あのミットに向かって2nd 25話(85話)
読んでない人はぜひ
〇〇:西野先輩…
塁に出すと得点の確率が上がる
しかも初回、大事に行こう
でも、抑えには行く
河村:インコースに高速ムービングで
〇〇:コク
西:この日をどれだけ楽しみにしていたか
お前がいない間このチームは地獄を見てきた
勝てない試合に
打てない自分
どれだけバットを振ってきたか
○○、知らないだろ?
お前に抑えられてたらチームは勝てない
〇〇:打席に対する集中…
やっぱり凄いですね
ザーッ
ドン
グググッ
ンァ
ビューーーー
グン
河村:パァーン
監:ストライク!
西:速くね?
何km/h出てんだ?
遥香:美月さんこれ…
美月:え?
スピードガンには138km/hと表示されていた
美月:あれ、ムービングだよね
遥香:はい…
美月:それでこの球速…
もしかして大台に乗る?
〇〇:ん〜まぁまぁかな
河村:アウトコースにムービング
〇〇:コク
奥村:どんどん打たせてこいよ
〇〇:ンァ!
ビューーン
ぐっ
パァーン
監:ボール!
西:インとアウトに球速差もつけたムービング
制球力もある
何狙う?
拓:〇〇の生命線はフォーシームだ
これをまずは崩そう
雷道ナ:よしっ!
西:真っ直ぐ…
河村:真カット
〇〇:いや、まだいい
河村:それならフォーシームをアウトコースに…
〇〇:それでいい
狙ってくる相手に立ち向かう事も時には大事
これで打たれるならそれだけ球だったってこと
焦らずいこう
大丈夫
んぁら!
ゴゥギュ
シューーーー
西:!?
カーン
西:重っ
差し込まれた
〇〇:奥村先輩!
奥村:はいよ。パシッ
〇〇:1アウト!
雷道ナ:1アウト!
西:ごめん。
拓:オッケーオッケー
どうだった
西:俺の勘だけど140km/h超えてるぞ
全員:え!?
マジで言ってる?
西:今打った球、芯で捉えてるのにセンターフライだぞ
小笠原:森田が140?
そんなわけ…
〇〇:甘かったなぁ
パワー打者には通用しないか…
まだまだだな…
次は春いっちか
春:集中しないとやられる
監:ほう
1打席目からあのポーズをとるとは…
〇〇:オーラあるね
しかし…
スパァーン!!
春:えっ?
雷道ナ:マジかよ…
春一がバットに当てられなかった
それ程なのか
〇〇:今のは良かった
吉田:ナイスボールだ
(どんな練習したらあんな成長の仕方するだよ)
春一は初めての感覚に襲われていた
春:敵対してわかる圧
ボールに対する重み
この打席で叶わないとまで思ってしまった
怖いと…
橋:お願いします
河村:アウトコースに…
〇〇:コクッ
ンァ
監:ストライク!
橋:遠い
〇〇:橋本先輩はバットコントロールがいい
上手く当てられないように
ふーっ
ンァ
ギューーーン
カン!
監:ファール!
橋:くっ
振り遅れた
完全にあっちのペースだ
自分のスイングを
〇〇:球速UPしたことでより生きた球
"チェンジアップ"
橋:ここでかよ…
河村:スパン
監:ストライク!バッターアウト!
〇〇:しゃぁあああああ
河村:ナイスボールです森田先輩!
〇〇:おう
大山:お前、何したらこうなるんだよ
〇〇:まぁ練習は地獄でしたよ
どうにか生きて帰ってこれたって感じですかね
山﨑:どんな練習か知りたいわ
〇〇:さぁ皆さんよろしくお願いしますね
高橋:任せとけ
健吾を打ち崩してくるわ!
麻:2軍は盛り上がってるわね
(それにしても〇〇君、別人すぎない?
