「舞い上がれ!」〜発達障害児の運動会〜
おそらくちゃんとした運動会はこれが、初めてだ。
2歳の時は、体操では私から離れることができず、かけっこでは列に並べない。
あの時、みんなと同じことをしない。
ちょっぴりゆっくりなだけだと思っていた息子。
それが「これは、ゆっくりなんかじゃない、発達障害だ」と強く認識した瞬間だった。
5歳ごろになってようやく発語が出てきた次男。定型発達の他の子供たちに比べると先生の話す言葉の理解や指示がまだ理解できない場面も多くある。
年長さんになって行われる運動会となると、園によっても違うが、最高学年として求められるものも大きくなりがちだ。
今の園になって、行きしぶりもなく楽しく通えてたくさん成長していても心配だった。
しかし、園の最初の面談の時に、園側と約束をしていた。
聞き取りと私の愚痴に近い話も長々傾聴してもらった後、先生から発せられた言葉は、「今までの経緯などわかりました。ただ、預けた後は、僕らを信用して任せてほしい、もちろん何か思うところなどあれば言ってください」と。
「任せます。お願いします。」とこのやりとりがあったからこそ、不安なことも全部先生方を信じ、そして、息子を信じて送り出した。
1、運動会当日までの配慮
かけっこや体操、縦割り保育をしているので3歳から6歳までのクラスでのバトンリレー、年長さんだけの組体操など。
段々とやることがわかって来ればくるほど、大丈夫なのか??と心配になる。
できてますよ!とノートに書かれているものの本当か?と。
そう考えていると、今日はこんなことしましたと写真付きで張り出しがある。
ちゃんと、走っている、並んでいる、太鼓を叩いている。
驚きだ。絶句だ。
できるんだ!環境が整えば、できるようになるんだ!!
運動会前日のノートに
「転んでも失敗じゃない、負けてもそんなこともあるよ」
ということをお家でもお話してあげてくださいと記入されていた。
息子がどれだけ聞いてくれたかは分からないが、呪文のようにお話した。
2、運動会当日
何事もないように、整列し、準備体操、かけっこ、リレー、組体操などするりとやってのけていたことにただただ驚きだった。
途中、組体操でペアの子との掛け合いができず、一人残されていたがパニックにならず続けていた。
とっさの判断もできるようになっている事も嬉しい。
弱視がわかり眼鏡をかけるようになってからは、よく周りを見るようになった。そして、真似をするのもできるようになっていった。
弱視の発見が遅れたことは、目の検査ができなかったことが大きい。メガネのように支援する手立てがあれば力を発揮できることを知る。
最後に
発達障害児を持つ親にとって、運動会や発表会はいわば他の子と比べてできていない事をあからさまに感じる場所でもある。私は、今までそうだった。
だからこそ、「運動会や発表会は出たい人だけ出ればいいのに!」と思う気持ちがあった。
私自身が運動会が嫌いだった。
決して、運動が苦手だったわけではない。なんとなく、1番にならなくちゃというプレッシャーで緊張し毎回押し潰されていた。
頑張らなきゃと思うとパフォーマンスが発揮されないのは昔からのようだ。
今回の運動会での発見は息子は、本番に強いタイプのようだ。
緊張する!と言いながらも、やってのけていた。
彼の強みを母親として、これからも近くで応援し伸ばせる環境を作っていきたい
きっと、それが、親しかできない役目だと感じている。
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