あのミットに向かって2nd 18話(78話)

監:全員集まったか？

拓:はい！集まりました

監:そしたら全員座れ

雷道ナ:何かな

監:気づいた生徒もいると思うが〇〇がいない
その説明をする
話したあと絶対にどこにも口外するな
例え友達であってもだ
もし発覚したら退部してもらう
マネージャーもだ

雷道ナ:！？

監:いいか？

雷道ナ:はい！

監:森田は夏の大会前まで戻ってこないことになった

雷道ナ:！？

拓:え？

西:アイツ何も…

大:ホント？

春:ビックリして何も言葉が出ない

監:だから、春大は森田抜きだ

雷道ナインは衝撃を受けた

監:追加で床田に入ってもらう

床田:はい！

拓:監督何が…

監:アイツは持病も持っていた
内容は言えないがもしかしたら戻って来れないかもしれない

雷道ナ:えっ？

さくら:うそ…

遥香:そんなこと知らなかった

監:アイツ自身も知らなかった
もちろん私もだ

拓:ならどうして…

監:森田の両親からこの前の試合後、話をされた

〇〇がおかしくなる前に止めるために3ヶ月間休学させてくださいと…

必ず戻って来させますと言われた

雷道ナ:………

監:俺はそれを信じたい。
森田は雷道に必要なピースだ
アイツが戻ってきた時に今よりも強いチームになっていよう
いいか！

雷道ナ:はい！

監:森田が戻ってきてユニフォームをどうするかはその時決める
アイツは全力で奪りにくるからな
今の所、試合をしようと考えている

森田はまた野球をするために離れている

戻ってきた時はまたアイツは強くなって帰ってくるぞ

西:その時は返り討ちにしますよ

小笠原:ぶっ飛ばしますわ！

高津:俺たちも負けてられねぇからな

春:やろう

大:〇〇に絶望を…

遥香:1人だけ違う…

監:では、解散！
それぞれの練習に移れ！

雷道ナ:はい！

監:御幸は監督室に

拓:はい！

春:知らないってあるんですかね

小笠原:どうだろうな
森田ならありえる

春:そうですね
でも、何の病気でしょう

連絡もだめなんですよね？

小笠原:多分な

俺たちはアイツに助けられてきたからな
いなくなって負けたら不甲斐なさすぎる

勝たないかん！

春:そうですね
勝ちましょう！

監:すまんな御幸…

拓:いや、

監:お前は気づいていたのか？

拓:気づいていたは嘘になりますが、
異変には…

監:受けていて感じたと…

拓:そうですね

明らかに乱暴というかいつもの森田の繊細さは感じませんでした。

監:御幸にはホントのことを伝えるべきか…

麻:いや、やめておいた方がよろしいかと…
御幸君が背負ってしまいます。

拓:自分もそちらの方がいいと思います。
自分はアイツが戻ってくることを信じてより一層努力したいです。

監:そうだな。悪かった
御幸、練習に戻ってくれ

拓:わかりました。
失礼します

ガチャ

監:難しいな

麻:そうですね
二重人格…
治すのは厳しい
治す方法は治療以外だと本人自身がそれを認めて共存くらいしか…

監:そうだな

甲子園に行くには絶対に必要な存在だ

麻:これは復帰できないことも考えてやらないといけないですね

監:あぁ

〇〇の離脱は想像以上に周りを苦しめることとなった

そして、雷道は〇〇のいない中戦う4回戦

龍谷相手に大谷が先発

途中まで投手戦となったが

均衡を破ったのが主将の御幸

龍谷の真田の真っ直ぐをライトスタンドに運んで
ようやく1点。

ピッチャーの大谷はどこか吹っ切れたかのように
三振の山を築き、この試合13奪三振。

松風嵐にヒットは打たれはしたものの後続を打ち取ってゲームセット

結果は3ー1

活躍したのは大谷と御幸のみ

勝ちはしたもののチームとしては課題が残る試合となった

次の週の準々決勝、日大工業との試合
九条が先発

しかし、4回で6失点と奮わず
その後登板した床田も気持ちとは裏腹の3失点

チームも追い上げムードとはなったものの7点で止まり、

7ー9で敗北

春季東京都大会は準々決勝で敗退となった

これで御幸の代になってから思った結果が出せないでいた。

男記者:ここまで乱打戦になるとは思わなかったな

