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あのミットに向かって2nd 20話(80話)

〇〇:お父さんは?

◯母:お父さんは仕事よ

〇〇:そっか…

◯母:〇〇、変わったわね

〇〇:そう?
いつも通りだけど

◯母:お母さんにはわかるのよ

〇〇:へぇ〜

変わってるならよかった
俺も成長したってことか…

◯母:そうね
アメリカ頑張ってきなさい

〇〇:行ってくるよ!

◯母:史緒里ちゃんもよろしくね

史:はい!お任せください

◯母:史緒里ちゃんも凄く大人になってまた可愛さが1段階上がったように感じるわ

史:えっ、そんなことないですよぉ〜💕

〇〇:ホントそんなことないよね!

史:ピクッ

ドスッ!

〇〇:オワ…

史:私が言うのはいいけど〇〇に言われるのは許さない

〇〇:何でそんなに強いのよ

若菜:史緒里ちゃんもっとやっていいのよ
男はすぐそう言うこと言うから!

史:ありがとうございます。
これでより強めにいけます!

〇〇:若菜さん…

(どう思うよ?もう1人の俺?)

〇〇2:まぁ俺には関係ないからどんどんやって欲しいかな

〇〇:何でお前も向こう側なんだよ

〇〇2:変なところに首突っ込みたくないからな
俺もあの子には勝てないから

〇〇:お前も俺と同じ何だな

〇〇2:それでこそ二重人格ってもんだよ

史:〇〇!何してんの!行くよ〜

〇〇:あ、わかった〜
今行く!

お母さん!お父さんによろしく!

◯母:は〜い!わかったわ
(お父さんもアメリカにいるんだけどね)

じゃあ栄純さん、若菜さん2人を頼みます

栄純:任せてください
強くなって帰って来させますから

若菜:預けて頂きありがとうございます
史緒里さんのお母様にもよろしくお伝えください

◯母:はい!ではよろしくお願いします


〇〇達はアメリカへ
誰が待ち受けているのか



〇〇:飛行機初めてだなぁ〜

史:そうなの?
パパの仕事について行ったりしなかったの?

〇〇:しなかったね〜
野球してる方が楽しかったから

史:飛行機は得意不得意あるらしいから
〇〇はどっちかな
まさかもう怖かったりして…😏

〇〇:なわけないだろ!俺に怖いもんはない
史緒里以外…ボソ

史:何か言った?

〇〇:言ってないよ

まぁ見とけって!

史:絶対〇〇苦手だよ。わかるもん


飛行機が離陸した…

ゴゥ〜〜〜

〇〇:ワクワク


しかし、ここから〇〇は地獄をみる


グーーーン

〇〇:あれ?やばい😨
でも、史緒里にバレたら…
チラッ

史緒里は何事ないようにヘッドホンをつけて外を眺めていた


〇〇:どうしよう

〇〇は浮遊感がどうにも気持ち悪く何かを握りたがっている様子だった


そして、
飛行機は離陸した

その瞬間〇〇は史緒里の手を握らずにはいられなかった

ギュッ

史:えっ?どうしたの?

〇〇:握らせてくれ
頼む!心臓が飛び出そう…


史緒里は〇〇の頼むときの顔が今までに見た事がないくらいに乙女の顔をしていた🥺


史:可愛すぎる…💕

ずっと握ってていいよ?

〇〇:ありがとう


1人は爆睡
栄純:ぐぁ〜〜

1人は動画で爆笑
若菜:あははは🤣

1人は恐怖に慄き
〇〇:助けて〜

1人はメロメロ😍
史:もう可愛すぎっ!

という何ともカオス状態の飛行機の中であった…


14時間のフライトが終わり

無事にロサンゼルスに到着した

〇〇:はぁはぁ…
着陸の時死ぬかと思った!

もう2度と乗らん!

史:え〜〇〇可愛いすぎるからまた乗ろ?

〇〇:絶対死んでもや!

史:そしたらメジャーにいけないね!

〇〇:うっ…
そのときは考える


栄純:ほら!行くぞ!

