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PE業界に入るのにMBAへ行く意味があるのか

 よく質問されるので、私なりの回答を一度まとめてみたいと思います。

 ここではMBA=グローバルトップ20のMBAと定義します。基本的にMBA保持を理由として、採用されるケースはかなり珍しいと思います。ただし、やはりMBAを保有することのメリットは多少なりともあると感じます。費用に合うか?については円安&学費高の昨今、議論はあるかと思いますが、社費/私費、学費、奨学金の有無などによるのでここでは議論の対象外とします。

選考過程におけるMBAのメリット

 選考過程においては自分と一緒に働くジュニアとして十分な資質があるか、という点で見ます。具体的には2点メリットが考えられます。
 1つは英語ができる、というサポート材料。特に現在、採用ポジションと同テニュアに英語ができる人材が少ない場合は加点のチャンスです。投資委員会対応、海外LP対応などで英語が必要な場面はあります。そうした時に少なくともコミュニケーション面で仕事を安心して任せられるメンバーがいることはポイントとなります。
 2つ目は頭が悪くなく、入学・卒業に足る努力ができるという証明です。もし大学の学歴が早慶未満の場合は、こちらで補填するのも1つの手だといえます。なお、こちらの究極のやり方が有名スクールで成績優秀者となることですね。一時期、EQTではHBSの成績優秀者ばかりを採用している、という噂が流れていましたね
 3つ目は例外ですが、採用責任者や面接官が同スクールの卒業生だとポイントが高いようです
 また、デメリットをあげると、年齢の割に業務経験が浅くなることがあげられます。

入社後、昇進におけるMBAのメリット

 基本的にはNice to haveです。ただし、外資系、日系問わず、パートナー/MD、ディレクター/プリンシパルクラスになると英語は必須になってきます。外資では投資委員会での説明、日系でも海外投資家との共同投資、LP説明などで英語を使う機会は増えていきます。そうした際に有名スクールのMBAホルダーであれば多少下駄を履かせもらえることがあります。当然ながら、海外では無名の日本の有名大学卒より、欧米のトップスクールを出ている方が評価、信頼されやすいわけです。また、人よってはつらい海外LPとのカクテルセッションもそうした話題で乗り切りやすいという話はよくききます。
 加えて、PE業界でのMBAアラムナイパーティ、ゴルフ界が縁でFund to Fundの転職につながる事例も聞いたことがあります。狙ってとれる機会ではないと思いますが、MBA効果の一面として認識してもいいかと思います。

最後に

 MBA取得はPE業界に入るにあたり、いるいらない、では判断が難しいと思います。各人のキャリアのタイムライン、価値観を考えて、短期的な視野にとらわれず、中長期で考え抜き、最後は出した答えを自身で正解にするよりないですね。それでは素晴らしいPEライフを!

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