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これぞカタルシス!見事なミステリー「ロストボディ」

最後まで犯人が分からない、そして最後の数分ですべての謎が氷解すると言うのが見事なミステリーであろう。謎解きが複雑すぎると観ている者は鼻白むわけで、謎すなわち動機と過程はシンプルなほど良い。これは良い手品ほど種や仕掛けが拍子抜けするほど簡単なことに似ている、と筆者は思う。優れたミステリーにネタばらしすることほど無粋な行為は無いのであらすじを書いたりはしないが、この駄文をたまさか読んで、よし観てみようと興味喚起されるならば本望なので、ちょっとだけ。ホセ・コロナド演ずる主人公がいかにも老練な警部という雰囲気で、チェーンスモーカー気味に喫煙するところなど、1970年代くらいまでのヨーロッパ、特にフランス映画に出てくる警部みたいなのだ。安置所からさっき死んだばかりの遺体がひとつ消えてなくなると言う事件で、主人公が呼び出されるところからこのお話が始まるのだけど、その描き方はホラータッチであるところも魅力的である。


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