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Canon「EOS R」で陸上競技を撮ってみた話⑤軽いかどうかじゃない。持ちやすいかどうかだ。

みなさんこんばんは、まつです。

2回目で触れたカメラの重さの話に、陸上とラグビーが好きで写真がめちゃめちゃ上手いフォロワーさんが反応してくださりました。だからこそ再び重さの話に触れる今回は、このタイトルです。

そうです。昨年日本中が沸いたラグビーワールドカッブ2019のキャッチコピー、

「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」

のオマージュ(のつもり)です。

超余談ですが昨年末、勤務先の忘年会でスライドに映し出された一言が「4年に一度じゃない。1年に一度だ。」

いや元よりショボくなってるやん。

さて、そんな訳で今回はラグビーワールドカップで大活躍したラグビー日本代表主将リーチ・マイケル選手の……

ではなく、EOS Rで陸上撮ったよシリーズの5回目です。

前回まではこちら
第1回→フルサイズに惹かれた日のこと
第2回→なぜEOS Rを選んだのか
第3回→大惨敗のデビュー戦
第4回→暗さも遠さも怖くなくなった

フルサイズ×ナナニッパの贅沢装備で北の大地へ@2019年7月17日 ホクレンディスタンスチャレンジ北見大会

昨年、現地観戦7年目にして初めて、ホクレンディスタンスチャレンジに行くことを決めました。
行くことを決めた経緯やホクレン観戦の感想などは、機会があれば別の投稿で書きたいと思います。

行き先は7月17日開催の北見大会。観戦する上で気がかりだったのが「競技場の暗さ」です。

Twitterで過去の北見大会のナイター写真を検索してみると、ナイター照明がほぼなく真っ暗な写真が出てきてしまいました。

4月の平国以降も5月の法大記録会、6月の日体大記録会などでナイター撮影をし、いずれも充分な明るさで撮れました。しかし私が使用している「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」は、望遠側がF5.6と決して明るいレンズではありません。

「せっかく北海道まで行くのに全然写真撮れなかったらどうしよう」と不安に感じた私はある行動に出ます。

レンズのレンタル」です。

借りたレンズは「EF70-200mm F2.8L IS II USM」。
https://cweb.canon.jp/ef/lineup/tele-zoom/ef70-200-f28l-is-ii/

でかいです。いかついです。こんなん使いこなせるのかと、借りてから若干不安でした。

焦点距離が70〜200mm、開放絞りの最小値がF2.8のいわゆる「ナナニッパ」と言われるレンズ。
発売から約10年近く経ち、後継機種が発売された今でも実勢価格が22万円ほどする、Canonの人気レンズです。

この高価なレンズを、なんと! 一泊たったの2,000円ぽっきりで借りられるレンタル店を見つけてしまい、借りてしまいました(後日カメラのサブスクと絡めてこのレンタル店の話も投稿する予定です)。

ただこのレンズ、重さが1,490gもあります。いつも使用している70-300mmの約2倍です。
ボディ、アダプターを合わせた総重量は驚異の2,260g

それでも、EOS Rで約3ヶ月撮影をして以前のような手の痺れを感じたことが一度もなく、なんとなくいける気がしていました。

めちゃめちゃテンションが上がった光景。

さあ人生初のホクレン、人生初のフルサイズ×ナナニッパというプロユース装備での観戦の幕開けです。

SS:1/1600 F:2.8 ISO:250
男子2000mSCで日本新を見ちゃいました。楠康成選手(阿見アスリートクラブ)。水濠では小さな水飛沫まで鮮明に映せています。

SS:1/1000 F:2.8 ISO:640
撮影時刻を見ると17時49分。7月とはいえこの時間でも、ISO640で明るく撮れます。

SS:1/800 F:2.8 ISO:1000
18時32分、夕暮れどきです。まだISO1000でSS1/800を確保できます。競技場にもよりますが、APS-C時代はこの時間帯ISO3200、SS1/500程度必要だった気がします。

SS:1/400 F:2.8 ISO:12800
19時21分、完全に日が落ちました。1時間足らずで一気にISOが跳ね上がりましたが、なんとか撮れています。修正なしでも自然に色が乗ってて、自分好みの写真です。