まだ本気じゃない。球質も球速も進化してるし
なんと言ってもほとんど真っ直ぐで打ち取っていること
ウチのバッターは真っ直ぐ強い筈なのに
それさえも抑える
あの春一君が当てられないのにはびっくりしたわ)
守備しっかりね〜
1軍:はい!
拓:大谷、いけるな
大:もちろんです
〇〇がいない間俺がこのチームのエースとして引っ張ってきたんですよ
絶対に負けません
拓:よし、みせつけるぞ
全力で来い
大:はい
高橋:お願いします
拓:賢次郎は最近調子を上げてきている
見極める力に滑らかなバットコントロール
出したくないな
大:コク
〇〇:健吾…
相当練習したんだな
エースとしての自覚に責任感
やっぱアイツは凄いやつだ
高橋:真っ直ぐにはついていける
スプリットを見極めれるか…
キャッチャーは御幸先輩だしな
大:ふ〜
ゴゥー
高橋:ビクッ
拓:ズバーーン!
監:ストライク
高橋:やっぱり速いな
拓:今日はより気合いが入ってるな
それは俺たちもだけどな
〇〇がいい刺激になってくれて大谷も早く投げたくて仕方なかったんだろうな
大:〇〇がどんな練習してきたかは知らないけど僕は僕なりにやってきた
そう簡単にエースの座は渡さない
パァーン
監:ストライク!バッターアウト
大:俺からその座を奪ってみろ!
〇〇:にゃろ〜
美月:両チーム三者凡退
もしかしたら1点取ったチームが勝つかもね
遥香:次の回〇〇君と御幸先輩の対決ですよ
〇〇:なんだかんだ言って真剣勝負は初めてだな
楽しくなってきた〜
拓:ここは俺が打ってチームに勢いを…
それこそ俺が〇〇を1番知っているからこそ
〇〇:やっぱ御幸先輩すげぇな
もう1人の俺もやばいと言ってる
雷道ナ:この対決熱くない?
西:これで御幸が打てば五分だな
打てなければ俺たちが圧倒的に不利になる
まさか俺も森田がここまでとは思わなかったからなぁ
監督の言っていたことは本当だった
拓:俺は春の時お前の力になれなかった
あんだけ一緒にバッテリーを組んでて何故気づけなかったのか
それをどんだけ悔いたことか…
もっと楽に投げさせれば、いや俺たち先輩がもっと頼れる先輩であれば…
でも、今なら言える
安心して投げろ!
俺達のチームには頼れるバッターが沢山いるんだぞと
カキーン!!
〇〇:!?
小笠原:打ちやがった
〇〇:くそ〜運ばれたか
見逃してはくれないよな
このチームには停滞している選手なんて1人もいない
誰もが次へ次へと前に向かっている
成長しているのは俺だけじゃない
みんな成長しているんだ
〇〇:すっ〜〜、はぁ〜〜
グー👊(前に突き出して)
ドン🤛(左胸を拳を当てる)
よしっ
小笠原:さぁ続くぞ
〇〇2:ギアをあげるか?
〇〇:いや、大丈夫だよ
ピンチになったら頼むよ
〇〇2:まぁこれで打たれるようじゃ
まだまだだしな
〇〇:見とけよ
河村:アウトコースにフォーシームを
〇〇:コク
ンァ!
ギューーーン
スパァーン
小笠原:途中からもう1段階球速が増したような
〇〇:もう一球…
ん!
ビュー
カン!
ファール!
小笠原:押されてる
しゅう〜
河村:小笠原先輩は振り抜いて内野の頭を越える打球が多いイメージ
ここは攻める意味でアウトローギリギリに…
〇〇:よく考えてるな
あのミットに投げ込んでこそ
ピッチャーとして応えたことになる
んぁら!
シュルルルルル
小笠原:ピクッ
低いか…
河村:バシッ
監:ストライク!バッターアウト!
小笠原:!?
あ、入って…
(いや、これはこういう球をカット出来ていない時点で負けなんだ)
小笠原は天を見上げた
監:小笠原!