〇〇:はい!

史緒里はフライト中、〇〇の寝顔を連写、動画もたくさん撮り満足のアメリカ合宿スタートとなった

史:今度梅達にも見せよ



梅:史緒里羨ましいわ〜

岩:ホントだよね〜
だって好きな人とアメリカだよ
最高すぎるでしょ?

梅:復帰したらとことん私たちに付き合ってもらわないとね!

岩:何でも言うこと聞いてもらお!

史緒里が復帰してからの話はまた特別編で…


〇〇達は栄純達について行くとある家に着いた


栄純:ここだな

若菜:久しぶりに会うから少し緊張する

史:誰だろ?

〇〇:これは豪邸の域を越えてるよ

ピンポン!

??:は〜い

どちら様ですか?

栄純:お久しぶりです。沢村栄純です。

??:あら、到着したのね

今開けるわ

ギーーー

〇〇:自動かよ

ガシャン

史:圧倒され過ぎてて…

ガチャ

真美子:いらっしゃい🤗


栄純:ご無沙汰してます!

若菜:お久しぶりです。真美子さん

真美子:元気にしてた?

若菜:はい!
そして、この2人が電話で話した

真美子:あぁ!
〇〇君と史緒里ちゃんね

〇〇:よろしくお願いします!

史:よろしくお願いします!

真美子:よろしく!

さぁ入って入って!

旦那ともう1人が待ってるわよ

史:どこかで…

〇〇:史緒里知ってんのか?

史:いや、自信はないけど…



栄純達は家に入ってリビングに案内された

するとそこには

大谷翔平と御幸一也がいた…

翔平:おう!来たな!栄純、そして、若菜さん

一也:久しぶりだな

栄純:お久しぶりです。

若菜:お久しぶりです

史:これは現実なの?パチパチ

史緒里は自分のほっぺたを強く何度も叩く

史:あれ?現実だ
そしたらこの家って…

翔平:そうだよ。俺の家

史:え〜〜〜〜〜〜〜



史:これはこれは私みたいなものがこんな大スターの家に上がるなんて…

今すぐ帰らないと…

史緒里は早口で喋る

一方で〇〇は奥にいるもう1人の人に気づいた

〇〇:何でお父さんがいるんだよ!

◯父:よ!来たか!

〇〇:来たかじゃねぇよ
お母さんが仕事とは言ってたけどまさかアメリカだとは思わなかったわ!

翔平:君が〇〇君かな?

〇〇:あ、はい
森田〇〇と言います

翔平:前から少し変わったかな?

〇〇:俺のこと知ってるんですか?

翔平:知ってるよ
いつも君のお父さんにはお世話になってるし、
夏の甲子園の決勝、俺の横にいるやつと観に行ったよ

一也:横にいるやつって何ですか!

〇〇:あなたは…

一也:言ってなかったな
俺は御幸一也
俺も君のお父さんにお世話になってるよ
ありがとね

〇〇:御幸…

一也:息子が同じチームにいるだろ?

〇〇:え?

一也:御幸拓也は俺の息子!

〇〇:え〜〜〜〜〜〜


翔平:でも、ホントでしたね
◯父さん

◯父:何が?

翔平:こう言っちゃ何だけど俺たちソコソコ有名じゃん?

◯父:そうだね

翔平:会っても驚かないとは

◯父:〇〇は自分の野球にしか興味がないから
驚かないんだよ
名前くらいは知ってると思うよ

〇〇:こんなイケメンだったんですね

翔平:君もお父さんに似て十分イケメンだよ

〇〇:ありがとうございます

翔平:で、君の付き添いの方はいつまで倒れてるのかな


〇〇:史緒里は野球大好き女子なのですごい人に会うといつもこうなるんです。
情報が多過ぎてショートしているだけなのでご心配なく
もう時期起きます


史:はっ!
気を失ってた
すみません🙇


翔平:でだ…
栄純はタダでここに来たわけじゃないんだろ?

栄純:まぁそうですね
まず来年からメジャーに挑戦します

一也:ほぉ〜

翔平:来るか…
それで?

