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夢と狂気の異端作家、ヘンリー・ダーガーについて1

 1973年4月13日、アメリカ・シカゴで一人の老人が息を引き取った。彼の名前はヘンリー・ジョセフ・ダーガー・ジュニア(Henry Joseph Darger, Jr.)。享年81歳。  生前の彼は全く目立たない老人だったという。病院の掃除夫を長年務め、生涯独身のままだった。  何よりもダーガーの生活は貧しく、近隣の住民からはゴミ捨て場を漁る姿を何度も目撃された事から浮浪者だと思われていた。  そんな彼の死後、住んでいたアパートの一室の整理を始めた大家のネイサン・ライナーは

    • 雑録1 ヘミングウェイ『移動祝祭日』

      もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ。―― アーネスト・ヘミングウェイ  高見浩 訳(新潮文庫) 冒頭、こんなカッコいい文章から始まる物語は「移動祝祭日」(1964年出版)は、ヘミングウェイが若き日に過ごしたパリの日々を綴った作品だ。(※現在では第三者が加筆した・・・という話があるが。) ・・・それは、ともかく。 誰しも、何かしら冒頭の文に心当たりがある筈だ。 いや、誰し

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