見極める事も大事だが俺はお前の大胆さを買って5番に置いているんだ
考え直せ
小笠原:はい!
〇〇:次がアイツか
大:ザーッザーッ
ふー
さくら:これも注目の対戦
にしても〇〇君、球数少ないね
和:そうですね
ここまでボールが2球だけですもんね
さくら:テンポがいいよね
始まる前に聞いたんだけど
さくら:どうやって球数抑えてるの?
〇〇:ん〜というか、ボール球に手を出させることがこの結果になってるのかもね
さくら:へぇ〜
〇〇:ボール球を見送られるって投手からしたら嫌なんだよね
まぁ完全なボールは良いんだけど
狙いに行っての見送られるのは極力避けたいから
ストライクとボールの出し入れを練習したんだよ
さくら:色んな〇〇君が見られるのは心地いいよね
和:さくらさんって〇〇先輩のことになると楽しそうですよね
さくら:え?
そんなことないよ〜
和:(さくらさん顔に出てますよ)
〇〇:健吾は無表情のくせして普通に打つからな
河村:インコースにフォーシームを
〇〇:コク
ザーッ
ドン
グググッ
ンァ!
ジュッ
ビューーー
大:!?
ズバァーン!!
監:ストライク!
雷道ナ:インコースに真っ直ぐ
河村:ほぼ構えた所に…
〇〇:らぁ!
大:くっ
2球目
ジュッ
シューーーーー
カーン
監:ファール!
雷道ナ:追い込んだ
無駄がない
ジュッ
ビューーン
バン!
監:ボール
〇〇:ンァ!
大:引けるわけない!
カキーン
〇〇:!?
大山:ザーッ
ファール!
〇〇:危ね
河村:思いっきり踏み込んできた
〇〇:そういう大胆さは変わらないな
大:狙いは真っ直ぐ!
〇〇:んら!
シューーーー
大:素直に打ち返す!
〇〇:河村!
河村:はい!
〇〇:健吾の時は全力でいきたい
これは他の人を下に見ているわけではなくて
アイツとは本気の勝負をしたい
だからどんな状況でも投げる
塁を進められても構わない
それでもアイツとの勝負からは逃げたくないから
河村:わかりました。
それなら真カットボール改の指示を出します
もし捕れなくても後ろには逸らしませんから
〇〇:よろしく頼む
ギュン
大:ピクッ
スカッ
バチーーン!!
監:ストライク!バッターアウト
ザーッ
雷道ナ:御幸が2塁に
拓:(ここでその球投げたのは無謀なんじゃないのか?)
〇〇:これでいい…
健吾には
大:くそっ
〇〇:ホームに帰さなければ問題ない
2アウト!
内野陣:2アウト!
高津:全員が自分のバッティングができていない
狙いは真っ直ぐ
ふー
〇〇:ん!
高津:!?
スカッ
河村:パシッ
監:ストライク!
雷道ナ:初球チェンジアップ
高津:チェンジアップにより磨きがかかってる
パァーン!
雷道ナ:もう1球チェンジアップ!?
しかも左打者に対して
柳:何がいけないんですか?
春:一般的に左ピッチャーが左打者に対してチェンジアップを投げるのは危険とされているんだよ
チェンジアップは内に入ってくるボール
一歩間違えれば真ん中に入ってくるタダのボー球になる
それを敢えて投げてくるということはそれだけ自信があるんだよ
柳:そうなんですね
春:(もしかしたらそれより先があるのかも…)
雷道ナ:高津が完全に裏をかかれてる
高津:最後は…
〇〇:ンァ!
全員:!?
まさかの3球目もチェンジアップだった…
高津:嘘だろ…
河村:パシーーン
監:ストライク!バッターアウト!!!
雷道ナ:本当に森田なのか?
瀬戸:完璧じゃん!
〇〇:ありがとう
監:球速がUPしたことによりチェンジアップがより生きる球になったな
拓:後ろから観てて下半身の安定が今の森田を表している
2回の裏
4番、大山がヒットを打ち、
5番の山﨑が送りバント
1アウトランナー2塁で河村に回ってきた
〇〇:行け〜河村少年!