栄純:是非翔平さんの練習に参加出来ないかと思いまして…

翔平:そうだよな

一也:俺もお前の球、WBC以来捕ってないからどんだけ成長したか見たいんだよな

栄純:俺も捕って貰いたいですよ

翔平:じゃあこうしようか

〇〇君達はごめんね
今から大人達のちょっとした遊びがあるから観といて
でも、観て後悔はしないと思うから

〇〇:わかりました。

翔平:俺との1打席勝負しようか
ピッチャーは栄純
キャッチャーは一也
バッターは俺でいこう


史:こんなの中々観れないよ

翔平:これで栄純が勝てば参加していいし、俺が監督に推薦しとくよ


栄純:負けたら?


翔平:参加出来ない。そしてメジャー挑戦は諦めろ

栄純:!?

翔平:そのくらいの事しなきゃ面白くないだろ?

栄純:そうですね
わかりました。


ここからの1打席はここにいる人しか知らない
幻の1打席勝負となる

日本No.1の投手とNo.1捕手、そして世界の大谷翔平の3人

日本の野球ファンなら誰もがお金を払ってでも観たい
そのくらいの豪華な共演だった

それを間近で見れる2人は幸運にも程がある


そして、この1打席勝負が〇〇を大きく変える出来事になるとはこの時は誰も知らない

一也:久しぶりに沢村の球捕れて嬉しいわ
それに相手は翔平さんだ
最高じゃね?

栄純:そうですね
勝っても負けても文句なしの1打席勝負
これほど熱いことはないですからね

一也:さぁ怪物退治といこうか

頼むぜ

"相棒"

〇〇:!?

翔平:作戦会議は終わったか?

一也:終わりましたよ

翔平:審判は◯父さんな!


一也:さぁ初球
翔平さんは1打席勝負なんて関係なく打ってくるぞ

お前の成果を見せてみろ

ナンバー4(フォーシーム)

栄純:久しぶりだなこの感じ…


〇〇:やべぇ俺まで緊張してきた

史:しっかりと目に焼き付けておかないとね


栄純:ザーッ

身体リラックス

力を入れるのはココ(指先)だけ

溜めたチカラを一気に…

指先一点豪華主義!

ンァら!


〇〇:!?(俺とほぼ同じ投げ方なのにあの無駄のない動作は…)

ビューーーーン

翔平:フン😤!

一也:ズバーーン!!!

史:この一球だけでご飯食べれるよ!


〇〇:それにしても大谷選手のスイングおかしくねぇか?
こっちにまで風が来たんだけど


栄純:ふっ
プレッシャーがやばい
一振りでわかる
この人には甘い球は厳禁

一也:うん。いいね
140km/h後半でキレイなスピンのかかった混じりっけのない純粋な真っ直ぐ
これだよこれ!

翔平:流石に無理だったか…
でも、もういける

一也:これなんだよな
翔平さんは一球で球の軌道やスピンなど大体を掴んで来るからそこが周りの選手とはちがうとこ

翔平:イッヒッヒ

一也:久しぶりサイン出すなぁ

ナンバー9(スプリット改)

栄純:ふー

栄純の目の色が変わる

〇〇:ゾクツ
(何だ?このこっちまでヒリつく感じ)


翔平:楽しくなってきた


栄純:こういう勝負を求めていた

この緊張感…


翔平さんのような素晴らしいバッターを抑えるために…

観とけよ〇〇

〇〇は時間を忘れるほどにその勝負に釘付けにされていた


栄純:ザーッ

しっかりと重心移動して

腕の振りは真っ直ぐと同じ

ンァ!!!

ギューーーン

翔平:!?

スカッ

一也:パァーーン


大谷のバットが空を切った…
周りにいる誰もが驚いた


そして、〇〇も…

〇〇:すげぇ

翔平:ほう…
これは初見じゃ無理だな

〇〇:軌道は真っ直ぐ…
でも、打者の手元で沈む
しかも小さく

あのスピードで操っているのがまた凄い



そこからは両者譲らず

スパァーン!