女記者:そうですね
両チームとも投手陣が踏ん張れませんでしたね

男記者:それにしても雷道の森田君が登録から外されていることが気になるな

女記者:怪我でもしたんですかね

男記者:そうかもしれんな
このままだと夏は厳しくなるぞ

春季東京都大会を勝ち取ったのは

成宮率いる神城実業だった。

新聞には成宮、完全復活

決勝　凪高相手に
9回、6安打、10奪三振、2失点の完投

打線は天宮を攻略し、5得点

強い神城実業が帰ってきた

そして、1ヶ月後の5月最後に開かれた夏大前最後の公式戦の関東大会

神城実業は圧倒的な力を見せつけ
決勝で去年の負けた國學院附属高校相手に

8ー1で雪辱を果し、関東大会覇者となった

成:らぁ！！！！

拓:強いな

佑美:流石だね

凪高も準決勝で國學院附属高校に負けたけど
凄い試合だったよね

拓:そうだな

夏はあの成宮を打たないといけないし、

甲子園では凪高が来れば当たる可能性もある
打線がどれだけ投手を楽にできるか

佑美:最近、少し良くはなったけど
まだまだだもんね

拓:そうだよなぁ

マネージャーは偵察か？

佑美:そうだね。

さくらが遥香と一年生連れて関東大会の偵察しに行ってくれたから

拓:後で御礼言わないとな

佑美:私には？

拓:佑美にはいつも言ってるだろ？

佑美:そっか…

拓:マネージャーにはいつも感謝してるぜ
絶対に甲子園に連れて行くから
それが俺たちからの恩返しだ

美月:何カッコつけてんのよ！

ボコッ

拓:痛いな

本当のこと言っただけだろ？

美月:ねぇ〇〇君のこと気にならない？

拓:それは気になるけど場所知らないしな
連絡もつながらないし

美月:そうだと思って…

佑美:えっ！居場所知ってるの？

美月:コク

拓:マジかよ

美月:今は〇〇君…

アメリカにいる🇺🇸

拓・佑美:はぁ？

拓:マジで言ってんの？

美月:大マジ！

ほら！

そこには〇〇がアメリカでトレーニングしている姿が収められていた

佑美:何でその情報持ってんの？

美月:春大の時に〇〇君の応援に来てた
宮城の女の子の連絡先を交換したの
久保ちゃん

その子が〇〇君の付き添いをしているらしく
知らないかなぁと思って連絡したら繋がって
ちょっと聞いたら教えてくれたの

それでこれってわけ

拓:初めて美月を尊敬したわ

佑美:私も…

美月:2人とも何でよ！
今までにも尊敬することいっぱいあったでしょ？

2人は首を振る

美月:え〜〜〜

拓:それでアイツはどうなんだ？

美月:詳しいことは教えてくれなかった
口外したらダメらしくてね

でも、結構危なかったとは聞いたよ
今はどうにかなってるらしい

拓:そうか…

夏の西東京大会まで1ヶ月と少し

やることが多すぎるよ

佑美:私達も全力でサポートするから

拓:あと約3ヶ月よろしくな

スタスタ…

美月:3ヶ月ということは甲子園優勝するってことじゃん

佑美:拓也らしいよね

美月:そうだね

7月初旬…

全国各地で甲子園出場を決める地区予選が始まった

そして、西東京大会が開幕

開会式は明治神宮野球場で開かれ、


東東京127校
西東京124校


計251校がそれぞれ甲子園への1枠をかけてしのぎを削る

高校野球の中で最も熱い大会が遂に開幕した

そこには勿論、雷道高校の姿もあった

観客:どこが優勝すると思う？

西は神城じゃない？

東は凪だと思うけど

穴として雷道、王蘭とおもってる

雷道は最近勝てていないらしいよ

なんか投手陣が悪いらしい

あれ？森田がいるのに？

それが1試合も出てないらしいんだよ

マジで？

怪我？

いや、わからないんだよ

誰も知らなくて

姿も見てないんだと…

もしかして、引っ越したとか？

それしかないよなぁ

おい！あれ見ろよ！

ん？

雷道の1番前

えっ？

そこには3ヶ月誰の前にも現れなかった。

そして、

背番号1をつけた

〇〇が立っていた

To be continued…

〇〇の3ヶ月の話を2話分くらい話したあと
雷道戻ってきてからの話などまだまだありますので夏の大会の模様はもう少し後の話となりますのでよろしくお願いします