河村:ついていけ…
大:ん!
ビュー
カキーン
監:ファール
シュルルルー
河村:ん!
カン!
監:ファール
雷道ナ:粘るなぁ
次7球目か
拓:低く来い!
大:コク
んぁ!
ギューーーン
ストン
河村:ピクッ
バシッ
監:ボール!
高橋:よく見極められてるぞ!
河村:よしこれでフルカウント
拓:今ので仕留めたかったが…
河村:流石に御幸先輩もスプリットは投げづらいはず、真っ直ぐか縦スラかカット
今日は球威があるから押してきそう
拓:………
〇〇:御幸先輩なら…
ストン
スカッ
雷道ナ:スプリット!!!
監:ストラックアウト!
河村:くっ、同じ球
大:2アウト!
春:大谷君!ナイスピッチ!
西:ナイスボール!
大:後1人…
〇〇:河村少年よく粘ったな
河村:すみません。最後のスプリットは頭にありませんでした。
〇〇:それはしょうがないね
河村:森田先輩なら投げてましたか?
〇〇:そうだね…
投げてたよ
河村:えっ?
〇〇:俺も健吾も他の投手達も皆、同じ気持ちだと思う
投げづらいなんて考えていない
それでボールだったとしても切り替えるしかないし、逃げる方が1番投手にとって嫌な気分になる
御幸先輩はそれをわかっている
相手を知って打ち取る
本当に凄いと思うよ
河村:………
ありがとうございました。勉強になります!
〇〇:俺も何もわかってないからな
ハハハ
河村:(やっぱり雷道に来て正解だった。
この人達ともっと野球したい)
〇〇:奥村さんお願いしますね
奥村:任せとけ
カーン
コロコロコロ〜
〇〇:え?
奥村:ちくしょーーー
両チーム2回を終了して0ー0
3回は両チーム三者凡退となった
そして4回、2アウトで御幸先輩との2回目の勝負
カウント1ボール2ストライク
ここで〇〇は間違えて投げるはずのなかったあれを選択してしまう
チェンジアップ改
そして、御幸も何かを感じ取っていた
何かくる?
河村はチェンジアップと思っていた
〇〇:んぁ!
拓:チェンジアップ
イメージは出来ていた
いける!!!!
ブン!
ストン
拓:ゾワッ
バザーッ
河村:!?
その瞬間全員が凍りついた
全員:………
〇〇:やべっ間違えた
三振だがキャッチャーが後ろに逸らしたため
御幸は1塁へ
所謂、振り逃げ
雷道ナ:なんだ?今の球
西:おい、マジか…
春:今、落ちたような
佑美:なんですかね?今の球
麻:いや、わからないわ
河村:すみません!タイムを
監:タイム
(アイツ完全にやったな…)
〇〇:いや、ごめんごめん!
今の失投
河村:予想もしない軌道だったので焦りました。
〇〇:もう大丈夫だから
河村:わかりました。
スタタタタター
拓:(なんだあの球…完全に落ちていた
しかも、チェンジアップだった)
久しぶりに鳥肌立った
大山:なんですかね?
失投ですかね?
拓:(あれは失投ではない。あれを意図して〇〇は投げた)
そういえば…
一也:元気にしてるか?
拓:なんだよ!いきなり電話かけてきやがって
一也:俺の息子なんだから電話くらいするよ
拓:で、何?
一也:〇〇のことだ
拓:!?
一也:拓也、覚悟して聞けよ
〇〇のチェンジアップには気をつけろ
拓:は?どういうこと?
一也:受ければわかるが
あれはチェンジアップどころの騒ぎじゃない
俺は捕れなかった
拓:いや、それだけ言われても困るわ
一也:それだけ言いたかった
じゃあな
ブチっ!
拓:おい!親父!