◯父:ボール

史:これでフルカウント…

次で11球目であった

栄純:カットボール改にも当ててくるし、速い球には強い

なら

拓:失投厳禁低く来い!

栄純:コク


〇〇:栄純さんはわかってる

史:何が?

〇〇:三振よりも体勢を崩せる球をと

史:〇〇は栄純さんに似てるよね
投げ方や球種、その他諸々

〇〇:似てるようで似てないよ
あの人は俺とは全く違う

あの人はここに辿り着くまで相当な修羅場を潜り抜けてきたと思う
フォーシームにしても
完成されているよ

その人に対して俺みたいなもんが似てるなんておこがましいよ


史:………

〇〇:でも、いつか栄純さんみたいになりたいとは思うよ

その為にアメリカに来たんだから

史:ごめんね、そうだね。

〇〇:いや、似てるって言ってくれて嬉しいよ

それは少しでも栄純さんに近づけたってことだから

史:サポートするね

〇〇:よろしく

栄純:ボールのキレで圧倒する

ンァ

グン

一也:身体が前に出た

翔平:この落差いいね…


でも


ここからでも俺は待てる!


一也:マジ!?


翔平は膝をついて掬い上げた

栄純:!?

史:あの体勢で打つなんて

〇〇:すげぇ
世界にはまだこんな人達がいるんだ


栄純:負けました。

翔平:そうだな

栄純:まだまだですね
メジャーへの挑戦は諦めます

翔平:栄純何言ってんの?

栄純:え?

翔平:俺は諦めるべきだと言ったけどそれは
ただの俺の考えなだけだよ
諦めろとは言ってない

一也:まぁまだまだだけど
通用すると思うぜ


翔平:俺のチームにこいよ


栄純:!?


でも、俺は負けたのでその話は


〇〇:栄純さん!!

諦めるんですか!

翔平さんは栄純さんを認めたんですよ!

栄純さんが断ってどうするんですか!


栄純:〇〇、約束は守らないといけない


〇〇:わかりました。


翔平さん!俺と1打席勝負してください!


史:〇〇…

栄純:お前何を言ってんだ!

〇〇:栄純さんは黙っていてください!


翔平:〇〇、俺としてどうなる?


〇〇:自分だけタダで練習に参加させてもらうのは筋違いだと思います

なので、俺も負けたら帰ります


◯父:!?
〇〇、何を言ってんだ
これは翔平さんのご厚意で参加させていただいくんだぞ!
お前の我儘が通るわけ…

大谷選手は◯父を止めた


〇〇:俺はこれだけ沢山の人に迷惑かけて、こんな凄い選手達と簡単に練習に参加していいわけがない

高校生だからとか関係ありません

1人の野球選手です!

翔平:!?

〇〇:勝負するからには必ず抑えに行きます


栄純さん、俺が勝ったら翔平さんのチームに行ってくださいね


栄純:おい!〇〇、お前…



〇〇:我儘ですみません。どうか1打席勝負よろしくお願いします!



翔平:わかったよ

でも、〇〇!男に二言は無いからな

〇〇:わかってます!

翔平:一也いけるか?

一也:俺は全然大丈夫ですよ
でも少し時間くれませんか?

アイツ最近投げてないそうなので


翔平:いいよ。1時間後始めようか


〇〇:ありがとうございます!よろしくお願いします



まさかまさかの森田〇〇vs大谷翔平の1打席勝負が実現

果たしてどうなる

〇〇は勝って自分と栄純を救うことができるのか

そして、御幸一也とのバッテリーも目が離せない

To be continued…

とうとう80話を突破しました!
ありがとうございます

皆さんが読んでくれなければここまで書けませんでした。

まだまだこれからも「あのミットに向かって」は続いていきますので
是非ともよろしくお願いします🙇

もう少しアメリカ編をお届けした後、夏の西東京大会編へと進んでいきます。
拓也達が引退したら3年生編も書くつもりなのでお楽しみに
周りにも勧めて頂けたら嬉しいです。


では、失礼します

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