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偏見と差別と固定概念と高校生ゲイの僕のお話。

僕はこの春からN高に入学し、忙しながらも楽しく高校生活を送っている、高校一年生のゲイ。周りの環境が一気に変化し、初めてのことも多くチャレンジをしている中、今回のプロジェクトNがスタートした。
まずはこの画像を見て欲しい。

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この二つの丸の色は何色だろうか。

ピンクと黄色?紫とオレンジ?様々な見方があると思われる。

だが、この二つの円はどちらも同じ色だ。

錯視効果により違う色に見えるが、手前の”フィルター”を外してしまえば、同じ色の円が二つ、ただそこにあるだけ。
これは、人間社会にもよくあることだ。人は無意識に自分の中の”普通”や”固定概念”で相手を判断している。それと違えば、偏見や差別の対象になることも少なくはない。

でも、その”フィルター”をはずして、もっと単純に、もっと相手の本質をみようとすれば、ただ、同じ人間であるという考えに行き着くはずだ。
今回のプロジェクトNのテーマは錯視を使って広告画を作り、多くの人に自分の意図を伝えるというもの。

僕はLGBTQ+をテーマとして、これらのフィルターについて、錯視を使い広告画を制作してみた。

工夫した点

僕がこのプロジェクトの中で、作りたかったものは優しく穏やかでありながら、心に残るもの。僕は昔から”色”が好きだった。赤色とか黄色とかそういうことじゃなく、”色”という概念自体が好きだ。だから、今回のプロジェクトでは色を多く使い、豊かで穏やかな表現を心がけた。
今回、僕はLGBTQ+というテーマで広告画を制作した。なぜ、このテーマにしたのか。冒頭にも書いたが、僕がゲイだからだ。でも、この事実を恥ずかしく思っているわけではないし、いけないものだとも思っていない。ゲイだからといって、いじめなどを受けたこともない。だが、たとえ自分がその被害を受けていなくても、実際に差別や偏見が存在しているのは、確かなことだ。僕も嫌がらせをされたことはなくても、些細な一言や反応に傷ついたことは何度もある。たとえ、そこに悪意がなくても、些細な一言で相手を傷つけることは少なくない。だからこそ、今回のプロジェクトNでこのテーマを選び、自分を表現するということをしたかったのだ。
今回、自分で掲げたLGBTQ+というテーマも”色”が深く関わっていると僕は思っている。例えば、LGBTQ+というワードを聞くと、多くの人は虹色を思い浮かべると思う。実際にLGBTQ+と画像検索をしてみると、虹色が多く使われている。人はそれぞれ何色でもありながら、何色でもない。だからこそ、今回は色に関連した錯視を使用して広告画を完成させた。
さっそく、その広告画をお披露目しようと思う。

制作した広告画像はこちら!

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これが、今回作成した広告画だ。中心に「だれも、なにも、違わない」という文章を置くことで、テーマやメッセージ性も伝えられているのではないかと思う。


この広告画にはムンカー錯視というものを使った。ムンカー錯視というのは、手前にある格子の色と背景の色の違いと、それによって生まれる奥行きにより、同じ色の図形でも、それぞれ違う色に見える錯視のことだ。


実際、この広告画には四つの花があるが、全て違う色に見える。でも、手前の格子を外してしまえば...

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このように、同じ色の花が四つ、ただそこにあるだけだ。

人はどうしても、フィルターをかけて、相手を見てしまう。それによって、悪意がなくても偏見や差別が生まれることだって、たくさんある。でも、少しでも意識的に、そのフィルターを外そうとすれば、だれも、なにも、違わない。同じ人間だ、ということを伝えたくて、今回の広告画を完成させた。

プロジェクトを終えて

今回、広告画を作って、誰かに何かを伝えるということを初めて行った。

実際に作業をしたり、誰かへ発表をしてみて、伝えたいことが相手に伝わって評価された時にすごく達成感に満たされた。
正直に言うと、少し前まで自分はゲイだということを、恥ずかしいことだったり、言うべきじゃないことだ、と思っていた。だが、今回のプロジェクトを通して自分自身の考えを見直すきっかけにもなったし、すごくいい機会だったなと思う。
今回が初めてのプロジェクトNだからこそ、自分自身が納得のいくものに仕上げたい、という想いがあったのだが、個人的には納得のいくものに仕上げられたんじゃないかと思っている。
この広告画を見た、だれかの心に残るものになって欲しいと願っている。

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