いきなりかけてきてそれだけかよ
意味わかんねぇ
拓:(もしかしてこれのことを親父は言っていたのか)
親父でさえも捕れないほどのチェンジアップ
ホントなんて奴だよ
その後、小笠原は前の球を見たからなのか完全に振り遅れサードゴロに終わった
〇〇:マジ危なかった
監:御幸!
〇〇:ん?
拓:はい!
監:この回終わったら森田とバッテリーを組め!
拓:はい!
監:河村、交代だ
河村:はい!
監:小野!
小野:はい!
5回から九条と一緒に入れ!
監:大谷、この回で交代だ
大:え?
まだ投げれるんですけど
監:お前の力は十分わかってる
でも、交代だ
次の回の打席まで立っていい
大:〇〇は
監:アイツも御幸と一回だけ組ませたら交代させる
〇〇:ボス!マジっすか?
監:あぁ
〇〇:え〜
監:その後、床田!
床田:はい!
監:森田と交代だ
床田:わかりました
4回の裏、大谷は悲しさでヒットとフォアボールを出しはしたもののなんとか抑え、交代となった
大:もっと投げたかった…😔
監:御幸、すまんな
拓:いや、逆に森田の球を受けられて嬉しいですよ
拓:〇〇!
〇〇:はい!
拓:いけるな?
〇〇:はい!
拓:俺に投げたあのチェンジアップ
失投じゃないだろ?
〇〇:!?
拓:その顔はホントのようだな
〇〇:投げるつもりはなかったんですけど無意識に投げてました
拓:で、アレはなんだ?
〇〇:アレは空振りさせるためのチェンジアップです。
チェンジアップ改としてます
拓:改ね…
〇〇:今のものに限界を感じたので
空振りをとるためのチェンジアップです
拓:空振りね
〇〇:でもこの球は多投しません
拓:どうしてだ?
〇〇:これは出し惜しみって言われるかもしれないですけどこの1球で相手チームに少しでも揺らぎが生まれたらいいなと
それで尚且つ三振をとりたいと思って…
拓:そういうことか…
ならそれでいい
単に投げたくて投げてるのかと思ったから
まぁ結局、〇〇の言う通りになってるし
〇〇:え?
拓:完全に1軍は動揺している
で、どうする?
投げるか?
〇〇:…
やめときます
俺がやりたいのは三振を取りたいからではないので
拓:俺も賛成だ
じゃあサインは出さない
それ以外の球種で圧倒しろ!
〇〇:はい!
拓:それと…
〇〇:ん?
拓:頼んだぞ
"相棒"
〇〇:!?
拓:何照れてんだよ
〇〇:照れてねぇよ!さぁ行った行った!
拓:ふふ🤭
大:御幸先輩は向こうに寝返ったんですか?
拓:ちげぇーよ
監督からの指示だろ
大:絶対にぶっ飛ばす
拓:(そんなんじゃお前は〇〇に勝てないよ
もうお前だけだぞ
〇〇を認めてやれてないのは)
拓:久しぶりだなぁ
この高揚感
いくぞ!夏の大会前最後のバッテリーだ
〇〇:さぁこの回だけギアを上げていこうか
〇〇2:やるか…
監:(もしかしてもう1人の〇〇か?)
さくら:顔つきが変わった
麻:まさか…
〇〇:大丈夫ですよ
〇〇・〇〇2:俺達は2人で1人ですから
ザーッ(脚を高く上げる)
俺はあのミットを…
ドン(右足を強く踏む)
信じて投げれば…
グググッ(左側に重心を)
勝てない相手など…
指先1点集中
ココ!
いない!!!
んぁら!!
ギュイーーーーーン
拓:!?
スバァーーン!!!
シュゥ
大:!?
美月:今の何km/h?
遥香:美月さん…
美月:え?
遥香:
143km/h
です
美月:!?
