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小説 「つくね小隊、応答せよ、」

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第二次世界大戦末期。 東南アジアの、とある島。 米軍の猛攻により、日本軍は転戦(撤退)し続け、日本兵たちは、ちりじりに離散した。 そんな中出会った別々の部隊の若い日本兵の3人、…
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#阿波狸合戦

「つくね小隊、応答せよ、」(廿)

天狗は深々とお辞儀をして、黒い羽をゆっくりと広げ、羽で作られた団扇を取り出しました。 「…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿三) 

「…大将、ちょっと…大将」 「ん?なに?」 「いや、ん、なに?じゃなくて。どうするんすか…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿四)

兄、九右衛門、片頬で、にやりと笑います。 「六右衛門さまの顔に泥をぬっときながら、何事も…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿六)

「そしたらそこに、大将が現れたのよ。 俺より年下。しかも小柄。そのくせ、大熊を見てもびび…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿七)

「あ!ありゃ!おらのおっとおの出した炎の色だ!」 熊鷹がそう叫ぶと、藪だぬきたちは、おお…

「つくね小隊、応答せよ、」(廿八)

10Bのえんぴつで塗りつぶしたような色の森の向こうに、太陽がゆっくりと沈んで行った。 島…

「つくね小隊、応答せよ、」(29)

「金長の旦那!きいたぜ!大鷹がやられたってな…ちっくしょう六右衛門のやろうめっ!力にものを言わせて汚えことしやがって!!この庚申新八っ、旦那の方につくぜ!!!」 はちまきを巻き、体格がよく、大きな槍を構えたこのたぬき。 佐古の庚申さまの社に住みついておるたぬきで、庚申新八と呼ばれております。 「大鷹とは姉と弟みたいなもんだよっ!弟やられて、黙ってる姉貴がどこにいんだいっ!金長さんっ!あたいもこっちにつくよっ!四天王だが天然痘だか知んないけど、そいつらの金玉ねじ切って提灯

「つくね小隊、応答せよ、」(30)

金長方、総勢400匹。 金長を筆頭に、 小鷹 熊鷹 庚申新八 臨江寺のお松 衛門三郎 田…

「つくね小隊、応答せよ、」(33)

小鷹、熊鷹、左右から同時に、作右衛門に飛びかかりました。 すると作右衛門、斬りかかってく…

「つくね小隊、応答せよ、」(34)

二匹の作右衛門が大声で笑いながら、怒り狂った猫のように刀を乱暴に振り、小鷹、熊鷹へ斬撃を…

「つくね小隊、応答せよ、」(35)

刀は、作右衛門と同時に、作右衛門の動きを封じていた熊鷹も貫いています。小鷹は恐る恐る、刀…