「つくね小隊、応答せよ、」(伍)
「…で?娘は、食われたのか?」
夜の闇の中で、仲村が訊く。
「ああ、そうだな。食われた。おそらくは、そのもぐらみたいな感じじゃねえか?」
清水がモグラを顎で指し示す。先程食べたモグラの骨の残骸が、地面に転がっている。背骨に肋骨に骨盤。
すると仲村は、そのモグラの骨に手を合わせ、なんまんだぶなんまんだぶ、と神妙につぶやいた。
「おい、清水、その、台詞とか、描写とかは、ほんとに昔話そのものなのか?昔話っていうよりまるで活動写真みてえじゃねえか」
渡邉が身を乗り出して清