監督も含め全員が〇〇の投げた1球に心を奪われていた
そして、〇〇の背中には1のエースナンバーが見えた
河村:凄い…
本気になった森田先輩は誰にも止められない
受ける拓也自身も
拓:完全復活か…
長かったな…
大:俺は何をしていたんだ…
実際、健吾は停滞していた
それは監督も理解していた
それでもいつか自分で気づいてくれると思い、大谷自身にはあまり口を出さなかった
この試合で大谷は自分の弱さに気づいた
大:俺が目指した野球はアレだ
どこまでも追求してとことん楽しむ野球
どこかで慢心していたんだ
このチームのエースなんだと…
監:ようやくか…
お前は父親を超えられるぞ
止まるな
前に進め
森田は自分であそこまで来たんだ
アイツに出来てお前が出来ないわけがない
大:はい…
〇〇:ごめんな
次は健吾が復活するまで俺が繋いどいてやる
拓:よかったな
俺たちの夏は今始まったんだ
俺たちの夏は長い
大:いつか必ずお前に勝つからな
〇〇:いつでもかかってこい
その回は
圧巻の三者連続三振だった
〇〇:よし!
ナイスな!〇〇2
〇〇2:あたぼうよ!
監:どんどん替えていくぞ!
雷道ナ:はい!
紅白戦の試合結果は
5ー3で1軍が勝利した
監:礼!
両チーム:した!!
監:集合!
雷道ナ:はい!
監:お疲れ様だった
今日の試合、反省点があるものも多いだろう
しかし、これだけ熱い試合ができたことは今後必ず生きてくる
御幸!
俺達の目標はなんだ?
拓:全国制覇です!
それぞれが力を合わせれば俺たちはどんなチームにも負けない
去年借りを返しにいく!
いくぞぉ
雷道ナ:しゃぁああああああああああああ
監:今日は解散していい
自主練はしてもいいが程々にな
雷道ナ:はい!
監:森田はこの後監督室に来い
〇〇わかりました
監:では、解散!
拓:ありがとうございました!
雷道ナ:ありがとうございました!
雷道ナ:いや〜楽しかったな!
楽しかった〜
春:〇〇君
〇〇:おう!春いっち
春:完敗だった
〇〇:そうか?春一の時マジで打たれると思ったわ
あの構えはオーラあり過ぎ
春:そうかなぁ
次は打つから!
〇〇:次も負けないからな
👊
西:久しぶりの…
キック!
ボカーン
〇〇:うげ〜
何するんすか!西野先輩
西:恋しかっただろ?
〇〇:恋しくないですよ!
西:あ"〜ん?
ギュッ
〇〇:苦しい苦しい
パチパチ
向こうにいた方が安静だったわ
健吾!!!
大:なんだよ!
今、〇〇の顔見たくないから
〇〇:なんでそんなこと言うんだよ
拓:大谷はお前を越えるから
その時は逆の立場になるな
〇〇:そんなことは天地がひっくり返っても起きないので大丈夫です
大:絶対に地獄を味合わせてやる
〇〇:もう味わってるから
大:勉強も教えない
そしたら留年するから自然と後輩になるし最高の立場になれる
〇〇:!?
春:急に〇〇君の顔が青ざめた
〇〇:🥶
誰か助けてくれ〜
コンコン!
はい
〇〇:森田です
監:入れ
〇〇:失礼します
監:今日の試合どうだった?
〇〇:そうですね
緊張しました
でも、楽しかったです。
監:そうか、それならよかった
麻:大谷君に投げた時、表情が変わったけど大丈夫なの?
〇〇:アレは俺ともう1人の俺が結託してる時になるので全然大丈夫ですよ
麻:それで何か起きたりしないの?
〇〇:そうですね
体力くらいですかね
麻:ホントにそれだけ?
〇〇:それだけですよ
嘘つく意味がないですから
麻:ならいいわ
監:それでだが、まだ復帰して間もないから2・3回戦は休んでもらおうと思うがどうだ?
〇〇:ありがとうございます
自分もその方が万全で挑めると思います
でも、いつでも行けるように準備はしておきます
監:ありがとう
それだけでも心強い
その時は頼むな
〇〇:はい!
