに"ラスト"らしくR&B風の応援歌「きみへのうた」で締めくくられます。
「今まで辛いことや苦しいことも、楽しいことや嬉しいこともたくさんあったよね。きっとこの先もいろんなことがあって、自分の夢を叶えるのは大変だけれど、少しずつでも前に進めば、きっと何かが変わって、叶えられるよ」
というようなメッセージかな、と思います。
まさにここまでの11曲分の気持ちを振り返りつつ、また次の一歩へ繋いでいく、そんな「"新たな始まり"を祝ってきみへのうたを送っている」ような楽曲になっているのではないでしょうか。
この曲で1番多く出てくるフレーズは
「君が変わって夢へ近づく」
というフレーズで、このアルバムの「Smile」というテーマがどういう意味なのか、ということの1つのアンサーソングにもなっていると思います。
あと12曲中唯一タイトルが歌詞に出てこない曲なんです。この曲を、このアルバムを通して、「きみ」へ「Smile」という伝えたいことが伝わるから「きみへのうた」なんじゃないか、なんなら12曲分、「きみへ届けたい思いの全て」というアルバムの裏タイトルでもあるんじゃないかなと、いろいろ考えますが、いずれにせよ、この「きみへのうた」を「YESTERDAY LOVE」からの12曲の流れの最後に持ってくるという、倉木さんのセンスはやっぱり間違いないですね。
初回限定盤Bonus track
「I Like It -Remix-」
6曲目「I Like It」のリミックス版です。
オリジナル版にあったラテン色が薄まって(というかほぼ0)、R&BとEDMの中間くらいの爽やかサウンドになりました。
普通にいい感じではありますが、これがオリジナルじゃなくてよかったなあとも思います。笑
本当にオマケという感じですが、、、。
ツッコミどころがあるとしたら、初回限定盤の唯一の特典としてはいかんせんパワーが足りないのと、わざわざCDを2枚にわけたのはなぜ?というところでしょうか、、、笑。
Ex.SAWAGE☆LIVE
2017年春に「Smile」のアルバムを引っ提げて開催された、僕が初めて参加した倉木さんのツアーでした。
思い入れも強く、楽しかったのでセットリストだけバーっと書いておきます。僕個人のイチオシのライブ映像なので、もし倉木さんのライブDVDを買う予定がおありなら、こちらをオススメします。
-OP-
(倉木さん、ライダースーツ姿でダンサーと共に登場)
1.Make that change
2.SAWAGE☆LIFE
3.Love, Day After Tomorrow
4.I Like It
5.OPEN L♡VE
6.Tell me why
-ドキュメント映像(chance for you)-
(倉木さん、ドレス姿で登場)
7.ミステリーヒーロー
8.硝子の微笑
-MC-
9.My way
10.Stay by my side
-コナンの映像-
(倉木さん、「SAWAGE☆LIFE」の映像で蘭や園子たちが来ていた衣装を着て登場)
~コナンの映像と共にコナンメドレー~
11.Secret of my heart
12.Time after time ~花舞う街で~
13.風のららら
-バンドパート-
(倉木さんとダンサーズが「SAWAGE☆LIFE」の映像でコナンたちが来ていた衣装で登場)
14.PUZZLE
15.Growing of my heart
16.DYNAMITE
17.YESTERDAY LOVE
-倉木さんと同じ事務所(?)の後輩の女性ダンス&ボーカル「La Pon Pom」登場(現在は解散)-
18.一秒ごとにLove for you(with La Pon Pom)
19.MY VICTORY
20.SAWAGE☆LIFE
-本編終了-
-ENCORE-
(倉木さん、和風の衣装で登場)
EN1.渡月橋〜君想ふ〜
-「渡月橋〜君想ふ〜」MVフルで放映(DVD、Blu-rayではカット)-
-MC-
-青森県のゆるキャラ「にゃんごすたー」登場-