はい、フルサイズ×ナナニッパ、最高でした。

明るさはもちろん、70-300mmと比べると細部までシャープだし、色が気持ち濃いめに乗って綺麗なんです。

そして2,260gという重さでありながら、4時間を超える観戦のあとも最後まで手の痺れがありませんでした。
ただこのときはまだ、その理由を考えるには至りませんでした。

100-400mm望遠レンズvs長良川競技場スタンド@2019年9月12日~15日 日本インカレ

まだ残っている課題は、関カレで解決しきれなかった「スタンドから撮る短距離種目は遠いこと」です。

ホクレンでの経験を経て、9月の日本インカレではこんなレンズを借りてみました。

「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」

第2回のレンズ選択の際に「純正は高すぎて無理っす」とあっさり諦めたCanon純正の100-400mm望遠ズームです。

こちらもホクレンのナナニッパと同じく、実勢価格22万円程度の高価なレンズで重さはナナニッパよりも更に100g近く重い1570g。

それでも、もう重さは気にならなくなってきたので、前述のレンタル店で4泊5日1万円で借りてみました。

400mmをクロップすると645mm相当。流石にこれくらいあればスタンドからでもいける気がしていました。

それでは、実際に撮れた写真です。

SS:1/1250 F:6.3 ISO:1600
110mH9台目をゴール側サイドスタンドから。結構な距離ですが、割と余裕があります。

SS:1/800 F:5.6 ISO:640
メインスタンドからだとクロップなしの270mmで届きました。フルサイズで撮ると細部まで繊細に写す、このレンズの良さがより活きます。

SS:1/1250 F:6.3 ISO:400
正面から狙える三段や幅といった跳躍種目は、レンズの望遠側を使うことによる背景ボケ効果も加わり、相性がいい種目と思っています。

SS:1/500 F:6.3 ISO:5000
ナイター照明の明るさもあり、19時過ぎのマイル予選もいいかんじです。

SS:1/1250 F:6.3 ISO:400
サイドスタンド正面から400mH、8レーン4台目の距離で充分いけます。この距離が撮れたらもう怖いものはない気がします。

SS:1/800 F:5.6 ISO:800
バックスタンド前で行われた棒高跳の選手紹介を、メインスタンドから狙うという荒業もできます(流石に遠いですが)。

距離の問題も無事クリアです。レンタル品ですけどね。
思いどおりにサクサク撮れて、めちゃめちゃ楽しかったです。

重たいレンズをつけても平気なのは、「持ちやすい」から

さて、これは時系列でいうと投稿を書いている今現在のお話です。

ホクレン、日本インカレと重いレンズで撮影していた当時はまだ、何故それが可能だったのかは分かっていませんでした。

しかし、最近になってようやくその理由が判明しました。

まずは、こちらの画像をご覧ください。

画像左がEOS R、右がPENTAX「K-3Ⅱ」

2つの機種の違い、分かりますか?

自分から聞いておいてあれですが、この画像だけ見て何が言いたいか分かったら相当なカメラ通だと思います。笑

それでは、分かりやすい画像です。

画像上がPENTAX「K-3Ⅱ」、下がEOS R

注目していただきたいのは「グリップ部の構造」です。

以前使っていたPENTAX「K-3Ⅱ」が56mmなのに対して、「EOS R」は65mmと、約9mmの差があります。僅かな差ですが、この差は決定的な違いを生みます。

「カメラを持つときに、『小指』を使えるかどうか」です。

グリップ部が長いEOS Rは5本すべての指、つまり手のひら全体で支えられますが、K-3Ⅱは小指以外の4本で支えなければなりません。

レンズをつけない状態で改めて持ってみると、EOS Rはがっしりと掴むことができます。

一方のK-3Ⅱ。4本の指でボディを持ち力を加えようとすると、違和感のある力み方になってしまいます。このまま力を入れ続けたら、指が痛くなりそうな、なんとも嫌な違和感です。

K-3Ⅱでの撮影では疲れて、EOS Rに重いレンズをつけなくても疲れなかった理由。それは、グリップ部の構造の違いにあったのです。

ただし、持ち運びなどの利便性まで加味すると、カメラもレンズも軽いに越したことはありません。
私は普段カメラ用のリュックを使っていますが、重いレンズの負担は肩にダイレクトアタックしてきます。笑

次回、ようやく最終回。5回に分けて書いてきたことの総復習を予定しています。最後までお付き合いいただけたらうれしいです!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!