ボス!今年も甲子園行きますからね
今度は胴上げしますから!
では、おやすみなさい!
監:………
麻:〇〇君…
私達も頑張らないといけないですね
監:そうだな
麻:監督が悩まれてるのわかりますが私もそれに賛成しますよ
でも、こんなに早く来るとは思いませんでしたけど…
監:俺も同じだ
次の日
監:背番号を発表する
1番…
森田〇〇
〇〇:え?
監:森田早く取りに来い
要らないのか?
〇〇:要ります!要ります!
ダダダダダダダダダ
ブルブル🫨
あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す
〇〇:何故だろ…
2番、御幸拓也
拓:はい!
監:投手陣や全体の事も任せると思うがよろしく頼む
拓:はい!頑張ります
どんどん呼ばれていき
11番、大谷健吾
大:はい
監:少しずつでいいからな
大:わかりました
やれることをやります
そして、全員が呼ばれた
1、投手:森田〇〇
2、捕手:御幸拓也
3、一:小笠原世那
4、二:町田春一
5、三:村上和真
6、遊:西野疾風
7、左:鈴木正尚
8、中:高津真一郎
9、右:橋本静哉
10、投手:九条幸四郎
11、投手:大谷健吾
12、捕手:小野健斗
13、一:大山あつし
14、右:高橋賢次郎
15、中:奥村源
16、三:山﨑遥斗
17、二:吉田将大
18、投手:床田真守
19、左:柳昌人
20、捕手:河村薫
監督:片岡剛喜
記録員:若月佑美
監:この夏はこれでいく!
そして、マネージャー全員前へ
はい!
お前達はいつも選手たちをサポートしてくれてありがとう
これからも偵察やサポートなど大変なことが多い筈だ
そんなお前達に…
是非とも着てほしい
マネージャーも選手だ
さくら:ありがとうございます
遥香:ありがとうございます
和:ホントだったんだグスッ
茉央:ありがとうございます😭
監:若月、頼むな
佑美:はい!
監:そして山下!
美月:はい!
監:山下はベンチに入ることは少なかったがよくここまで続けてくれた。ありがとう
それでだ、これは選手たち、そしてマネージャー全員からの贈り物だ
これを着て応援して欲しい
美月:これは…
そこには全員からのありがとうが書かれてあった
美月:グスッ
拓:泣くなよ
美月:だって…こんなことあると思わないじゃん
拓:誰だって美月には感謝してんだよ
それにその服は甲子園優勝まで来てもらうからな
美月:うん
みんな約束ね
○○:任せてください
マネージャーの分もすべて背負っててグランドに立ちますから
西:お前が言うな
監:選ばれたものはチームのとしての誇りと責任を持って
選ばれなかった1・2年生は応援やサポートを頼む
3年生は残ってくれ
では解散
監:まずはお前たちを選んでやれなくて申し訳なかった
監督は頭を下げた
3年:!?
監:お前たちは文句も言わず俺に付いてきてくれた
ありがとう
この3年間、楽しいことよりも辛いことの方が多かったかもしれない
それでもお前たちは文句も言わず俺に付いてきてくれた
俺はお前たちを誇りに思う
"ありがとう"
3年:グスッ😢
監:これは俺からの最後の頼みだ
"これからも俺の誇りであってくれ"
3年:うわぁぁぁぁぁぁぁ
わかってはいたけどいざ来ると…😢
監:最後までサポートを頼む
3年:はい!
拓:俺たちに出来ることはただ1つ
1つでも多く勝つことだ
○○:はい
先輩たちの分もマウンドに持っていきます
次回
遂に開幕
西東京大会124校が1枠をかけて鎬を削る
長くてごめんなさい
二つに分けようとも思ったのですが早く夏の大会を書かないとと思ったので許してください
あとこれは質問なんですが、スマホで書いた場合文字数によってはアプリが落ちるってことありますか?
この話の最後、急遽パソコンで書きました
わかる方教えてください
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