EN2.Stand Up(にゃんごすたーがドラム演奏)
EN3.Serendipity
-MC-
EN4.きみへのうた
EN5.always (出演者全員集合)
総評
R&Bにバラード、ロックにEDM、本当に様々な楽曲があり、そこでこれ以前のアルバムよりさらに幅広くなった倉木さんの歌声の魅力が詰まっており、聞き応え抜群な1枚です。
それだけバラエティに富んでいながら、アルバムとしてのまとまりはしっかりあり、それぞれの曲がお互いの良さを引き出しあっています。
アルバムを3曲ずつ、"起"・"承"・"転"・"結"の4パートに分けると区切れがめちゃくちゃスッキリわかれることや、バラード、ロックの曲の並びが上下対称(?)になっている点なんかも、美しい並びの一因だと思います。
またメッセージ性も強く、アルバム全体を通して、倉木さんの描く「Smile」が伝えられています。それはただ"笑顔"でいることだけではなく、
「悲しみや涙を乗り越えた先に得られる素敵なもの」であるということ、珠玉の12曲が織りなすストーリーです。
失恋(=YESTERDAY LOVE)や大切な人との別れ(=ミステリーヒーロー)、死別、そんな悲しい出来事は生きていれば必ず訪れてしまうもので、それを乗り越えようとするために何とか笑おうとするけどなかなか上手くいかない(=硝子の微笑)、そこで一度立ち止まってしまうけれど、別れがあれば素敵な出会いもある(=OPEN L♡VE)、そんなきっかけからいろんなことに挑戦してみよう!と前へ進む決意ができる。
そこから、今をとにかく楽しむこと(=SAWAGE☆LIFE)、大切な人に感謝の気持ちを伝えること(=I Like It)、何かに打ち込んで勝利をつかむこと(=MU VICTORY)、旅に出てみていろんなことに触れること(=Serendipity)、いろんな出来事を経験して少しずつ前を向いて"笑顔"になれることを知る。そこで得たものを勇気の源にして、今までの自分を変えるために挑戦をはじめてみる(=Make that change)と、今まで見ることができなかった景色が見えてくる。新たな挑戦はわからないことだらけで不安になってしまったり、自分に自信がなくなってしまうことも。そんな時、そばにいてくれる人が支えてくれること(=Tell me why)や、今まで自分が生きてやってきたことには無駄なことはなく、全てが自分を作る要素になっていること(=My way)に気づくことができる。そんな存在が「Smile」に変わっていき、大切なつながりがあるからまた前を向いて歩み出すことができる(=きみへのうた)…。
僕なりにこの「Smile」の物語を一曲一曲丁寧に当てはめてまとめてみました。
本当にどの曲も欠けてはいけない、この並び順が最高で、倉木さんの音楽性の魅力もかつてないほど限界まで引き出された、まさに完璧すぎる神的アルバムだと思っています。
最後に
というわけで、倉木さんの11枚目のオリジナルアルバム「Smile」のレビューをしてみました。
好きが止まらず熱く語りすぎてしまい、気づけば1万字を越える超長文記事になってしまいました…
ですが、「Smile」の魅力は充分にお伝えできたのではないかと思います。
改めて、ネットを漁っていたら見つかった、このアルバムの収録曲全てが試聴できる「Smile」特設サイトを貼っておくので、ぜひ一度覗いてみてください^_^
長くなってしまいましたが、そろそろ終わろうと思います。
ちなみに倉木さんのアルバムレビューシリーズは、倉木さんの1stアルバム「delicious way」まで逆時系列順で続けるつもりですが、次回からは僕がリアルタイムで追ってない時期になるので、だいぶあっさりめになると思います。笑
というわけでありがとうございました😊
また次回、お会いしましょ〜^_^
もしよろしければサポートよろしくお願いします。サポートでいただいたものは何か新しいことに挑戦するときに使わせていただきたいと思います。