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新入生に送るお薦め書籍part2~世界観が深まるマンガ

リバイバル企画の新入生へ向けたお薦め本特集第2弾です。

今回は、世界観が深まったり、社会や政治、経済の知識がついたりするマンガを5シリーズお届けします。

ぜひ、「大人買い」して一気読みすることをおすすめします。あるいは、ネットカフェに篭って読み込むかですね。

①宮崎駿『風の谷のナウシカ「トルメキア戦役」バージョン』
映画「風の谷のナウシカ」の原作本です。

アニメ版のラストシーンからさらに物語が深まり、壮大なスケールで展開され、ナウシカが究極の選択を迫られていきます。環境問題、政治、戦争、遺伝子工学まで今日的な論点をすべてマンガでカバーするという偉業を達成した作品です。7巻セットで3000円を切る価格帯もすばらしい理由です。

②かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』
冷戦終結の前後に連載された、軍事・政治サスペンスマンガです。

主人公の海江田艦長が原子力潜水艦「やまと」を乗っ取り、独立宣言を行うところから始まった2ヶ月間の物語です。核兵器問題、安全保障、国連、政治などについて、基礎的な知識も織り交ぜながら、どういう構想が描けるかを著者自身が苦闘しながら書いています。こういう分野に興味がある方は、ぜひ!

③手塚治虫『火の鳥』
手塚治虫の言わずと知れた代表作です。

不死鳥である「火の鳥」をめぐって、古代から未来、さらには宇宙をも視野に入れて人類が苦しみながら、さまざまなことに答えを出していく。死生観や世界観を揺さぶられながら、深く考え直すことのできる作品です。

④天王寺大・郷力也『ミナミの帝王』
1シリーズはアウトロー物を、ということでセレクションしました。

大阪の繁華街・ミナミを中心にトイチ(10日で1割)の金貸し、萬田銀次郎が徹底的に取り立てる姿を描いている作品です。しかし、実は法律や金融の知識、巨悪との戦い方などがマンガで分かる作品としての意味合いを持っています。まだ連載中で、最新の時事問題をきちんと踏まえた取材力には脱帽します。

※若干、セクシャルな表現や暴力的な部分があるので、そういうところに抵抗感がある人は止めた方がいいです。

⑤かわぐちかいじ『太陽の黙示録』
東日本大震災の直後だったからこそ、あるいは現状の米中対立の中だからこそ、そして日本人について考える上でも、読むべき作品です。

大地震と火山噴火によって、地理的にも政治的にも南北に分断されてしまった日本。その日本を米中などの大国のパワーゲーム、さらには独裁的な権力者と戦いながら懸命に再建しようと志した2人の若者がいた。2人の若者を軸に、かわぐちかいじ得意の群像劇で描く超大作。東日本大震災の直前に完結していた、この作品の驚異的な先見性と深さには感動しかありません。

こちらの新入生本企画は、3日に1回更新予定です。次は、5月9日を予定しています!

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